エミリー:ヒロシ、ほんとに頭に来ちゃう。キャサリンたら、いつも待ち時間に遅れくるし、約束さえも忘れてしまうことがあるのよ。
ヒロシ:キャサリンって、カナダから来た留学生?
エミリー:そうよ。同じ時期に日本に留学してきたので、早くから友だちになったんだけど。そういう点が嫌ね。
ヒロシ:見た目からはそういう感じしないんだけど、結構「いい加減」なんだ。
エミリー:少しもよくないわ。
ヒロシ:いや、「いい加減」は良いという意味も確かにあるけど、大体違う意味が多いね。
エミリー:じゃ、どういう意味? 「いい加減」って。
ヒロシ:いい加減というのは状況によって良い意味にも悪い意味にもなるんだ。たとえば、料理の味付けが「いい加減」だったら、ちょうどいいバランスで美味しいってことなんだよ。
エミリー:なるほど、適切な感じで使えるのね。それならわかるわ。
ヒロシ:でも、悪い意味で使うと「無責任」や「やる気がない」ってことになる。「キャサリンはいつも遅れて、約束を忘れちゃう」って場合は、まさにその「いい加減」っていう悪い意味だね。
エミリー:そうそう、それが言いたかったの!キャサリンは何も考えていないように感じるわ。
ヒロシ:そうだね。だから、キャサリンの態度は「いい加減」だって言うと、彼女が無責任だったり、不真面目だったりするって意味になるよ。
エミリー:ありがとう、ヒロシ。これで「いい加減」がどういう意味かしっかり理解できたわ。
ヒロシ:ついでに、いい加減に似た表現も他にあるんだ。たとえば、「適当」って言葉もよく使われるよ。良い意味だと「ちょうどいい」とか「ふさわしい」って感じで使うんだけど、悪い意味だと「手を抜く」とか「いい加減にやる」ってニュアンスになるんだ。
エミリー:なるほど、「適当」も「いい加減」と同じで、いい意味にも悪い意味にもなるのね。
ヒロシ:そうだよ。他にも「中途半端」っていう表現があるんだ。これはどちらかというと、いつも悪い意味で使われるね。「やりかけで終わってしまっている」とか「きちんとしていない」って意味だよ。
エミリー:それも面白いわね。「いい加減」と「適当」は、文脈によって意味が変わるけど、「中途半端」はいつも悪い意味なのね。
ヒロシ:その通り!日本語にはこうした微妙なニュアンスの違いが多いから、使い方には気をつけないといけないよね。
ヒロシ:アメリカでもそんな人多いでしょ、多分。じゃ、英語でも「いい加減」とか「適当」とかなんていうの?
エミリー:そうね、英語では「careless(無責任な)」とか「irresponsible(無責任な)」が「いい加減」に近い表現ね。たとえば、約束を守らなかったり、適当に物事をやってしまう人に対して「He’s so careless about everything.」とか「She’s always irresponsible with her promises.」って言えるわ。
ヒロシ:なるほど、でも英語には「いい加減」みたいに、良い意味にも悪い意味にもなる単語はあるの?
エミリー:うーん、英語では一つの言葉が両方の意味を持つことは少ないけど、「casual(カジュアル)」は、ちょっと近いかもしれないわ。良い意味で使うと「リラックスしている」って感じだけど、悪い意味だと「真面目に取り組んでない」って感じになることがあるの。
ヒロシ:なるほど、文脈で意味が変わるんだね。英語にも似た感覚の言葉があるのが面白いな。
エミリー:それに、「slack(ゆるい)」や「loose(緩い)」も似たような例かもしれないわね。たとえば、「slack」なら良い意味で使うと「リラックスしている」「余裕がある」って感じになるけど、悪い意味では「だらしない」とか「怠けている」ってことになるわ。「loose」も、「自由な」という良い意味で使われることがあるけど、「だらしない」とか「きちんとしていない」という悪い意味にもなるの。
ヒロシ:なるほど、「slack」とか「loose」も状況によって変わるんだね。やっぱり英語にも文脈で意味が変わる言葉があるんだな。
エミリー:そうね、英語にもいろいろな言葉があって、ニュアンスが大事だから、使い方に気をつけないといけないわね。
ヒロシ:日本語と同じだね。だから、キャサリンの態度を「いい加減」だって言うときは、彼女が「無責任」だったり「いい加減にしている」って意味で使えるってことだね。
エミリー:そうね。これで「いい加減」についてもしっかり理解できたわ。
ありがとう、ヒロシ!今度、キャサリンが遅刻してきたら、いつも「いい加減」ねって言ってあげるわ。