
エミリーは最近、日本のことわざ「背水の陣」という言葉を知った。日本語の意味を理解した上で、いつもヒロシから英語表現を聞かれるので、逆に今日はヒロシを試して見ようと思い立った。
エミリー: ヒロシ、「背水の陣」って英語でなんて言うのかわかる?
ヒロシ: えっ⁉ いきなり難しいな… どこでそんな言葉覚えたの?
エミリー: 最近、本で読んだんだ。意味はもう知ってるけど、英語でどう言うかヒロシは知っている?。
ヒロシ: 英語で? それは、こっちが聞くことなんだけど、うーん、日本語では「逃げ道をなくして全力で戦うこと」って説明できるけど… 英語だと… なんだろう?
エミリー: ふふっ、考えてみて?
ヒロシ: えーっと… うーん… うーん…… わからん!降参! エミリー、助けて!
エミリー: ふふふ、実はね、"burn one's bridges" とか "fight with one's back against the wall" って言えると思うわ。
ヒロシ: なるほど!"burn one's bridges" は「橋を燃やす」ってことだから、もう後戻りできないっていう意味か。
エミリー: そう!そして "fight with one's back against the wall" は「壁を背にして戦う」っていう表現で、まさに「背水の陣」と似た状況を表すんだよ。
ヒロシ: おお、どっちもわかりやすい! ありがとう、エミリー!
エミリー: どういたしまして! でもね、ヒロシ、実はこの質問、ちょっとヒロシを試してみたんだよ。いつも、英語はなに?って聞くばかりだから、自分で考える練習しないとね。
ヒロシ: えっ⁉ つまり… 最初から答え知ってたのか? そうか、確かに、エミリーに聞けばいいやという気持ちになってたからね。
エミリー: そう!いつも私が英語を教えてあげるばかりだからね。ヒロシももっと、英語の勉強しよう。
解説
「背水の陣」は、中国の戦国時代の将軍 韓信(かんしん) に由来する言葉です。韓信は、戦いの際に自軍を川の前に配置し、退路を断つことで「逃げ場がない状況なら、兵士たちは必死に戦うしかない」と考えました。その作戦が見事に成功し、彼の軍は勝利を収めました。これが「背水の陣」という言葉の語源です。
この表現は、「逃げ道をなくして、全力で戦う」 という意味で使われます。日本語では 「絶対に後戻りできない状況で、全力を尽くすこと」 を指します。
英語には以下のような表現がありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。
表現 | 意味 | 逃げ道なし | 戦いの要素 | 例 |
---|---|---|---|---|
背水の陣 | 退路を断って全力で戦う | ✅ | ✅ | 兵士が川を背にして戦う |
burn one's bridges | 退路を断つが、戦うとは限らない | ✅ | ❌ | 会社を辞める、関係を断つ |
fight with one's back against the wall | 逃げ場のない状況で必死に戦う | ✅ | ✅ | 試験前の猛勉強、負けられない試合 |
「背水の陣」に最も近い英語表現は → "fight with one's back against the wall"
"burn one's bridges" は「退路を断つ」という意味では近いが、戦いの要素はないため注意!
"burn one's bridges" は人間関係やキャリアで「後戻りできない選択をする」という文脈で使われることが多いです。
例文:
- "He burned his bridges with his former employer, so he can't go back to his old job."
(彼は前の雇い主との関係を完全に断ったから、もう前の仕事には戻れない。) - "Don't burn your bridges! You might need their help in the future."
(退路を断つなよ!将来、彼らの助けが必要になるかもしれないぞ。)
"fight with one's back against the wall" は、「追い詰められて必死に戦う」という状況で使われます。
例文:
"With no money left, he was fighting with his back against the wall to keep his business alive."
(資金が尽きかけて、彼はビジネスを続けるために必死に戦っていた。)
"We lost two key players, so now our team is fighting with our backs against the wall."
(主力選手を2人失って、今うちのチームは崖っぷちで戦っている。)
「背水の陣」を英語で説明する
Haisui no jin (背水の陣) – This phrase originates from a Chinese historical event where General Han Xin placed his army with a river at their back to force them to fight without retreat. It means to put oneself in a situation where there is no way to escape, ensuring full commitment to a challenge.
日本語訳
(背水の陣(はいすいのじん)とは、中国の将軍・韓信が軍を川の前に配置し、退路を断つことで戦いに勝利したことに由来する言葉です。逃げ場のない状況に自らを追い込み、全力を尽くすことを意味します。)