エミリー: ねぇヒロシ、聞いて。日本のファッションに興味があるって前に話したよね。それで、最近は日本の服を着るようにしているの。そしたら、私と同じアメリカの留学生、ヒロシも知っているジェニファー、彼女、私の服を見て、似合わないとか色使いが良くないとか言うのよ。ほんとに気分悪いわ。
ヒロシ: うーん、それは嫌だね。日本語ではそういうのを「ケチをつける」って言うんだ。つまり、他人の行動や物に対してわざわざ意地悪な批判をつけることを指すんだ。ジェニファーがエミリーの服についてあれこれ言ったのも、その「ケチをつける」行為だよ。
エミリー: ああ、なるほどね。「ケチをつける」って、ただ批判するだけじゃなくて、意地悪な感じな意味が含まれているのね。ジェニファーが「You're wearing that? I wouldn't choose those colors.」(それ着てるの?私ならその色は選ばないわ)って言ったのが、まさに「ケチをつける」ってことなのね。
ヒロシ: そうだね。彼女が口にして、わざわざ批判を表に出したことで、エミリーの気分を害したんだ。
エミリー: そうね、確かに彼女が口にしたことで、なんだか私をわざわざ否定しにかかったみたいに感じたわ。例えば、「She always finds fault with everything I do.」(彼女は私がすることすべてにケチをつける)みたいな感じで使うわね。
ヒロシ: 英語では、 find fault withを使うんだね。それが「ケチをつける」か。これは習った記憶があるな。欠点を見つけるという意味合いだった気がするけど、確かにそれはケチをつけるとも言うな。
でも、「ケチ」には他にも意味があって、お金に対することでも、「ケチ」という言葉は使われるんだ。
エミリー: ああ知ってる。その場合のケチは聞いたことがあるわ。「例えば、彼はお金にとてもケチで、絶対に必要でない限り一円も使わないとか、彼女はとてもケチで、新しい服すら買わない」という感じよね。英語だと「stingy」や「frugal」が該当するわ。
"He's so stingy that he never leaves a tip at restaurants."
- 彼はとてもケチだから、レストランでチップを全く残さない。
"She is very frugal and always finds the best deals when shopping."
- 彼女はとても倹約家で、買い物の際にはいつも一番お得なものを見つけます。
ヒロシ: なるほど、英語でもいくつかの言葉でお金に「ケチ」を表現できるんだね。ただ、倹約とケチはニュアンスが微妙に違ってくるから使い慣れないと難しいね。
さらに、「ケチがついた」という表現もあって、これは不吉なことや不都合なことが起こって、物事に悪い印象がついてしまったときに使うんだ。中々ニュアンスが伝わらないと思うから英語表現は難しいかな。
エミリー: そうね。「ケチがついた」を直接英語で表現するのは少し難しいけど、「It got off to a bad start and had a jinx on it.」(不吉なものが付いてしまった)みたいなニュアンスで表現できるかしら。でも普通は、「The project got off to a bad start, and it seems like a bad omen.」(プロジェクトは最初からうまくいかなかったので、不吉な予感がする)というような言い方で言い換えるわね。
ヒロシ: なるほど、英語で直接「ケチがついた」って表現するのは難しいんだね。日本人でもケチがついたを上手く説明するのは難しいと思うよ。
エミリー: そうなのよね。まず私が、日本語の意味を理解しないと、英語で完全に置き換えるのは難しいし、同じ意味を持つ英語表現はないかもしれないけど、こうしていろんな言い方でニュアンスを伝えられる方法はあるわ。表現する言葉は違っても感じ方は万国共通だと思うわ。
ヒロシ: そうだね。「ケチ」は多義語で、意図的な批判や難癖、お金に対してけちなこと、不吉な予感など、いろんなニュアンスを持っているんだ。