ヒロシ:昨日の会議、どうだった?進展あった?
エミリー:うーん、やっぱり、ほとんど進まなかったわ。結局、問題点ばかり指摘されて、結論は先送りになったの。
ヒロシ:そうか、「やっぱり」って前に教えたよね。こういう時は、「案の定」そうなったんだね。なんて言うこともできるんだ。「案の定」って、日本語では「予想通り」とか「思った通り」って意味だよ。最初からなんとなくそうなると感じていたことが、まさにその通りになったときに使うんだ。
エミリー:なるほど。何かを予想していて、その予想が的中したときに使うのね。でも、良い結果にも使うの?
ヒロシ:使えなくはないけど、どちらかというと悪い結果や期待外れのときに使われることが多いんだ。たとえば、「案の定、雨が降り始めた」とか「案の定、彼は遅刻した」みたいにね。予感があったのに、その悪い予感が当たった、みたいなニュアンスがある。
エミリー:ああ、だからちょっとネガティブな意味が含まれるのね。
ヒロシ:そうそう。実際、案の定っていう言葉を使うときには、「まあ、予想してたけどね…」っていう、少しがっかりした感じが含まれていることが多いよ。
エミリー:英語だと「as expected」とか「just as I thought」になるのかな?でも、「I knew it!」っていうのも案の定のニュアンスに近い?
ヒロシ:うん、まさに「I knew it!」がぴったりの場面もあるね。特に、嫌な予感が当たったときには、それがしっくりくるよ。
エミリー:例えば、「I knew it! It started raining just when we left.」
(案の定、出かけた途端に雨が降り始めた)みたいな感じ?
ヒロシ:そうそう、それが良い例だね。日本語でも、「案の定、出かけた瞬間に雨が降り出した」とまったく同じように言えるよ。
エミリー:じゃあ、「as expected」や「just as I thought」も使えるわね。
As expected, the meeting didn’t go anywhere.
(案の定、会議は進展しなかった。)
ヒロシ:うん、ただ、ちょっとした違いとして「as expected」は、どちらかというと予測が当たったことを冷静に述べる感じかな。それに対して、「案の定」は少し感情がこもることが多いんだよ。
エミリー:そうなんだ。だから、「案の定」を使うときには、「またこうなると思ったのに…」っていう、少しがっかりした気持ちが含まれるんだね。
ヒロシ:その通り。日本語では、感情が含まれている言葉が多いから、そのニュアンスの違いを理解するのはちょっと難しいかもしれないね。
エミリー:でも、面白いわ。日本語って、予測が当たったときでも、こうやって感情のニュアンスが伝わる言葉を使うのね。英語だと、そこまで感情を込めて「予想通り」と言うことは少ないかも。
ヒロシ:そうかもしれないね。だから、日本語の「案の定」は単なる「予測が当たった」というだけでなく、その結果に対する感情が一緒に表現されることが大事なんだ。
エミリー:わかったわ!これからは、何か予感があってその通りになったときには、「案の定」を使ってみるわね。
ヒロシ:うん、でもあまりネガティブなことばかりに使いすぎないようにね(笑)。
解説:案の定の意味と英訳
- 案の定:最初から予感していたことが、実際にその通りになったときに使います。特に、悪い結果や期待外れの結果に対してよく使われますが、まれにポジティブな結果にも使われることがあります。
英訳の例
- As expected – 予想通り
- As expected, the meeting didn’t go anywhere.
(案の定、会議は進展しなかった。)
- As expected, the meeting didn’t go anywhere.
- Just as I thought – 思った通り
- Just as I thought, he was late again.
(案の定、彼はまた遅刻した。)
- Just as I thought, he was late again.
- I knew it! – ほら、やっぱり
- I knew it! It started raining just when we left.
(案の定、出かけた瞬間に雨が降り始めた。)
- I knew it! It started raining just when we left.
まとめ
「案の定」は、予測が的中したことを表す日本語特有の表現です。特に、悪い結果が予想通りに起こったときに使われることが多く、単なる事実だけでなく、その結果に対する感情も含まれています。英語の「as expected」や「I knew it!」といった表現も近いですが、日本語の「案の定」はもう少し感情的なニュアンスが強いのが特徴です。