ヒロシ: エミリー、今日はエミリーに新しい日本語を覚えてもらおうと思ってね。たぶん、まだ聞いたことがない日本語かもしれないから。
エミリー: へぇー。楽しみね。ヒロシから言ってくるのは珍しいわね。早く教えて。
ヒロシ: それはね、「曲者(くせもの)」って言葉なんだ。テレビを見ていたら、ある会社の上司がライバル会社の担当者を「あいつは曲者だから、気をつけろよ」なんて部下に言ってたんだ。それを聞いて、これはエミリーに教えてあげようと思ったんだ。
エミリー: 「曲者」ね…。初めて聞いたわ。それってどういう意味なの?なんか、悪い人ってこと?
ヒロシ: うーん、悪い人ってわけじゃないんだ。どちらかというと、油断できない人とか、何を考えているのか分からない人って感じかな。ちょっと不気味というか、ただの普通の人ではないってニュアンスがあるんだ。
エミリー: ああ、なるほど。じゃあ、なんとなく普通じゃない感じがする人に対して使うんだね。でも、「曲者」って、どうして「曲」っていう漢字が使われるんだろう?
ヒロシ: そうだね。「曲」っていうのは、まっすぐじゃないとか、ひねくれてるって意味があるから、それで「曲者」になるんだと思うよ。なんか、普通の人とは違う動きをする人って感じかな。
エミリー: そういうことなんだね。英語でもそういう人を表現する方法はあると思うわ。
ヒロシ: うん、僕もそれが気になってた。エミリーなら何かいい表現を知ってるかも。
エミリー: そうね、いくつか思いつく表現があるわ。
- "He's a tricky one."
- 日本語訳: 彼は一筋縄ではいかない人だ。
- これは誰かが少し油断できないとか、何か裏がありそうだというときに使う表現ね。「曲者」に近いと思う。
- "She's quite a character."
- 日本語訳: 彼女はちょっと変わってる人だ。
- これは、普通の人とは違うユニークな人に使うけど、必ずしも悪い意味ではないわ。面白い人とか、独特な人に対して使うこともあるの。
- "Watch out for him; he's a bit of a wild card."
- 日本語訳: 彼には気をつけてね、ちょっと予測できない人だから。
- これは誰かが予測しづらい行動をするかもしれないときに使うわね。「曲者」のニュアンスに近いと思う。
ヒロシ: へえ、面白いね。英語でもいろいろな表現があるんだね。たとえば、「He's a tricky one」っていうのは、悪意がある感じ?
エミリー: そうね、必ずしも悪意があるわけじゃないけど、ちょっと油断できないとか、簡単には信じられない感じかな。「曲者」と似てるけど、「彼には気をつけて」みたいなニュアンスが強いわ。
ヒロシ: ふむふむ。それで、「She's quite a character」っていうのは、もっと軽い感じなの?
エミリー: そうね、これはいい意味でも悪い意味でも使えるわ。誰かが個性的でユニークなときに使うから、必ずしも警戒する必要はないの。でも、「曲者」とは少し違うニュアンスね。
ヒロシ: ああ、なるほどね。だから「Watch out for him; he's a bit of a wild card」は、「曲者」に一番近いかもしれないんだね。
エミリー: そうそう。それは、何をするか予測できないとか、注意が必要なときに使うの。「曲者」に似てるけど、もっと行動が読めないって感じがあるわ。
ヒロシ: なるほどね。いろいろな表現があって面白いなあ。でも、どれも微妙にニュアンスが違うんだね。
エミリー: そうね。言語って本当に面白いわね。それぞれの文化や感じ方が反映されてるから、同じ意味の言葉でもニュアンスが変わるのね。
ヒロシ: うん、ほんとにそうだね。今日はエミリーに英語の表現を教えてもらって、すごく勉強になったよ。ありがとう。エミリーに曲者を知ってもらうというよりも、僕が曲者の英語表現を知りたかったというのもあるんだ。
エミリー: いいのよ。お互い様よ。