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ギガかランチか…? 「背に腹は変えられない」ヒロシの決断を英語で

ヒロシは最近、バイトのシフトが激減して金欠状態。
それでもスマホの通信量制限が近づいていたため、泣く泣くギガ追加の課金をした。
ランチを抜いたり、コンビニのおにぎり一個にすることにしたが、「背に腹は変えられないよな…」とつぶやいた。
それを聞いたエミリーは「え?背に…お腹?」と首をかしげた——。


エミリー:ヒロシ、今なんて言ったの?「背に腹は変えられない」って?

ヒロシ:ああ、うん…今月もうギガ制限かかりそうでさ。バイト代ほとんどないけど、課金しちゃったんだよね。スマホないと困るし・・・。

エミリー:それで「背に腹」?…なんか、体の部位の話に聞こえる(笑)

ヒロシ:まぁ、体の話から来てるんだけど、意味は全然違うんだよ。

エミリー:教えて!

ヒロシ:たとえば、お腹が痛いときに背中をかばってる場合じゃないでしょ?命にかかわるから、背中よりお腹を優先するってこと。

エミリー:なるほど…つまり、本当に大事なことのためには他のことを犠牲にするしかないって意味か。おもしろいね。

ヒロシ:そうそう。今の俺みたいに、お昼をケチってでもスマホ使いたいっていう(笑)

エミリー:じゃ、わたしのランチ少しわけようか?(笑)

ヒロシ:ありがとう。でも良いよ、クセになりそうでエミリーに期待しちゃいそうで・・・・。

エミリー:わかったわ。じゃ、頑張ってね。

解説

「背に腹は変えられない」は、追い詰められたときに多少の犠牲を払ってでも、より重要なものを守るしかないという意味のことわざです。

文字通りに読むと、

  • 背(命に関係ない部分)よりも
  • 腹(命に関わる部分)を優先しなければならない

つまり「見た目や小さな問題より、命・生活など重大なことを優先するべき」という教訓が込められています。

たとえば今回のヒロシのように、

“Even though I didn’t have much money left, I had to buy extra mobile data. I skipped lunch to save money—but I just couldn’t survive without internet.”
(お金があまり残ってなかったけど、追加のモバイルデータを買わざるを得なかった。昼ごはんは節約したけど、インターネットなしじゃ無理だった)

このような状況は、まさに「背に腹は変えられない」の典型例と言えるでしょう。

また、このことわざにぴったり一致する英語表現はありませんが、
状況に応じて以下のように言うことができます:

I had to bite the bullet.
 嫌だけど仕方なくやる、というニュアンス。

Desperate times call for desperate measures.
 切羽詰まったときには、極端な手段も必要になる。

I had no choice.
 他に選択肢がなかった。

「背に腹は変えられない」を英語で説明する

The Japanese expression “Seni hara wa kaerarenai” (背に腹は変えられない) literally translates to
“You can’t trade your stomach for your back.”

In Japanese thinking, the belly (hara) is associated with essential needs or life itself, while the back (se) is seen as less critical.
This expression is used when you're in a difficult situation and need to make a hard choice:
you have to sacrifice something less important in order to protect something more vital.

It's similar in meaning to phrases like:

  • Desperate times call for desperate measures.
  • I had no choice.
  • You have to do what you have to do.

For example, imagine someone who is nearly out of money but must buy mobile data to submit a school assignment. Even if it means skipping lunch, they go ahead and make the purchase. In that case, they might say:
“Seni hara wa kaerarenai.”

日本語訳

「背に腹は変えられない」という表現は、英語に直訳はありませんが、
英語話者にも比較的伝わりやすいのは「Desperate times call for desperate measures(非常時には思い切った手段が必要)」などの表現です。

英語では、「お腹」と「背中」のような身体的比喩はあまり使いませんが、
「本当に大切なものを守るためには、他を犠牲にする」という発想自体はよく理解されます。

ヒロシのように「ギガ追加のために昼ご飯を抜く」という例は、
英語話者にとっても共感できる状況なので、「なるほど」と感じてもらいやすいはずです。

「背に腹は変えられない」はJLPT N2レベルの表現です。
ニュースやドラマでも時折登場するため、意味を知っておくと理解の幅が広がります。

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