
ヒロシは最近読んだビジネス小説に夢中だ。物語は、社内での出世争いの中で、主人公がライバルに陰謀をたくらまれ,左遷寸前まで追い込まれた。しかし、それを乗り越えて返り咲くというドラマチックな展開。まるで法廷劇のような逆転劇に胸を熱くしたヒロシは、ゼミ仲間のエミリーにその話を語りながら、「たくらむ」という日本語表現の深いニュアンスについても紹介する。
ヒロシ: この前読んだビジネス小説がめちゃくちゃおもしろかったんだよ。
エミリー: へぇ、どんな話?
ヒロシ: 会社の中で出世をめぐってドロドロの争いがあってさ。主人公がライバルに出世レースから外されるように、いろいろたくらまれるんだけど、最終的に全部跳ね返して返り咲くんだよ。
エミリー: うわ、それ完全にドラマだね。たくらまれるってことは、騙されたり裏切られたりするってこと?
ヒロシ: そうそう。「たくらむ」って、ふつうは悪意のある計画をこっそり立てるって意味なんだ。誰かを陥れようとするときとかによく使う。
エミリー: へぇ、おもしろい。英語だと "plot" が一番近いかな。こっそり悪いことを計画するって感じ。
ヒロシ: なるほど。"plot" って、そんなに悪い意味があるんだ?
エミリー: うん、文脈によるけどね。たとえば "They plotted against him." って言ったら、「彼に対して陰謀を企てた」ってことになる。
ヒロシ: それ、完全に「たくらむ」だね。
エミリー: あと、"conspire" とか "scheme" も似てるよ。"conspire" は何人かで一緒にたくらむイメージで、"scheme" はちょっとずるい計画って感じかな。
ヒロシ: へー、いろいろあるんだね。でも日本語では「スキーム」って言葉は結構普及しているカタカナ英語だけど、ぜんぜん違う意味になるよ。
エミリー: え、どう違うの?
ヒロシ: 「ビジネススキーム」とか「支援スキーム」って言うと、「仕組み」とか「制度」って意味で、悪い印象は全然ない。むしろ中立かポジティブ。
エミリー: それ面白い。同じ単語でも、言語が違うと印象も変わるんだね。日本のカタカナ英語は結構そういうのが多いね。
ヒロシ: そうなんだよ。やっぱり、ことばっておもしろいよな。
エミリー: 私はね、そういう悪いことに頭を使うくらいなら、正直に、まっすぐ戦うことに頭を使う方が絶対いいと思うな。長い目で見たら、そっちの方が強いよ。
解説
「たくらむ(企む)」は、人を陥れたり、だましたりするような悪意のある計画を、こっそり立てるという意味の動詞です。
小説やドラマなど、陰謀や裏切りが絡むような場面でよく使われます。
英語では、「たくらむ」に相当する動詞として以下のような言葉が使われます。ただし、それぞれニュアンスや使われ方に違いがあるので、状況に応じて使い分ける必要があります。
plot
They plotted against him.
(彼らは彼に対して陰謀を企てた。)
→「plot」は、誰かに対して悪い計画を立てるという意味で、特に「裏切り」や「陰謀」などの状況に使われます。個人でも集団でも使えます。
「たくらむ」にかなり近い表現で、ドラマや政治的な話にもよく登場します。
conspire
They conspired to manipulate the outcome.
(彼らは結果を操作しようと共謀した。)
→「conspire」は、複数の人間が協力してひそかに悪いことを計画するという意味です。「共謀する」という訳がよく使われます。
単なる個人の企みではなく、複数人が組んで動いている場合に使われるのが特徴です。
scheme
He schemed to take over the company.
(彼は会社を乗っ取ることをたくらんだ。)
→「scheme」は、ずるい方法で何かを得ようとする計画を表します。日常会話でも使われますが、少し文学的・批判的な響きを持ちます。
英語圏でも国によってニュアンスが異なり、イギリス英語では中立的、アメリカ英語ではネガティブな印象があります。
このように、「たくらむ」を英語に訳す場合は、文脈・人数・意図の強さに応じて単語を選ぶ必要があります。単純に「plan」では伝わらない、裏のある意図を含んだ言葉を使うことがポイントです。
「たくらむ」を英語で説明する
Takuramu(たくらむ)
means to secretly plan something with bad or dishonest intentions. It often suggests plotting to deceive or harm someone, and is used in situations involving betrayal or sabotage.
(悪意のあることをこっそり計画すること。誰かをだましたり、陥れたりしようとする場合に使われます。)
「企む」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。
※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。語彙の出現頻度や専門性に応じて、参考レベルを判断しています。