エミリーは通学途中にヒロシに出会いました。歩きながら、昨日見た日本映画の内容をヒロシに話します。
エミリー: ヒロシ、この前日本の映画を見てたら、奥さんが旦那さんに「この甲斐性なし!」なんて叫んでたの。怒ってたみたいだったけどね。「甲斐性なし」って何がないの?
ヒロシ: あー、それ、よくドラマとか映画で出てくるね。うーん、「甲斐性なし」っていうのは、「頼りにならない人」とか「自分で何もできない人」って意味かな。奥さんが怒るのは、旦那さんがちゃんと働かないとか、努力しないとか、そういう場合が多いかも。
エミリー: あー、なるほどね。例えば、お金を稼ぐとか?
ヒロシ: そうそう、それもある!特に昔は男の人が家族を支えるのが当たり前だったから、そういう責任を果たさないと「甲斐性なし!」って言われたんだと思う。
エミリー: 昔の考え方だね。でも、その映画では旦那さんが料理してたのに奥さんが怒ってたの。なんか、家事もしてるのに「甲斐性なし」ってちょっとかわいそうじゃない?
ヒロシ: 確かに!それ、現代の価値観だと変だよね。でも、もしかして奥さんは「稼ぎが少ない」とか「もっと頑張れるでしょ」って意味で言ったのかも。料理をしても、奥さんにとっては「それだけじゃ足りない」って感じだったのかな。
エミリー: うわー、厳しい!でも、なんとなく「甲斐性なし」って言葉がちょっときつい感じするね。英語ではどう言うのかな?
ヒロシ: うーん、何て言うんだろう?「You’re useless」?
エミリー: あー、それは意味は近いけど、ちょっと違う気もする。もっと「頼りがいがない」っていうニュアンスが入ってるよね?
ヒロシ: そうだね。「irresponsible」とか「undependable」?でも、それだけだと「甲斐性なし」ほど強くない気がする。
エミリー: 確かに。「irresponsible」は「無責任」っぽいし、「undependable」はただ信頼できない感じ。でも、甲斐性なしには「努力が足りない」とか「自立してない」ってニュアンスも入ってるよね?
ヒロシ: うん、まさにそれ。「lazy」も近いけど、少し違うし…。
エミリー: じゃあ、「甲斐性なし」は英語に一言では訳せないってことかな?
ヒロシ: そうかもね。ニュアンスを全部含めるなら、「He’s not dependable, doesn’t try hard enough, and can’t support himself」みたいに長くなるね。
エミリー: あはは、確かに。それを映画で叫んだら長すぎておかしいね!
ヒロシ: ハハハ、そうだね!だから、日本語の「甲斐性なし」ってすごく便利な言葉だと思う。短いけど、いろんな意味が含まれてる。
エミリー: なるほどね。でも、勉強になった!いつか冗談で誰かに「You’re such a 甲斐性なし!」って言ったらウケるかも?
ヒロシ: うん、おもしろいね。きっとびっくりするよ。だけど、真剣に言われたらかなりショックだよ。でも、逆に「甲斐性がある」って褒められるのは嬉しいね。「しっかりしてるね」って感じだから。
エミリー: あ、そっか!じゃあ、褒め言葉として覚えておいたほうがいいね。「甲斐性がある人になりたいです」って言ったら、いい感じ?
ヒロシ: うん、それめっちゃいい!なんか、エミリーが言うと本当に真剣に聞こえるからすごいと思う。頑張り屋さんのイメージにも合うし!
エミリー: ありがとう!でも、映画を見てるとこういう言葉がたくさん出てきて面白い。日本語の表現って本当に奥が深いね。
ヒロシ: そうだね。映画とかドラマで覚えると実際のニュアンスも分かりやすいし、もっといろいろ聞いて!俺も説明しながら勉強になるからさ。
解説
「甲斐性なし」 は、頼りがいがなく、責任感や自立心がない人に対して使う厳しい言葉です。特に古い価値観では、男性が家族を支える役割を果たさない場合に使われることが多かったです。現代ではこの言葉を真剣に使うことは少なくなりましたが、冗談やドラマの中で頻繁に登場します。
例文:
- 「何もできないなんて、甲斐性なしだな。」
(You can't do anything; you're so unreliable.) - 「甲斐性がある人になりたいと思う。」
(I want to be someone dependable and responsible.) - 「冗談で言うならいいけど、本気で『甲斐性なし』って言われるのはきつい。」
(It's fine as a joke, but being seriously called "useless" is harsh.)