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「脈がない」を英語で言うと?:人間関係で使われるフレーズ

ヒロシとエミリーは大学から駅への帰り道、歩きながら話している。会話の中で、ヒロシが友人のサトシから相談を受けたエピソードを話し始める。サトシがエミリーに好意を抱いているらしいが、ヒロシはその話を聞いて「脈なし」だと判断したと言う。


ヒロシ: 実はさ、この前サトシがエミリーのこと、気になるって言ってきたんだよ。

エミリー: えっ、サトシが?なんで?私、そんなに親しくしてないけど…。

ヒロシ: うん、でもなんか、「エミリーと話すと楽しいし、もっと仲良くなりたい」って真剣に相談してきたんだよ。

エミリー: へえ…それは意外。ヒロシ、なんて答えたの?

ヒロシ: 「それは脈なしだな」ってハッキリ言っちゃった(笑)。だってエミリー、アメリカにボーイフレンドいるじゃん?

エミリー: あはは!そうだね、ちゃんといるよ。「脈なし」ってどういう意味?諦めてっていうことかな。でも、ヒロシ、そんなこと直接言っちゃって大丈夫だったの?サトシ、傷つかないかな?

ヒロシ: いや、ちゃんと優しく言ったよ。「エミリーは確かアメリカに彼氏いるから、それは難しいかもね」って。でも、サトシも「そうか…まあ仕方ないか」って納得してた。

エミリー: そっか、ヒロシが相談に乗ってくれてよかったね。でも、「脈なし」って表現、面白いね!英語だとそういう言い方しないから、ちょっと新鮮。

ヒロシ: へえ、英語ではどう言うの?

エミリー: うーん、たぶん「There’s no chance」とか「It’s not going to happen」みたいに言うかな。でも「脈なし」って言葉、もっとシンプルでわかりやすい気がする。

ヒロシ: そうだね。「脈」っていう言葉、そもそも「繋がり」とか「流れ」を表すから、可能性があるかどうかを表現するのにピッタリなんだよ。

エミリー: へえ、そういう意味があるんだ!じゃあ、「脈あり」も「繋がりがある」とか「希望が続いてる」って感じなのかな?

ヒロシ: そうそう。たとえば、サトシがもっとエミリーと仲良くなって、いい感じになってたら「脈あり」って言えたかもしれないけど、今の状況だとね…。

エミリー: わかった!じゃあ、「脈がある」か「脈がない」かは、その繋がりの強さや可能性次第なんだね。でも、これって恋愛だけじゃなくて他にも使える?

ヒロシ: もちろん!たとえば、仕事のプロジェクトでも「これ、まだ脈があるから諦めないで!」とか、「もう脈なしだから次の計画に移ろう」って使うよ。

エミリー: 便利な表現だね!でも、やっぱり人間関係に使うときが一番わかりやすいかも。じゃあ、サトシにはこれからどうしたらいいってアドバイスしたの?

ヒロシ: 「とりあえず他の人を探そう」って言っといた(笑)。でも、エミリーに直接聞いてみたら、もっといいアドバイスもらえるかもよ。

エミリー: いやいや、私に聞いても同じこと言うよ!「脈なし」って(笑)。でも、サトシがそんな風に思ってたなんて、なんかかわいいね。

ヒロシ: だよな。でも、もし次に「脈がある」人を見つけたら、今度は応援してあげようと思うよ。

例文

「I think I have a shot with her!」
(彼女と上手くいくチャンスがある気がする!)
※「I have a shot」はアメリカ英語のスラングで、「チャンスがある」という意味。カジュアルな場面でよく使われます。

「彼の反応を見る限り、まだ脈があると思うよ。」
(Judging by his reaction, I think there’s still hope.)

「脈なしだったら、次の人を探したほうがいいよ。」
(If there’s no chance, you should move on to the next person.)

「この提案は脈があるから、上司にもう一度話してみよう。」
(This proposal has potential, so let’s discuss it with the boss again.)

解説

「脈」について
「脈」という言葉は、もともと「流れ」や「繋がり」を意味し、様々な状況や場面で比喩的に使われます。日常会話で使われる「脈がある」「脈なし」という表現も、この広い意味から派生したものです。

脈の基本的な意味

「脈」は漢字文化の中で、「筋道」や「繋がり」を表す概念として使われてきました。これが広く応用され、人間の体から自然界、比喩表現にまで広がっています。

心臓の鼓動(脈拍)

「脈」の基本的な意味の一つは、心臓から送り出される血液の流れ、つまり「脈拍」を指します。人間や動物の生命活動に不可欠なものであり、医学的にも重要です。「脈を取る」は、手首や首などで脈拍を測る行為を指します。脈が安定しているかどうかは健康のバロメーターになります。
例:「医師が患者の脈を測る。」(The doctor checked the patient's pulse.)

また、脈拍があることは生命の存在を表し、脈が途絶えることは死を意味します。このため、「脈がある」という表現は希望や可能性が続いていることを示す比喩として発展しました。

道筋や繋がり(連続性)

人間の脈から派生し、「脈」は物事が連続して繋がっている状態を指すようになりました。この概念は「人脈」「鉱脈」「山脈」のように多くの分野で使われています。

脈の具体例

人脈:「人脈」は、人と人との繋がりやネットワークを指します。この「脈」は、人間関係が血管のように繋がって広がっていくイメージから来ています。
例:「彼女は広い人脈を持っている。」(She has a wide network of connections.)

鉱脈:「鉱脈」は、地中で鉱石や鉱物が一定の筋道を持って存在している場所を指します。「脈」の連続性を地質学的に表現した例です。
例:「その鉱脈は金を多く含んでいる。」(That vein contains a lot of gold.)

山脈:「山脈」は、連続して並ぶ山々のことを指します。この場合の「脈」も、連なりや繋がりを表現しています。
例:「その山脈は国境を超えて続いている。」(That mountain range extends across the border.)

脈がある/脈なしの比喩的意味

このような「脈」の基本的な意味を背景にして、「脈がある」「脈なし」という表現が生まれました。特に、可能性や希望の「流れ」や「繋がり」を表す比喩として使われます。鉱脈が続いていれば資源がまだ残っているように、「脈がある」は希望や可能性が続いていることを指します。一方、「脈なし」は途切れた状態を示します。

関連表現の例文

「彼の反応を見る限り、まだ脈があると思うよ。」
(Judging by his reaction, I think there’s still hope.)

「脈なしだったら、次の人を探したほうがいいよ。」
(If there’s no chance, you should move on to the next person.)

「新しい鉱脈が見つかった!」
(A new vein of minerals was discovered!)

「この山脈を超えたら次の村に着くよ。」
(Once you cross this mountain range, you’ll reach the next village.)

比喩の魅力

「脈」のように、物理的な現象や自然のものから派生した言葉は、日本語で多く見られます。「脈がある」は恋愛や仕事だけでなく、人生全般において「繋がり」や「希望」を感じさせる表現です。人間の脈拍という生命活動の象徴から、鉱物や山の連続性、さらには人間関係にまで応用されることで、この言葉が持つ奥深いイメージが広がります。こうした比喩的な使い方を理解することで、日本語の豊かさをより楽しむことができるでしょう。

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