「フライングスタート」の英語表現は間違い?正しい使い方を解説 |
エミリー: 「パリオリンピック、すごかったわね! アメリカは特に大活躍だったわ。」
ヒロシ: 「そうだね、メダル総数でダントツの1位だったしね。オリンピックを見てて思ったんだけど、日本語でよく言う『フライングスタート』って知ってる?」英語では使い方が違うというのを聞いたんだ。
エミリー: 「『フライングスタート』? 順調な滑り出しって意味で使うわよね。」
ヒロシ: 「そう、それが日本では、競技のスタートで合図の前に飛び出しちゃう、ルール違反のスタートを『フライングスタート』って言うんだよ。」
エミリー: 「へぇ、そうなんだ。それは実は英語では『フライングスタート』とは言わないのよ。その場合の正しい表現は『false start』。つまり、不正スタートという意味で使うの。『フライングスタート』は、どちらかというと、『好調なスタートを切る』というポジティブな意味で使われることが多いわね。」
ヒロシ: 「なるほど。じゃあ、日本でよく使われている『フライングスタート』は、本当は間違って使われているってことか。こういう誤用って結構あるよね。」
エミリー: 「そうなのよ。日本ではカタカナ英語がたくさんあるけど、実際の英語の意味とは違うことが多いわ。たとえば、他にもこんな例があるわよ。」
- サラリーマン
- 誤用: 日本では会社員全般を指すけど、英語では『salaryman』という言葉は存在しないの。『salaried worker』や『office worker』が正しい表現ね。
- マイカー
- 誤用: 自家用車のことを『マイカー』と言うけど、英語の『my car』は単に自分の車という意味。『private car』の方が近い表現よ。
- コンセント
- 誤用: 電気の差込口を『コンセント』と呼ぶけど、英語では『consent』は「同意」という意味。電源プラグのことは『outlet』や『socket』と言うの。
- マンション
- 誤用: 日本では『マンション』と言うけど、英語の『mansion』は大邸宅のこと。日本で言う『マンション』は『apartment』や『condominium』が正しいわ。
ヒロシ: 「それは面白いな。なんとなく使っていたけど、実は英語とは違う意味だったんだ。」
エミリー: 「そうね。特に、日本でよく聞く『どんまい』もそうなのよ。」
ヒロシ: 「『どんまい』って、英語から来てるんだよね?『Don't mind』から?」
エミリー: 「そうなんだけど、実際には『Don't mind』は、『私は気にしない』という意味なの。日本では『気にしないで』とか『大丈夫、次があるよ』っていう励ましの意味で使われるけど、英語で誰かを励ますときは『Don't worry』や『It's okay』の方が自然なのよ。」
ヒロシ: 「なるほど、じゃあ『どんまい』も誤用ってことか。」
エミリー: 「そうね。でも、日本ではカタカナ英語として定着している言葉も多いから、そういう文化的な背景も理解すると面白いかも。言葉が違っても、意味が変わって使われることはよくあることだし。」
ヒロシ: 「確かに。日本ではもう普通に使われてるから、カタカナ英語が日本独自の言葉になってるんだね。」
解説
この会話のように、カタカナ英語は日本語の中で独自に意味が変化し、定着しています。日本人にとってはこれらの表現が日常的に使われているため、特に違和感を持たないことが多いですが、実際の英語の意味と照らし合わせると異なった使われ方をしていることがわかります。
カタカナ英語が誤用される背景には、英語が日本に紹介されたときの翻訳のずれや、メディアを通じて広まった誤解などが影響しています。日本語としての新たな意味を持つようになったカタカナ英語は、日本文化の一部として定着しているため、興味深い現象と言えるでしょう。