日本語と英語の接頭辞の違いを確認しよう。

日本語と英語の接頭辞の違いを確認しよう。

接頭辞の意味

接頭辞とは、単語の前につけて意味やニュアンスを変える言葉のことです。日本語では丁寧さや敬意を表すものが多く、英語では単語の意味を否定・強調・反転するなど、より具体的な意味を加えるために使われます。

日本語の接頭辞の例

1. 丁寧さや敬意を表す接頭辞

  • : 和語や親しみのある言葉に使われる。
    • 例: お茶、お菓子、お金
  • : 主に漢語に使われる。
    • 例: ご案内、ご連絡、ご意見
  • み(御): 古語や詩的な場面で使われる。
    • 例: みこと(命)、みかど(御門)

2. 否定や逆の意味を表す接頭辞

  • : 否定や欠けていることを示す。
    • 例: 不可能、不満、不安
  • : 「~がない」という意味。
    • 例: 無意識、無関係、無責任
  • : 「非~」「正規ではない」という意味。
    • 例: 非常識、非公式、非現実的

3. 程度や強調を表す接頭辞

  • : 大きさや重要さを強調。
    • 例: 大成功、大問題、大人気
  • : 「非常に~」や「~を超える」。
    • 例: 超簡単、超特急、超人気
  • : 「本当の」「完全な」。
    • 例: 真夜中、真新しい、真剣

4. カジュアル・俗語的な接頭辞

  • : 強調やぶっきらぼうなニュアンス。
    • 例: ど真ん中、ど素人、ど田舎
  • : 力強い印象を与える。
    • 例: ぶ厚い、ぶっ飛ぶ、ぶっきらぼう

英語の接頭辞の例

接頭辞を英語で言うと "prefix"(プレフィックス) です。「pre-(前)」と「fix(付ける)」を組み合わせた言葉で、「単語の前につける要素」という意味を持ちます。

1. 否定を表す接頭辞

  • un-: 「~でない」「反対の」
    • 例: unhappy(不幸な)、unknown(知られていない)
  • in-/im-/ir-/il-: 「~でない」
    • 例: incorrect(間違った)、impossible(不可能な)、irregular(不規則な)、illegal(違法な)
  • non-: 「非~」「~でない」
    • 例: non-smoker(非喫煙者)、nonexistent(存在しない)

2. 逆や反対を表す接頭辞

  • dis-: 「反対」「否定」
    • 例: disagree(同意しない)、disappear(消える)
  • anti-: 「反~」「対抗する」
    • 例: antisocial(反社会的な)、antivirus(抗ウイルスの)

3. 再びを表す接頭辞

  • re-: 「再び」「繰り返す」
    • 例: rewrite(書き直す)、restart(再起動する)

4. 過度や強調を表す接頭辞

  • over-: 「過度に」「超える」
    • 例: overwork(働きすぎ)、overeat(食べ過ぎ)
  • super-: 「超~」「上位の」
    • 例: superstar(スーパースター)、superhuman(超人的な)
  • ultra-: 「極端な」「超える」
    • 例: ultrafast(超高速の)、ultrasound(超音波)

5. 位置や範囲を表す接頭辞

  • pre-: 「前の」「事前の」
    • 例: preview(予告)、preheat(予熱する)
  • post-: 「後の」「以降」
    • 例: postwar(戦後の)、postgraduate(大学院の)
  • sub-: 「下の」「部分的な」
    • 例: submarine(潜水艦)、subsection(小区分)

日本語と英語の接頭辞の違い

日本語の特徴

  • 丁寧さや親しみを表す接頭辞(お、ご)を持つ。
  • 接頭辞を付けることで単語に感情的なニュアンスや文化的な意味合いを加えることができる。

英語の特徴

  • 単語の意味を具体的に変える接頭辞が中心。
  • 接頭辞がつく単語とつかない単語が厳密に決まっており、接頭辞+単語がセットで認識される。
特徴 日本語 英語
主な目的 丁寧さ・敬意の表現 単語の意味を変える
接頭辞の柔軟性 歴史や慣習に依存し、柔軟性がある 接頭辞+単語がセットで認識される
外国人にとっての難しさ どの単語に接頭辞をつけるか分かりにくい 接頭辞を付けられる単語が限られる

まとめ

日本語と英語にはそれぞれ接頭辞がありますが、どの単語に接頭辞を使えるかには制約があります。日本語では、接頭辞の使用は歴史や慣習によって決まっており、「お茶」や「ご案内」のように自然な使い方がある一方で、「おミルク」のように不自然な例もあります。このため、外国人にはどの言葉に接頭辞をつけるべきか判断しにくい点が特徴です。

一方で、英語の接頭辞は、単語の意味を変える目的で使われますが、接頭辞と単語の組み合わせが慣用的に決まっているため、自由に組み合わせて新しい単語を作ることはできません。例えば、「rewrite(書き直す)」は自然ですが、「respeak(言い直す)」は存在しません。

どちらの言語でも接頭辞の使い方を正しく理解し、慣れるためには、単語ごとに例を学ぶことが必要です。

参考:お手紙・お仕事・お休み・「お」はどう英語で説明する?