エミリーはヒロシに質問しています。身体の部分を使った表現のひとつ「肩を持つ」ヒロシはなんて説明するのでしょうか?
エミリー: ヒロシ、こんなシーン想像して、S子が文句を言っています。「だって、いつもYったら、Gの肩を持つからさ、私の立場ないわ」って感じ。わかるでしょ、「肩を持つ」って表現。当然、肩はわかるけど、肩を持ってどうするって感じ。肩を支えるみたいな?でも、それじゃ意味が通じないよね。
ヒロシ: ああ、「肩を持つ」か。それは慣用句で、誰かの立場を支持したり、味方することを意味するんだ。例えば、友達が何かトラブルに巻き込まれた時に、その友達をかばうとか、サポートするっていうニュアンスがあるよ。
エミリー: へえ、なるほどね。じゃあ、例えばクラスメイトが先生に怒られてる時に、そのクラスメイトを擁護するのも「肩を持つ」って言うの?
ヒロシ: そうそう、それも「肩を持つ」に当てはまるね。でも、その状況によっては使い方に注意が必要かも。時々、ちょっと否定的なニュアンスになる場合もあるからさ。
エミリー: 否定的なニュアンス?どういう意味?
ヒロシ: そうだね。「肩を持つ」は普通ポジティブな意味で使うことが多いけど、必ずしもそうとは限らないんだよね。例えば、友達が誤解されてる時に、その友達をかばって「肩を持つ」って使うと、友情とか信頼を表すポジティブな意味になる。でも、一方で、明らかにその友達が間違ってる時に「肩を持つ」と、ちょっと変に思われることもある。
エミリー: ああ、つまり、「誰を肩を持つか」を間違えちゃうと、自分まで批判される可能性があるってことだよね?
ヒロシ: そうそう。それに、あえて誰かの肩を持つことで、他の人を敵に回すこともあるんだ。だから、「肩を持つ」って表現は、使う状況によって微妙なニュアンスが変わるんだよ。
エミリー: あ、なんかイメージしやすい!でも英語に訳すとどうなるかな…「support」や「take someone's side」とか?
ヒロシ: うん、それが近いと思う。でも、違いとかある?
エミリー: うーん、「support」は単純に応援する意味が強いかな。例えば、友達が何かを始めた時に「I support you!」って言うと、何かを全面的に応援するニュアンス。でも「take someone's side」はもう少し特定の状況に寄り添う感じ。議論中に「I’ll take your side on this one.」みたいに使うのが自然だよ。
ヒロシ: なるほど、状況によって使い分けるんだね。じゃあ、「肩を持つ」の場合はどっちがいい?
エミリー: 文脈次第だけど、特に「誰かを擁護する」っていうニュアンスなら「take someone's side」がピッタリかな。例えば、クラスメイトが何か誤解されている時に「I took their side because I thought they were right.」とか言えるし。
ヒロシ: なるほど、それなら意味が伝わりそうだね。じゃあ、「友達の肩を持つ」って英語で言うと…?
エミリー: I took my friend’s side. って感じだね。もし応援の意味なら I supported my friend. とかもいいけど、ヒロシの説明から考えると「肩を持つ」のニュアンスには take someone's side が合うことが多いと思う。
ヒロシ: すごい分かりやすい!エミリー、ありがとう。これで「肩を持つ」を英語で説明できそうだ。
エミリー: いいえ!ヒロシの説明が丁寧だったから、私も考えやすかったよ。お互い助け合ってるね!
解説
- 肩を持つ
日本語では「肩を持つ」という表現は、誰かを支持したり、擁護することを意味します。- I took my friend’s side. (友達の肩を持った。)
- I’ll take your side on this one. (今回は君の肩を持つよ。)
- support
「support」は全般的に応援や支援を表す英語表現で、具体的な場面を指すわけではない場合も多いです。- I supported my friend. (私は友達を応援した。)
- She always supports her team. (彼女はいつも自分のチームを応援している。)
- take someone’s side
「take someone’s side」は、特に議論や対立の中で、誰かの味方をすることを意味します。- I took their side because I thought they were right. (彼らが正しいと思ったから、彼らの肩を持った。)
- Why are you taking his side? (なんで彼の肩を持つの?)
