エミリー: ヒロシ、日本語でも「ストレス」って普通に使われているよね。たとえば、「ストレスを溜めない」、とかね。もう、完全に日本語化している感じがするわ。でも、ストレスに当たる日本語って、もともと何て言ってたの?
ヒロシ: そうだね、ストレスが普及する前は、状況に応じていろんな表現が使われていたんだよ。たとえば、「重圧」は仕事や責任のプレッシャーに使われるし、「心労」は悩みが原因で心が疲れる時に使われる。「気疲れ」なんかも対人関係でよく使われる言葉だね。
エミリー: なるほどね。そうやって細かく分けていたのが、今は「ストレス」でひとまとめにされてるのね。英語でも「stress」って言葉は、精神的な負担だけじゃなくて「強調」や「重点を置く」という意味でもよく使うのよ。たとえば、先生が授業で「大事な部分を強調する」っていうときも「stress」って言うの。
ヒロシ: へえ、英語の「stress」には、そんな使い方もあるんだね。
エミリー: そうそう。じゃあ、いくつか例文を紹介するね。
- The teacher stressed the importance of punctuality.
(先生は時間厳守の重要性を強調した。) - I'm feeling stressed because of work.
(仕事でストレスを感じている。) - You need to stress this point in your presentation.
(この点をプレゼンで強調する必要があるよ。)
ヒロシ: 面白いね。英語では一つの「stress」で、負担を表す意味もあれば、何かを強調する意味も持ってるんだね。
エミリー: そうなの。だけど、日本語の「ストレス」は、英語の「stress」が持つ「強調」の意味では使わないから、少し違いがあるのよね。
ヒロシ: うん、そうだね。それに、ストレスという言葉が普及する前の日本語では、重圧や心労、気疲れみたいに、状況に合わせて細かく表現していたんだ。それが今は「ストレス」でまとめられて、便利だけど少し感情のニュアンスが減ったかもしれないね。
エミリー: その違いを知ると、日本語も英語も深く理解できるわね。言葉って、文化や価値観の違いをすごく表してる気がする。
ヒロシ: そうだね。お互いの言葉の違いを学ぶことで、文化への理解も深まるから、面白いよね。
会話まとめ
- 英語の「stress」は、「精神的・身体的な負担」だけでなく、「強調」「重点を置く」という意味でも使われる。
- 日本語の「ストレス」は、主に精神的・身体的な負担を指す意味に限定されている。
- 日本語には、かつて「重圧」「心労」「気疲れ」など、状況に応じてストレスを細分化した表現が多く存在した。
- 「ストレス」という言葉の普及によって、負担を表す言葉がまとめられ、便利になった一方で、以前の細かな感情のニュアンスが薄れる面もある。