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「面子」を守る?潰れる?英語で伝える日本の概念

ヒロシとエミリーは大学の中庭でお昼ご飯を食べながら話しています。エミリーは最近見た日本のドラマの中で「面子がつぶれる」という表現を聞き、ヒロシに詳しく聞いてみることにしました。


エミリー: ヒロシ、この前見た日本のドラマで「面子がつぶれる」って言葉が出てきたんだけど、どういう意味?何が潰れるの?なんとなく恥ずかしいとか、そんな感じかなって思ったけど…。

ヒロシ: おー、いい質問だね。「面子(めんつ)」っていうのは、簡単に言うとプライドとか、他人の前での自分の尊厳のことを指してるんだ。たとえば、人前で恥をかかされたりすると「面子がつぶれる」って表現するんだよ。

エミリー: あー、なるほどね!じゃあ、「面子」って「顔」みたいな意味とも関係があるの?

ヒロシ: そうだね。「面子」っていう言葉はもともと中国から来たもので、漢字にも「面(顔)」が入ってるよね。日本語には「顔を立てる」とか「顔をつぶす」っていう表現があるけど、似たような意味で使われてるんだ。

エミリー: へぇ!たとえば、上司が会議で部下に公然と批判されたら、その上司の「面子がつぶれる」って感じ?

ヒロシ: まさにその通り!日本の社会では特に、「面子」を保つことが大事だと思われる場面が多いんだよ。他人の面子を傷つけないように気を使うことも、礼儀の一部として重視されてる。

エミリー: そうだね、日本は人間関係の調和をすごく大事にするよね。でさ、英語で「面子がつぶれる」ってどう訳せばいいと思う?「プライドが傷つく」とか?

ヒロシ: うーん、どうなんだろう?エミリーならどう言う?

エミリー: 英語では “lose face” って言う言い方があるわ。この表現、実はアジア文化が由来なんだよね。たとえば、“He lost face in front of his colleagues.” とか。意味としては「同僚の前で恥をかいた」みたいな感じかな。

ヒロシ: おー、英語でも「face」が使われるんだ。面白い!でも日本語の「面子がつぶれる」とまったく同じ意味?

エミリー: うーん、ちょっと違うかな。「lose face」は日常的に使えるけど、英語圏では「面子を守る」っていう考え方がそこまで強くないから、ニュアンスとしては少し軽いかも。

ヒロシ: なるほどね。それで、「面子を保つ」は英語だとどう言うの?

エミリー: それなら “save face” だね。たとえば、「上司がミスを批判しないでおいてくれたら、面子を保てる」っていう場合は、“The boss helped him save face.” って言うよ。

ヒロシ: へぇ、シンプルでわかりやすいね!「lose face」と「save face」か。こういうのがあると英語でもスムーズに表現できそう。

エミリー: そうだね。でも文化的には日本の方が「面子」を気にする場面が多いと思う。ヒロシ、説明してくれてありがとう!めっちゃわかりやすかったよ。

ヒロシ: いやいや、エミリーの英語の例もすごく助かったよ。お互いに教え合えるのがいいよね。

解説

面子を潰される」は、日本語でプライドや体面が傷つけられることを意味します。この表現を英語で伝える場合、最も近い表現として「lose face」があります。このフレーズはアジア文化由来で、「尊厳を失う」という意味を持ちます。たとえば:

“He lost face in front of his colleagues.”
(彼は同僚の前で面子を潰された。)

ただし、英語では「lose face」以外にも、文脈やニュアンスに応じて適切な表現を使い分けることが重要です。以下に、具体的なフレーズと例文を示します。


1. Pride(誇り、自尊心)
“His pride was crushed when he was scolded in front of his peers.”
(仲間の前で叱られて、彼の誇りは粉々にされた。)
個人の内面的なプライドが傷つけられる場面で使います。自己評価に関わるニュアンスが強い表現です。

2. Reputation(評判、信用)
“Her reputation was ruined when the embarrassing story spread around the office.”
(恥ずかしい話が職場中に広まって、彼女の評判は失墜した。)
他人からの評価や信用が低下する状況を指します。社会的な体面を強調したい場合に適しています。

3. Dignity(尊厳、品位)
“He felt his dignity was stripped away after being forced to apologize publicly.”
(公の場で謝罪を強制され、彼は自分の尊厳を奪われたと感じた。)
人間としての尊厳が損なわれたことを表現します。特に屈辱的な状況に適しています。

4. Honor(名誉、体面)
“The accusations tarnished his honor in the eyes of the community.”
(その非難で彼の名誉は地域社会の目から損なわれた。)
道徳的な名誉が失われた状況を表現します。重みのある場面に適した表現です。

5. Be humiliated(屈辱を味わう)
“He was humiliated in front of everyone.”
(彼はみんなの前で恥をかかされた。)
「面子が潰される」の中でも、特に屈辱的な感情を強調したい場面で使います。

6. Be embarrassed(恥ずかしい思いをする)
“She was embarrassed by his rude comments.”
(彼の無礼な発言で彼女は恥ずかしい思いをした。)
軽いニュアンスの「面子が潰される」に適しています。

7. Be put to shame(恥をかかされる)
“The failure put him to shame in front of his peers.”
(その失敗で彼は仲間の前で恥をかいた。)
フォーマルな場面や集団の中での「面子が潰される」を表現する際に適しています。

8. Look foolish(愚かに見える)
“He looked foolish when he couldn’t answer the question.”
(その質問に答えられなくて、彼は愚かに見えた。)
軽い場面での「面子が潰される」を表現する場合に適しています。

まとめ

日本語の「面子が潰される」を英語で表現する場合、「lose face」は便利な表現ですが、それだけに限りません。状況やニュアンスに応じて、PrideReputationDignityHonorBe humiliatedなどを使い分けることで、より的確に「面子」の概念を英語で伝えることができます。これにより、より幅広い場面で自然な英語を使うことが可能になります。

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