
ある日の午後、ヒロシとエミリーは大学の中庭でベンチに座って、さっき終わった授業の話をしていた。ヒロシは寝坊して授業に遅刻してしまい、ちょっとした「事件」があったらしい。
ヒロシ: いやー、さっきの授業まいったな。
エミリー: え、なんかあったの?
ヒロシ: 山田教授、厳しいだろ、時間に。よりによって寝坊してさ、なんとか間に合うかと思ったんだけどだめでさ。後ろのドアが空いてて、しれっと座ってみたんだよ。
エミリー: えっ、しれっと?
ヒロシ: そう、バレないように、何食わぬ顔でね。でも、少し経って指されて、「では、遅刻した佐藤君」って言われてさ、超恥かいたよ。
エミリー: あ〜、山田教授ね。あの人は時間や提出物にはうるさいからね。でも、説明もわかりやすいし、いい先生だわ。
エミリー: で、「しれっと」ってどんな感じ?どんなときに使うの?遅刻したとき?
ヒロシ: うん、遅刻に限らず、こっそり何かをするときに使うかな。でも、ただの「こっそり」じゃなくて、「バレても平気そうな顔してる」ってニュアンスがあるんだよ。たとえば、友だちのポテト1個しれっと食べるとか。
エミリー: なるほど!だから英語だったら "casually" とか "nonchalantly" とか使えるかな?たとえば、"He casually walked into the classroom 10 minutes late."(彼は10分遅れてしれっと教室に入った)とか。あとは "He nonchalantly grabbed a fry from my plate."(彼は私の皿からしれっとフライドポテトを取った)って感じ。
ヒロシ: へえ〜、そう言うんだ!「nonchalantly」って、なんかオシャレな言い方だな。初めて聞いたかも。でも、確かに「何事もなかったように」って感じするね。
エミリー: しれっとって面白い表現だね!たとえばさ、図書館で誰かが読もうとしてた雑誌を、先に気づいてしれっと取って読むとか、そういうときに使える?
ヒロシ: あー、それそれ!そういう、バレないようにサラッとやる感じ。めっちゃいい使い方じゃん!
解説
しれっとは、何事もなかったように、平然とした顔で行動する様子を表す言葉です。多くの場合、「ちょっと図々しい」「バレたら困ることを自然にやる」といったニュアンスを含みます。「こっそり」よりも開き直った感じがあり、「悪びれずにする」行動に対して使われることが多いです。
英語には「しれっと」にぴったり対応する単語はありませんが、以下のような表現が状況に応じて使えます。
He casually walked in late.
遅れてきたのに、何事もなかったかのように教室に入ってきた。
"casually" は「気軽に」「さりげなく」といった意味で、緊張感のなさや自然さを表します。何も気にせず自然にふるまう感じが「しれっと」に近いです。
She nonchalantly took a cookie from the plate.
彼女はしれっとお皿からクッキーを取った。
"nonchalantly" は「平然と」「何事もなかったかのように」という意味で、「悪いと分かってるけど気にしてない」感じが伝わります。日本語の「しれっと」にかなり近いニュアンスがあります。
He just slipped in like nothing happened.
まるで何もなかったみたいに、しれっと入ってきたよ。
"like nothing happened" も、「しれっと」の感覚に近く、状況を無視して自然に行動する様子を表します。
「しれっと」を英語で説明
"Shiretto" describes doing something in a way that looks natural or innocent, even though it's sneaky or potentially noticeable. It's often used when someone acts like nothing happened, even if they've done something wrong or unexpected.
「しれっと」とは、ばれそうなことや悪いことを、まるで普通のことのように平然とやる様子を表す言葉です。「何事もなかったように」ふるまう感じがポイントです。
「しれっと」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。
※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。