エミリーとヒロシは大学の図書館近くのカフェでお茶を飲みながら話している。エミリーは先日参加した送別会で感じた複雑な気持ちを英語でどう表現するか悩んでいる。「後ろ髪がひかれる」という日本語表現をヒロシに教えてもらいながら、そのニュアンスを英語でどう言うかを一緒に考えることになった。
エミリー: ヒロシ、この間、友達の送別会に行ったんだけど、すごく楽しかった。でも、用事があって途中で帰らなければならなくて・・・・。一緒に帰った友達が、うーん、「後ろ髪をひかれるわね」なんて言ってたの。なんかこう…離れたくない気持ちでいっぱいだったんだけど、そんな時に使う言葉なの?
ヒロシ: うん、確かに「後ろ髪がひかれる」って言うのがピッタリだと思うね。その状況だと。
エミリー: 「後ろ髪がひかれる」?面白い言い方だね。
ヒロシ: うん、これは自分が前に進もうとしてるんだけど、心がまだその場に残ってるみたいな気持ちを表してるんだよ。イメージとしては、後ろから髪をつかまれて引っ張られてる感じ。それで、離れたいような、でも離れたくないような、複雑な感情を表すんだ。
エミリー: なるほど。まさにその気持ちだったかも。送別会がすごく楽しくて、もっとみんなと一緒にいたいと思ったけど、時間だから帰らなきゃいけなかったの。そういうときに「後ろ髪がひかれる」を使うんだね。
ヒロシ: そうそう。その場を去るのが名残惜しいとか、離れるのがもったいないとか、そういうときに使うよ。
エミリー: イメージはつかめたけど、英語でどう表現すればいいんだろう?たとえば「I feel reluctant to leave」かな?
ヒロシ: 「reluctant」ってどんな感じ?
エミリー: うーん、「気が進まない」とか「いやいや」みたいなニュアンスかな。たとえば、「I was reluctant to do my homework」なら「宿題をするのが気が進まなかった」って感じ。でも、この場合だとちょっと感情が弱い気がするね。
ヒロシ: そうなんだ。「後ろ髪がひかれる」っていうと、もっと感情がこもってる感じだよね。
エミリー: そうだね。じゃあ、「I feel torn about leaving」はどうだろう?「torn」は「引き裂かれる」っていう意味があるから、気持ちが二つの方向に引っ張られてるイメージになるよ。
ヒロシ: あ、それいいかも!自分の気持ちがその場に残ってるのと、前に進まなきゃいけないのとの間で揺れてる感じがする。
エミリー: そうそう。もう少し感情を強調したいなら、「I feel a strong sense of longing as I leave」っていうのもアリかな。「longing」って「憧れ」や「恋しい気持ち」みたいなニュアンスがあるから、心の中で離れるのが辛い感じが表現できるよ。
ヒロシ: へえ、「longing」っていい言葉だね。それなら、もっと感情豊かに「後ろ髪がひかれる」の意味を伝えられそうだね。
エミリー: うん、シチュエーションに合わせて「torn」か「longing」を使い分けるといいと思う。ヒロシが「後ろ髪がひかれる」のイメージを教えてくれたから、私も英語でその気持ちを表現する方法を考えやすかったよ。
ヒロシ: いやいや、こっちこそ勉強になったよ。エミリーの英語の説明、いつも分かりやすいから助かる!
エミリー: ありがとう!また何かあったら一緒に考えようね。
解説
- 後ろ髪がひかれる
- 日本語のイメージ: 自分がその場を離れたいけれど、心の中ではまだ残りたいという複雑な感情を表す表現。
- 英語の表現例:
- I feel reluctant to leave.(気が進まないけど、感情は控えめ)
- I feel torn about leaving.(心が引き裂かれるような感覚)
- I feel a strong sense of longing as I leave.(強い感情を込めた表現)
- reluctant
- 日本語訳: 気が進まない、渋々
- I was reluctant to speak in front of the class.
(クラスの前で話すのが気が進まなかった。)
- torn
- 日本語訳: 引き裂かれる、板挟みになる
- I feel torn between staying and leaving.
(残るか離れるかで迷っている。)
- longing
- 日本語訳: 憧れ、恋しい気持ち
- I feel a strong sense of longing as I leave.
(去るときに強い恋しさを感じる。)