ヒロシ:エミリー、もう少しでバレンタインデーだよね。アメリカの彼氏には何か贈るの?
エミリー:アメリカに居る頃は毎年、彼と食事をしに行ってたわ。別に何ももらわなかったけど。
ヒロシ:だって、バレンタインは女性から男性にチョコを贈るんでしょ。
エミリー:女性から男性へという決まりはないわね。それに、チョコとも決まっていないし。
ヒロシ:へぇ~そうなんだ。日本では女性が好きな男性に告白の意味で、特別な日というのがバレンタインデーだけどね。でも今では、女性同士、友達同士、家族の中で贈ったりするようになったりして、なんか趣旨が違ってきたね。特に、「義理チョコ」なんて言葉もあって、好きとかそういう気持ちはないけど、ただあげる、見たいな。
エミリー:「義理チョコ」ね、その「義理」ってどういう意味?
ヒロシ: 「義理」っていうのは、なんていうかな……社会的なルールとか、人間関係で大事にする責任みたいな感じ?
エミリー: なるほど。「責任」ね。それって、たとえば仕事関係とかで「お世話になっているから、礼儀として何か贈る」みたいなこと?
ヒロシ: うん、そんな感じだね。「本音」とか「本当の気持ち」とは違って、社会的に求められることをやるのが「義理」かな。たとえば、上司とか同僚にチョコを贈るのは「義理チョコ」だよ。好きとかそういう気持ちはなくてもね。
エミリー: ああ、わかった!英語だと、ちょっと難しいけど、「social obligation(社会的義務)」とか、「courtesy(礼儀)」が近いかも。でも、完全に同じニュアンスを持つ言葉はない気がするわ。
ヒロシ: じゃあ、英語で「義理チョコ」を説明するとき、「courtesy chocolate」って言えばいい?
エミリー: それもいいけど、「chocolate given out of obligation」とか「chocolate for social courtesy」みたいに説明的に言う方が伝わりやすいかも。
ヒロシ: むずかしいね。でも、エミリー、どうして英語には「義理」にピッタリな単語がないの?
エミリー: たぶん、文化の違いかな。アメリカや英語圏では、こういう「社会的な付き合いのための贈り物」って、日本ほど一般的じゃないのかも。もちろん、職場で「ありがとう」の気持ちを込めて贈り物をすることはあるけど、それは「義務」というより、もっと個人の自由な気持ちに近いよね。
ヒロシ: なるほどね。でも、「義理」の概念がないと、仕事とかで大変じゃない?
エミリー: 確かに、日本の「義理」の文化にはメリットもあると思うわ。関係を維持するための一種のルールみたいな感じでしょ?でも、逆に「本音」が見えにくくなるっていうデメリットもあるかもしれない。
ヒロシ: それはあるね。「義理」を守るために、本当は嫌だと思っててもやらなきゃいけないときがある。
エミリー: そうだね。じゃあ、「義理」っていう言葉を英語で説明する練習をしてみる?
ヒロシ: うん、やってみよう!
エミリー: よし、私が手伝うね。「義理は、人間関係を大切にするために、個人的な感情とは別に行動することです。」を英語にすると、どうなるかな?
ヒロシ: えっと……“Giri is acting based on social relationships, apart from personal feelings.” …みたいな?
エミリー: うん、いい感じ!もう少し加えるなら、“Giri is a cultural concept in Japan where people act out of social responsibility or obligation, regardless of personal feelings.”とかね。
ヒロシ: なるほど。少し難しいけど、覚えられそうだ!
解説
「義理」という言葉は日本独特の文化的概念であり、英語で完全に同じ意味の単語を見つけるのは難しいです。「社会的義務」や「礼儀」に近いニュアンスですが、より文化的背景を含む説明が必要です。
1. 義理のニュアンスを英語で説明する例文
- "Giri refers to a sense of social responsibility or obligation, particularly in Japanese culture."
(「義理」とは、日本文化における社会的責任や義務の感覚を指します。) - "In Japan, giri often involves giving gifts as a form of maintaining relationships."
(日本では、「義理」は関係を維持するために贈り物をすることを伴うことが多いです。) - "Unlike genuine feelings, giri is more about fulfilling expected social duties."
(本当の気持ちとは異なり、「義理」は期待される社会的な義務を果たすことに近いです。)
2. 義理チョコに関連する表現
「義理チョコ」を英語で一言で表す単語はありません。しかし、適切なフレーズを使い、背景や意味を説明することで、外国人にもその文化的概念を理解してもらうことができます!
"In the workplace, women often give giri choco to male colleagues as a token of courtesy."
(職場では、女性が男性同僚に礼儀として義理チョコを渡すことがよくあります。)
"Giri choco is chocolate given out of obligation, especially on Valentine's Day in Japan."
(「義理チョコ」とは、日本のバレンタインデーで義務感から贈られるチョコのことです。)