ヒロシ:今度エミリーの都合が良いときにランチしない?
エミリー:え、都合「つごう」って何?
ヒロシ:あ、そうか。そうだね、エミリーの予定が空いている時にっていう意味なんだけど、もっと詳しく言うと、「都合」というのは日本語の中で、状況によってニュアンスや意味が変わる言葉なんだ。たとえば、同じ言葉でも文脈によって使い方が変わるんだよ。以前話題になった、「かける」とか「はさむ」みたいに。外国人が理解するのが少し難しいかもしれないね。
エミリー:そうなんだ。もっと詳しく教えて!
ヒロシ:「都合」というのは、ある状況や条件に基づいて物事を行うためのタイミングや調整を指す言葉で、日常的には予定や便利さ、状況に合わせて物事ができるかどうかを示す際に使われるよ。でも、使い方は文脈に依存して変わることが多いんだ。スケジュールの調整、適切なタイミング、便利さ、あるいは物理的な状況なんかも指すんだよ。
エミリー:なるほど、ちょっとわかってきた。例文とかある?
ヒロシ:もちろん。例えばこんな感じだよ。
1. 予定やスケジュールの調整
- 「明日の都合がついたら教えてください。」
- 意味: 明日のスケジュールが調整できたら連絡してください。
2. 便利さや適切なタイミング
- 「都合の良い時に連絡をください。」
- 意味: あなたにとって適したタイミングで連絡してください。
3. 状況や物理的条件
- 「この場所は会議をするには都合が悪いですね。」
- 意味: この場所は会議を行うには不便だ。
4. 自分の状況に利己的に動く人
- 説明: 自分の都合や利益にだけ合わせて行動する人や、他人にとって便利な時だけ関わってくる人を指す表現が「都合がいいやつ」だよ。この表現は、皮肉や批判を含んで使われることが多く、他人に対する配慮を欠いた利己的な態度や行動を指すんだ。
- 「彼は自分の都合のいいときだけ現れる。まさに都合がいいやつだ。」
- 意味: 自分にとって有利なタイミングや状況だけで行動する人を批判的に表現している。
ヒロシ:今回、エミリーに確認したかったのは1番の「予定やスケジュールの調整」という意味かな。
エミリー:なるほど、時間やタイミング、状況によって使われ方が違うんだね。そして「自分勝手な態度」なんて意味もあるんだね。
ヒロシ:そうだね。英語では、これら全部の意味を網羅する単語はないと思うけど、先の例にあげた「都合」をどう英語で表すか考えてみてくれる?
エミリー:そうだね、たとえばこんな感じになるかな。
- 予定やスケジュールの調整
- 例文: 「明日の都合がついたら教えてください。」
- 英訳: "Let me know if your schedule opens up tomorrow."
- 都合を表す言葉: schedule(スケジュール)
- 便利さや適切なタイミング
- 例文: 「都合の良い時に連絡をください。」
- 英訳: "Please contact me when it's convenient for you."
- 都合を表す言葉: convenient(便利、適したタイミング)
- 状況や物理的条件
- 例文: 「この場所は会議をするには都合が悪いですね。」
- 英訳: "This place is not suitable for holding a meeting."
- 都合を表す言葉: suitable(適した、ふさわしい)
- 自分の状況に利己的に動く人
- 例文: 「彼は自分の都合のいいときだけ現れる。まさに都合がいいやつだ。」
- 英訳: "He only shows up when it suits him. What a selfish person."
- 都合を表す言葉: suits(都合が良い、適する)
ヒロシ(ちょっと戸惑いながら):うん…なるほどね…。英語だとそんなふうになるんだね。なんとなくわかるけど、それぞれが違う言葉になるのはちょっと不思議だな。でも、ありがとうエミリー。すごいね!
エミリー:うん、確かに「都合」にはいろいろな意味があるから、英語では一言で表せないことが多いよね。
ヒロシ:そうだね。それに、日本語には「ご都合主義」っていう言葉もあって、自己中心的に物事を進める考え方を指すんだよ。たとえば、物語の展開で何でも都合よく進んじゃう場合とかにも使うんだ。
エミリー:へえ、そういう状況でも「ご都合主義」って言うんだ。じゃあ、「ご都合主義」はただの「都合」よりも、もっとネガティブな意味があるってことだね?
ヒロシ:そうそう、何かを自分の都合だけで解釈したり、物事を進めようとする態度とかね。特にフィクションやドラマで「現実離れして都合よく解決される」ことにも使われるんだ。
エミリー:なるほど、だからストーリーがあまりにもスムーズに進むと「ご都合主義」って言うのね。それって、英語で言うと・・・・。
そうね。日本語の「ご都合主義」って、状況に応じて使われるみたいだから、いくつかの表現があると思う。たとえば…
1. Convenient reasoning(都合の良い理屈)
- 例文: "His argument is based on convenient reasoning, ignoring all the counterpoints."
- 日本語訳: 「彼の主張は都合の良い理屈に基づいていて、反論をすべて無視している。」
エミリー:これは、人が自分の都合に合わせて理屈を作り上げるときに使える表現かな。
2. Opportunism(機会主義、都合の良いことを追求する姿勢)
- 例文: "His actions are driven by opportunism, always seeking personal benefit."
- 日本語訳: 「彼の行動はご都合主義で、常に自分の利益を追求している。」
エミリー:あと、この「Opportunism」は、常に自分の利益を最優先にして行動する人に対して使えるよね。これも「ご都合主義」に近いかも。
3. Plot convenience(物語やフィクションにおけるご都合主義的展開)
- 例文: "The ending of the movie felt like pure plot convenience, with everything falling into place too easily."
- 日本語訳: 「映画の結末はご都合主義的で、すべてがあまりにも簡単に解決された感じがした。」
エミリー:そして、これはフィクションや物語の展開が都合よく進むときに使える表現だね。
ヒロシ(感心しながら):へえ、なるほどね。いろんな言い方があるんだね。「plot convenience」なんてぴったりじゃないか。
エミリー:そうだね。でも、日本語の「ご都合主義」と完全に一致する表現はないかもしれないけど、いろんな状況に合わせて使えるみたいね。
ヒロシ:ありがとう、エミリー。ところで、エミリー、ランチの都合はいつがいい?
エミリー:そうね、私の都合がいいのは、明日の昼ね。
ヒロシ:OK、じゃ明日の昼カフェテリアの入口で。