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急な態度の変化、「手のひらを返す」を英語では?

ヒロシは学食のテラス席でエミリーとおしゃべりをしていた。今日の話題は、ある先輩の急な態度の変化について。つい数日前までは親しげだったのに、今日は素っ気ない。


ヒロシ: なんかさ、あの先輩、急に「手のひら返した」感じでさ……正直ショックだったよ。

エミリー: えっ、手のひら?返す?どういう意味?

ヒロシ: ああ、えっと……昨日まではすごく優しかったのに、今日は急によそよそしくなって……なんていうか、まるで別人みたいな対応で。

エミリー: なるほど。英語だと……"did a 180" とか "completely changed attitude" に近いかも?

ヒロシ: お、おー……なるほど……(ちょっと考え込む)あの、"ワン・エイティー"って数字?

エミリー: そう、180度回転って意味。つまり正反対になる感じ。

ヒロシ: ああ、なるほど、Uターンみたいな?

エミリー: そんな感じ!

ヒロシ: ふむ……なんか裏切られた感じがするんだよね。

エミリー: その表現、面白いね。手のひらって「open and friendly」って意味合いがあるの?

ヒロシ: うーん、たぶんそう。手のひらって、普通は見せると安心感あるでしょ。でも返すってことは、急に裏側を見せるような……

エミリー: ああ、そうか!それって、日本語の比喩的な表現なんだね。ちょっと文学的。

ヒロシ: かもね。でもほんと、あの態度の変わりようは、まさに「手のひらを返す」って感じだった。

エミリー: 英語で言うと、"stabbed in the back" ほどは強くないけど、信頼が崩れるニュアンスはあるよね。

ヒロシ: うーん、"stabbed"……刺す、だっけ?それはちょっと怖いね(笑)でも確かに、「信じてたのに…」って感じはある。

エミリー: うん、そういう意味で少し似てるの。態度がガラッと変わって、信用できなくなる感じ。

ヒロシ: なるほどね……英語って、たまにちょっと怖い表現あるよね(笑)

エミリー: (笑)日本語も十分ドラマチックだと思うよ。

ヒロシ: たしかに、お互い様かもね。

解説・「手のひらを返す」という言葉について

「手のひらを返す」とは、それまでの態度や関係性を急に変えて、まるで正反対の対応をすることを意味します。主に人間関係の中で、急に冷たくなったり、利益のために態度を変えたりする場面で使われます。

この表現は、かつては好意的だった態度が急に変わったときの「裏切られたような感覚」を表すのに適しています。日本語独特の身体表現で、「手のひら」は親しみや信頼の象徴ですが、それを「返す」ことで反転、裏側、冷たさを象徴します。

例文:

  • He suddenly turned cold after I lost my position. It was like he completely turned his palm. (僕がポジションを失ったとたん、彼は急に冷たくなった。まさに手のひらを返したようだった。)
  • She was friendly until yesterday, but now she acts like we’ve never met. She totally flipped her attitude. (昨日まであんなにフレンドリーだったのに、今じゃ他人みたい。完全に態度を手のひら返したよ。)

「手のひらを返す」を英語で説明する

"Te no hira o kaesu" (literally "to turn over one's palm") is a Japanese idiom that describes someone who suddenly changes their attitude, often in a cold or self-serving way. It’s used when a person switches from friendliness to indifference, typically for personal gain or changing circumstances. Similar English expressions include "do a 180," "completely change attitude," or "flip-flop." It also shares nuance with "two-faced," though not as strong as "betrayal."

「手のひらを返す」とは、誰かが急に態度を変えることを意味する日本語の慣用句です。多くの場合、冷たくなったり、自己中心的な理由で関係を変えるときに使われます。英語では "do a 180"(180度態度が変わる)、"flip-flop"(コロコロ意見を変える)、"two-faced"(裏表がある)といった表現が近いですが、「裏切り」ほど強くはないニュアンスです。

JLPTの目安レベル

N2

※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。

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