エミリー:ヒロシ、この前、友だちと予定の確認をしていたんだけど、友だちが、「エミリー、その日は予定が埋まっていて無理だわ。別の日にしてくれない?」と言われたの。
日本語では、予定があることを「埋まっている」って言うんだね。
ヒロシ:うーん、確かに予定があることを埋まっているとは言うけど、ちょっとニュアンスが違うのが、その日はスケジュールが一杯、空いていないという意味だね。 それが、週、月においても使われるね。
エミリー:そうか、その日は予定が一杯ってことね。それを埋めるという表現で言うのね。
ただ、私が知っている埋めるは、土などに何かを「埋める」という意味なんだけど、また日本語独自の多義語の一種ね。
ヒロシ:そうだね。
埋めるの基本的な使い方としては、
「埋める」の例文
- 彼は庭にタイムカプセルを埋めた。
- 穴を掘ってタネを埋めた。
- 彼は空欄を全て埋めてテストを終えた。
また、埋めた状態を言う例としては
「埋まっている」の例文
- 駐車場は車で埋まっている。
- 彼女の予定はすでに埋まっている。
- 会場は観客で埋まっている。
エミリーが言った何かを土に埋めるとい動作を表わす場合と、
「埋める」には、空いている場所や空白を満たすという意味合いがあるんだ。この意味合いでは、物理的な空間や時間の隙間を満たす行為を指す場合が多いんだ。
- 空欄を埋める(テストや書類の空白に必要な情報を書き込む)
- 予定を埋める(空いている時間に新しい予定を入れる)
- ギャップを埋める(知識やスキルの差を補う)
エミリーの友だちが言っていたのは、予定が満ちているという意味の埋めるだね。
エミリー:わかったわ。
じゃ、ヒロシから聞かれる前に言うけど、埋めるを英語でなんていうのかと言うと、
まず、土に埋める、これは「bury」ね。
彼は庭にタイムカプセルを埋めた。
He buried the time capsule in the garden.
穴を掘ってタネを埋めた。
He dug a hole and planted the seeds.
これはburyよりも、plantが使われるわ。
彼は空欄を全て埋めてテストを終えた。
He filled in all the blanks and finished the test.
「埋まっている」で言えば、
駐車場は車で埋まっている。
The parking lot is filled with cars.
彼女の予定はすでに埋まっている。
Her schedule is already full.
会場は観客で埋まっている。
The venue(会場) is filled with spectators.
って感じかな。
土に埋めるのburyが全てにあてはまるわけではないわ。
それは今までの日本語の例と同じね。
ヒロシ:日本人の考え方として、誰かのスケジュールが埋まっていると聞き、それを英語にしようかと思った時に、埋まっているという言葉から、それに該当する英語はあるのか、という思考形式になってしまう。 埋まるはburyだから、その単語を使えるのか?いや、違う。では、スケジュールが一杯ということは,どんな表現を使うのか? これは全てにおいて言えることなんだけど、英語にするにはこの日本語の独自な使い方が結構邪魔になったりするんだな。
エミリー:それは、日本語を学ぶ時にも感じるわ。 埋めるのは土に埋めるのに、どうして予定と関係するんだろ?みたいにね。
ヒロシ:だから、エミリーが思う疑問、僕が思う疑問。これを出し合えば、言葉の習得にメリットがあると思うな。