ヒロシ: エミリー、日本語には「ドキドキ」や「ワクワク」みたいなオノマトペがたくさんあるけど、英語にもそういう表現ってあるの?
エミリー: あるけど、英語で使われるオノマトペの数は日本語ほど多くないかな。それに、「オノマトペ」って実はフランス語が起源なんだよ。英語でも使われるけど、主に音を模倣する言葉に限定されてるのよね。日本語だと、感情や動作までもオノマトペで表現するから、その点では少し異なるかな。
ヒロシ: フランス語から来てるんだ、知らなかった。日本語では、たとえば「ドキドキ」って、ただ心臓がバクバクしてるだけじゃなくて、期待とか不安とか、そういった感情も一緒に含まれてるよね。英語でも、そういう感覚を表すオノマトペがあるの?
エミリー: そこが英語と日本語の大きな違いなのよ。英語にも「my heart is pounding」とか「nervous」って表現はあるけど、日本語の「ドキドキ」みたいに、一言でその感情の微妙なニュアンスを伝えることは少ないのね。特に日本語は、感情だけじゃなくて、自然の音や動作の細かい違いをオノマトペで表現できるから、それがユニークなところね。
ヒロシ: 確かに、日本語だと「シトシト雨が降る」とか「ザアザア雨が降る」っていう表現があるけど、これはすぐにどんな雨かイメージできるよね。英語だと、これをどうやって表すんだろう?
エミリー: うん、それがまた難しいところなのよ。「シトシト雨が降る」なら「It’s drizzling」とか、「ザアザア雨が降る」なら「It’s pouring rain」とか言うけど、それだけじゃ日本語のニュアンスが伝わりにくい。
実際には、その場の雰囲気や情景をもう少し具体的に説明しないと、同じ効果は出ないの。たとえば、「It’s drizzling quietly outside, creating a peaceful atmosphere.」みたいに言わないと、日本語の「シトシト」が持つ静かな雰囲気は伝わらないんだよね。
ヒロシ: なるほど。日本人なら「シトシト」と聞くだけで、なんとなく静かで落ち着いた感じの雨が浮かぶけど、それを英語にすると一文の説明が必要になるってことか。確かに、英語だとオノマトペが少なくて、言葉で状況を説明しないといけないんだね。
エミリー: そうなのよ。オノマトペを使ってその場の雰囲気や感覚を正確に伝えるには、両方の言語の表現をよく理解してないと、状況を説明しきれないんだよね。たとえば、日本語では「ゴロゴロ」って言えば、
雷が遠くで鳴っている音や、その響きの感覚がすぐに伝わる。でも英語だと「thunder is rumbling in the distance」とか言わないと、その音の距離感とか強さを表現しきれないの。だから、英語でオノマトペを使っても、どこか説明的になることが多いのよね。
ヒロシ: 英語だとオノマトペで済む部分が、文章になっちゃうんだね。じゃあ、日本語の「ドキドキ」とか「ワクワク」も、一言ではなくて長い説明が必要になりそうだね。
エミリー: そうそう。「ドキドキ」だと「my heart is pounding」とか、「ワクワク」は「I’m really excited」と訳せるけど、どちらも日本語ほど豊かな感情のニュアンスを一言では伝えられないのよね。しかも、「ドキドキ」には緊張も期待も含まれているから、状況によって「nervous」や「excited」って訳さないといけないんだよね。
ヒロシ: たしかに、オノマトペってその場の状況や感情を一瞬でイメージさせる力があるよね。それを言葉にするのは、逆に難しいのかもしれないね。
エミリー: そうなの。だから日本語のオノマトペはすごくユニークで、覚えるのは難しいかもしれないけど、使いこなせると本当に便利だと思うよ。英語だと、何度も状況を説明しないと伝わらないことを、日本語のオノマトペなら一言で済ませられることが多いからね。
ヒロシ: なるほど。英語と日本語でこんなに違うんだね。でも、だからこそオノマトペって面白い。文化や言語の違いをこういうところで感じるんだな。やっぱり日本語のオノマトペは、感情や状況を一瞬で思い浮かべられるところがすごいよ。
エミリー: 本当だね。言語の違いは面白いし、こういうことを学んでいくと、ますます日本語の豊かさを実感するよ。