解説
1. 肩を持つ
日本語の「肩を持つ」は、誰かを支持したり、擁護することを意味します。主に特定の状況で、他の人の意見や立場に反対するような場合にも使われます。この表現には、ポジティブな意味もネガティブな意味も含まれるため、状況次第でニュアンスが異なります。
例:
- 友達が誤解されている時に肩を持つ → 友達を守るポジティブな意味
- 明らかに友達が間違っているのに肩を持つ → 自分も批判される可能性があるネガティブな意味
英語では、この表現に対応するフレーズとして 「take someone's side」 や 「on someone's side」 がよく使われます。それぞれニュアンスが少し異なるため、以下で詳しく解説します。
2. take someone's side
このフレーズは、議論や対立の中で「誰かを支持する」「誰かの側に立つ」という行為を指します。特定の場面で積極的に誰かを擁護するニュアンスが強い表現です。
- 使い方の例文
- I took her side during the debate.
(その議論では彼女の肩を持った。) - He always takes his brother’s side, no matter what.
(彼はいつも弟の肩を持つ。何があっても。)
- I took her side during the debate.
- ニュアンスの特徴
「take someone's side」 は、少し積極的で「自分がその人を選び、他の人たちに対してその人をかばう」というニュアンスがあります。状況が明確で、対立がある場面で特に適切です。
3. on someone's side
この表現は、「味方である」「支援している」という立場を表します。「take someone's side」と比べると、穏やかで感情的な支持を示すことが多いです。また、対立の文脈が含まれる場合もありますが、どちらかといえば「相手を安心させる」ニュアンスが強いです。
- 使い方の例文
- Don’t worry, I’m on your side.
(心配しないで、私は君の味方だよ。) - I’m on their side because they’re doing the right thing.
(彼らが正しいことをしているから、私は彼らの味方だ。) - She knows I’m always on her side.
(彼女は私がいつも彼女の味方だと分かっている。)
- Don’t worry, I’m on your side.
- ニュアンスの特徴
「on someone's side」は感情的な支援や友情を示す表現として、相手を安心させたい時に使いやすいフレーズです。また、所有格を変えることで誰の味方かを明示することができ、柔軟性があります。
4. 「take someone's side」と「on someone's side」の違い
表現 | 主なニュアンス | 例文 |
---|---|---|
take someone's side | 議論や対立の中で、積極的に誰かを支持するニュアンス | I took her side during the debate. (その議論では彼女の肩を持った。) |
on someone's side | 穏やかで感情的な支援、安心感を与えるニュアンス | Don’t worry, I’m on your side. (心配しないで、私は君の味方だよ。) |
5. 「肩を持つ」と英語表現の違い
英語の 「take someone's side」 や 「on someone's side」 はどちらも「肩を持つ」のニュアンスに近いですが、日本語の「肩を持つ」の持つ微妙なニュアンスの違いが完全に一致するわけではありません。
- 「肩を持つ」: 積極的に特定の人を擁護する意味が強く、時に批判されるリスクもある。
- 「take someone's side」: 日本語の「肩を持つ」に近い意味で使えるが、英語では対立の中で「どちらの肩を持つか」を選ぶシチュエーションが前提となる。
- 「on someone's side」: 穏やかで感情的な支援を示すため、「肩を持つ」の柔らかいニュアンスに対応する場面で使いやすい。
解説のポイントまとめ
- take someone's side: 「肩を持つ」に最も近い表現で、議論や対立の中で誰かを擁護する行動を表す。
- on someone's side: 感情的な支援や安心感を示すフレーズで、「肩を持つ」の柔らかい使い方に対応。
- 両者のニュアンスを使い分けることで、日本語の「肩を持つ」の豊かな意味を英語で表現することが可能です。