
ヒロシたちのグループはみんなでゲームをして盛り上がっていた。その中で、高田が「1番!!」と言ってゴール。しかし、ヒロシはすぐに「おい、高田!卑怯な手を使って勝ち逃げか!」と指摘する。高田は「あ、バレた?」と笑いながら謝った。
その様子を見ていたエミリーは、後でヒロシに「卑怯」な手って『ずるい』ことをするってこと?」と確認する。ヒロシは「そういう場合もあるけど、卑怯にはほかの意味もあるよ」と説明する。そして、エミリーは英語では「卑怯」にあたる言葉が状況によって違うことをヒロシに教える。
ヒロシ: おい、高田!卑怯な手を使って勝ち逃げか!
高田: あ、バレた?ごめん、ごめん!でも、勝ちは勝ちでしょ?
ヒロシ: 冗談よせよ、やり直し!!
(ゲームの後)
エミリー: ねえ、さっき『「卑怯」な手』って言ってたけど、それって『ずる』すること?
ヒロシ: まあ、あのゲームの場合はそうだね。でも、『卑怯』ってほかにもいろいろな場面で使われるんだよ。たとえば、相手が戦えない状況で攻撃するのも卑怯だし、責任を取らずに逃げるのも卑怯って言うよ。
エミリー: なるほど。じゃあ、日本語の『卑怯』は、ずるをすること以外にも、フェアじゃない行動全般に使えるんだね。
ヒロシ: そうそう。だから、ずるをするだけじゃなくて、弱い立場の人を攻撃するのも卑怯だし、約束を守らずに逃げるのも卑怯なんだ。
エミリー: じゃあ、英語にするときは状況によって違う単語を使わないといけないね。たとえば、ゲームでずるをするなら "cheating" だし、戦えない相手を攻撃するのは "cowardly" になるし、責任から逃げるのは "unfair" や "dishonest" って言うかも。
ヒロシ: なるほど!英語だと、その場面ごとに違う言葉を選ぶのか。日本語みたいに1つの言葉でいろいろ表せるのも便利だけど、英語のほうが細かいニュアンスを伝えやすいのかもな。
エミリー: そうだね。日本語の『卑怯』って便利だけど、英語では具体的に言わないと伝わらないこともあるね。
解説
今回の会話では「卑怯」という言葉について話しました。
「卑怯(ひきょう)」は、ゲームでずるをするような場合にも使われますが、それだけではありません。たとえば、
- 戦えない相手を攻撃する → 卑怯な攻撃
- 責任を取らずに逃げる → 卑怯な行動
- 約束を守らずにごまかす → 卑怯なやり方
このように、「卑怯」は「ずるい」「フェアじゃない」「弱いものいじめをする」「責任から逃げる」など、いろいろな意味で使われます。
英語では、「卑怯」にあたる単語が状況によって違います。
1. cheating(ずるをする、不正をする)
ゲームなどでずるをしたり、ルールを破って勝とうとする場合に使います。
"He won the game by cheating."(彼はずるをしてゲームに勝った。)
2. cowardly(臆病な、卑怯な)
戦うべきときに逃げたり、相手が反撃できないときに攻撃する場合に使います。
"It was cowardly of him to run away from the fight."(戦いから逃げるなんて彼は卑怯だった。)
3. unfair(不公平な、不正な)
フェアじゃない行動全般に使います。試合のルールを守らなかったり、不正な手段で優位に立つ場合などです。
"It’s unfair to judge someone without knowing their situation."(相手の状況を知らずに判断するのは不公平だ。)
4. dishonest(不誠実な、ごまかす)
嘘をついたり、約束を守らなかったり、責任を逃れる場合に使います。
"It was dishonest of him to take all the credit for the project."(プロジェクトの功績をすべて自分のものにするなんて彼は不誠実だった。
「卑怯」を英語で説明する
Hikyō(卑怯)
This Japanese word refers to unfair, cowardly, or dishonest behavior. It can mean "cheating" in a game, "cowardly" in a fight, or "dishonest" when someone avoids responsibility. The meaning depends on the context.
(この日本語の言葉は、不公平・臆病・不誠実な行動を指します。ゲームで「ずる」をすることも、戦いで「臆病な」行動をすることも、責任から逃れることも意味します。文脈によって意味が変わります。)