ヒロシ:エミリー聞いた? ゼミの教授、今年で辞めるんだって。来年アメリカの大学の教授として行くらしいよ。
エミリー:知っているわ。あの教授、英語は上手だし、教え方も丁寧だから残念ね。
ヒロシ:もう知っていたの、耳が早いね。
エミリー:耳が早い? また面白い表現ね。耳が早いってなんとなくわかるけど。
ヒロシ:「耳が早い」ね、それは「他の人よりも早く情報をキャッチする」っていう意味だよ。ニュースとか噂とか、誰よりも先に知ってる人のことを言うんだ。
エミリー:なるほど、だから「耳が早い」っていうんだね。
英語で言うと、"You’re quick to catch on to things"とか"You're quick to hear news"みたいな感じかしら?
ヒロシ:それはわかりやすいね。英語だと「耳」というよりは、全体的に「気がつくのが早い」みたいな意味になるかもね。でも日本語だと、本当に「耳」が情報をキャッチする感じなんだよね。
エミリー:日本語って本当に面白いわね。他にも「耳」を使った表現ってあるの?
ヒロシ:ある、ある。たとえば「耳をすます」とか「耳にタコができる」とか、結構たくさんあるんだ。
エミリー:そうなんだ!「耳にタコ」?それはまた面白そうな表現ね。
ヒロシ:それは「同じことを何度も聞かされて、もううんざりしてる」っていう意味なんだよ。これも面白いでしょ?
エミリー:じゃ、こんな感じかな。
"I've heard it a million times already!"
(もう何百万回も聞いたよ!)
"I'm tired of hearing the same story over and over."
(何度も同じ話を聞かされるのにはうんざりだよ。)
"That excuse is getting old."
(その言い訳にはもう飽きたよ。)
もう一つの、耳をすますは?
ヒロシ:耳をすますっていうのは、「集中して音を聞く」っていう意味だよ。たとえば、静かな場所で何か小さな音を聞き逃さないようにする感じかな。鳥のさえずりとか、遠くの音を聞こうとするときによく使うね。
エミリー:ああ、英語だと"listen carefully"とか"pay close attention"って感じかしら?
In the quiet night, I listened carefully and could hear the sound of insects chirping in the distance.
静かな夜、耳を澄ますと、遠くで虫の鳴き声が聞こえた。
I heard the children’s voices, so I strained my ears to listen closely.
子どもたちの声が聞こえてきて、耳を澄ませた。
In the forest, if you listen carefully, you can hear the wind rustling through the trees.
森の中で耳を澄ますと、風が木々の間を通り抜ける音が聞こえる。
ヒロシ:そうそう、そんな感じだね。たとえば、「静かにして、耳をすましてみて」って言うと、周りの音に集中しなさいって意味になるよ。
解説
日本語には「耳」を使った表現が数多く存在しますが、それは「耳」が情報の受け取りや感覚の象徴として重要な役割を果たしているからだと考えられます。耳は、人間が外部の音や言葉を直接的に受け取る器官であり、そのため「聞く」という行為は、単に音を聞くだけでなく、理解する、気づく、そして反応するという多面的な意味を持つことができるのです。
参考:まとめ「耳」を使った日本語、英語でいうと:運営者コラム