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英語由来の『マンネリ』:日本語と英語の意味の違い

ヒロシとエミリーは大学の図書館の休憩スペースで課題をしている。少し疲れてきたエミリーが、大きく伸びをしながら話しかける。最近の日課が退屈に感じると言い出したのが会話のきっかけだ。


エミリー: あー、もう最近つまんない!毎日同じことばっかりしててさ、ちょっと「マンネリ」なんだよね。

ヒロシ: お、「マンネリ」ってエミリーも言うんだ。日本語、上手になったね。

エミリー: でしょ。日本で使われている「マンネリ」は英語の「mannerism」から来てるんだよね? 意味も英語とは違うこともわかっているわ。

ヒロシ: へぇ~そうなんだ。日本語では「飽きる」とか「同じことばっかりでつまらない」って感じで使うよね。エミリーが言ったみたいに。

エミリー: 英語の「mannerism」は意味がちょっと違うのよ。たしか「癖」とか「特徴」って感じ。

ヒロシ: へえ、英語ではそうなんだ!日本語では、例えば「このドラマ、毎週同じ展開でマンネリ化してきたね」とか言うよ。あと、恋人同士の関係でも「マンネリになっちゃった」とか言うし。

エミリー: 恋愛にも使うんだ!でも、それって結構深刻じゃない?どうやってマンネリを解消するんだろう?

ヒロシ: うーん、たぶん新しいことをやるとか?普段行かない場所に行くとか、ちょっと冒険する感じ?あと、マンネリを防ぐために工夫する人もいるよね。

エミリー: なるほど、確かに何か新しいことをするのは大事だよね。でも、マンネリになるのって悪いことばっかりじゃない気もする。例えば、日常が安定してるからマンネリに感じるんじゃない?

ヒロシ: あ、それいい考えだね!たしかにマンネリって、最初は楽しかったことが「普通」になったから感じるんだよね。慣れた証拠かもしれない。

エミリー: そうそう。私も朝ごはんに毎日パンとコーヒーを食べてるけど、これがマンネリなのか、それとも自分のルーティンとして好きなのか、よくわかんない(笑)。

ヒロシ: じゃあ、それは「いいマンネリ」だね(笑)。でも、エミリーがさっき言った「つまんない」って感じは、たぶん悪いマンネリかも。

エミリー: そうかもね。なんか新しいこと始めたいな。ヒロシは何かマンネリを感じたときにやることある?

ヒロシ: うーん、僕は新しい本を読むとか、友達に会うとかかな。あと、部屋を掃除することもあるよ。気分転換になるし、意外とすっきりする!

エミリー: 掃除か、それはいいかも!やらなきゃと思って後回しにしてることを片付けると、リセットされる感じするよね。

ヒロシ: うん、それにマンネリって結局、自分でどう受け止めるか次第な気もするな。ちょっと変化をつけるだけで、同じことでも新鮮に感じることもあるし。

エミリー: なるほどね!じゃあ、今日の夜はちょっと違うことしてみようかな。例えば、宿題終わったら夜に散歩してみるとか?

ヒロシ: いいね!夜の街って雰囲気違うし、いつもと違う景色を見ると新鮮な気分になれるよ。

エミリー: ヒロシも一緒に行く?マンネリ解消に(笑)。

ヒロシ: 僕?いいけど、あんまり遅い時間だと寝坊するかも(笑)。でも、それもたまにはいいかもね!

解説

「マンネリ」について
「マンネリ」は英語の「mannerism(マナーリズム)」を語源としていますが、日本語で使われる「マンネリ」は、英語の「mannerism」とは異なる意味を持っています。

日本語の「マンネリ」の意味

日本語では、「マンネリ」とは新鮮さや独創性が失われ、同じことを繰り返して飽きてしまう状態を指します。恋愛、仕事、趣味など、さまざまな場面で使われ、ネガティブなニュアンスを持つことが多いです。
例文:

  1. 「最近この番組、マンネリ化してきたね。」
    (This show has become repetitive lately.)
  2. 「休日の過ごし方がマンネリだから、ちょっと遠出しよう。」
    (Our weekends have become monotonous, so let’s go somewhere far.)

英語の「mannerism」の意味

一方、英語の「mannerism」には以下のような意味があります:

  1. 個人特有の癖や仕草
    • 特定の人が持つ独自の行動パターンや特徴を指します。
      例文:
    • His mannerisms are quite charming.(彼の仕草はとても魅力的だ。)
  2. 芸術のスタイル(マニエリスム)
    • 美術史において、16世紀後半に流行した特定の芸術様式を指します。
      例文:
    • Mannerism was prominent in the late Renaissance.(マニエリスムはルネサンス後期に流行した。)

日本語と英語の違い

英語の「mannerism」には、日本語の「マンネリ」のような「退屈」「停滞」という意味はありません。日本語では、英語の「mannerism」が持つ「型にはまった特徴」や「独特な癖」のニュアンスから派生して、「繰り返しでつまらない」という意味に独自に変化しました。このように外来語が日本語の中で新しい意味を持つのはよくある現象です。

英語で「マンネリ」を表現するには?

日本語の「マンネリ」のニュアンスを英語で伝えるには、次のような表現が使われます:

  • It’s getting repetitive.(繰り返しで退屈だ。)
  • It feels monotonous.(単調に感じる。)
  • We’re stuck in a rut.(マンネリ化している。)

これらの表現は、日本語の「マンネリ」に近いニュアンスを持っていますが、英語では「mannerism」とは無関係です。

まとめ

日本語の「マンネリ」は、英語の「mannerism」と語源を共有しているものの、その意味は大きく異なります。「マンネリ」のような外来語が、日本語の中で独自に進化し、新しい使われ方をしている例は他にもあります。日本語と英語のニュアンスの違いを理解することで、言葉の背景をより深く楽しむことができます。

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