ヒロシとエミリーは大学のカフェテリアでランチ中。エミリーが日本のドラマを見て、興奮気味に話しています。また、気になる日本語の表現を聞いたようです。「首が廻らない」という表現について、ヒロシに尋ねているところから会話が始まる。
エミリー: ヒロシ、この前テレビで「首が廻らない」って言葉を聞いたんだけど、どういう意味?なんか首が怪我したみたいな感じ? 話の流れでは急に「首が廻らない」て変だなと思って。
ヒロシ: あー、それは違うよ、エミリー。「首が廻らない」は慣用句で、たいていお金に困っているときに使うんだ。
エミリー: お金に困る?あーそうなんだ。だったら話が通じるわね。でも、どうして首が関係あるの?なんだか不思議。
ヒロシ: 昔の話が関係してるんだよ。日本では、昔、借金を返せないと体が担保になることがあったんだ。特に「首」を差し出す、つまり命に関わるような状態ね。それで、借金で動けない状態を「首が廻らない」って表現するようになったんだ。
エミリー: えー、そうなんだ!じゃあ「首が廻らない」って、ただ困ってるだけじゃなくて、かなり深刻な状況を表すんだね。
ヒロシ: そうだよ。たとえば、「家賃が払えなくて首が廻らない」とか言うと、もう本当にお金がなくてどうしようもない感じ。
エミリー: 面白いね。英語だと「I’m drowning in debt.」が似てると思う。「drowning」は溺れるって意味で、借金に押しつぶされてる感じがあるから。
ヒロシ: あー、いい表現だね。「drowning」って言うと、やっぱり危険な状態って感じが伝わるね。他には何かある?
エミリー: 「I’m financially strapped.」も使えるよ。「strapped」は縛られてるっていう意味で、お金が足りなくて自由に動けない感じがする。
ヒロシ: それもいいね。でも英語のほうが、ちょっと表現が柔らかい気がする。日本語の「首が廻らない」って、すごく深刻に聞こえるよね。
エミリー: 確かにね。でも、それだけ歴史的な背景が重いからかもね。英語の表現も、状況によっては強く響くよ。
ヒロシ: なるほど。文化の違いで表現の重さも変わるんだね。エミリー、よく考えるね!
エミリー: ヒロシの説明が分かりやすかったからだよ!またこういう面白い慣用句があったら教えてね。
ヒロシ: もちろん!次も楽しみにしてて。
解説
「首が廻らない」
日本語の慣用句で、「借金や金銭的な問題が多くて、どうにもならない状況」を表します。この表現の起源は、昔の日本で借金を返せない場合に「体」や「命」を担保として差し出す状況があったことから生まれました。結果的に、「首が廻らない」という表現は、動けないほどの金銭的困難を指すようになったと言われています。
英語では「I’m drowning in debt.(借金で溺れている)」や「I’m financially strapped.(お金が縛られている)」が近いニュアンスです。
例文:
- 日本語:彼は借金が多すぎて、首が廻らない状況だ。
英語:He’s drowning in debt and can’t make ends meet. - 日本語:生活費が高すぎて、首が廻らないよ。
英語:The cost of living is so high that I’m financially strapped.
補足:
「首が廻らない」は主にお金に関する困難を指しますが、英語の「drowning」や「strapped」はさまざまな場面に使える柔軟な表現です。文脈に応じて使い分けることで、適切なニュアンスを伝えることができます。