エミリー:ヒロシ、この前話した、キャサリン。彼女ね、やっぱりおかしいわ。
ヒロシ:何かあったの?
エミリー:今度の課題について話していたんだけど、その場で話していることさえ、覚えてないのよ。
ヒロシ:覚えてないというか、聞いてないんだね、日本語でそんな時の言葉に「上の空」とか、
「心ここにあらず」なんて感じかな。たまにいるよね、そういう人。自分で何かに集中すると、他のことが頭にはいらない、みたいな時の人の状態を言うんだ。
エミリー:そういう性格なのかな?
ヒロシ:そうじゃないの。だって、ちゃんと試験にも受かってるじゃない。
エミリー:そうよね。彼女と話す時は気をつけなきゃ。 その、「上の空」とか「心ここにあらず」っておもしろい表現ね。 彼女のような人を英語でいう場合はこんな感じかな。
「absent-minded」って言うのが近い表現かな。意味としては、何かに集中しすぎて他のことに気が回らない人のことよ。
例えば、"She’s so absent-minded that she forgot her own keys again."(彼女はとても上の空で、また鍵を忘れた)という感じ。
ヒロシ:「absent-minded」か。それ、心が留守?ピッタリの表現だね。
エミリー:そうそう、まさにそういう感じ。でも、もっとラフな表現だと「spacing out」も使えるわね。「I was totally spacing out during the meeting.」(会議中に完全に上の空だったよ)とか。
ヒロシ:なるほど。「spacing out」って言うと、少しリラックスした感じなのかな?
エミリー:そうね、あまり深刻じゃなく、ただぼんやりしている時に使う感じ。それと、ちょっと違うけど、「distracted」も使えるわ。「He’s distracted today because he had a fight with his friend.」(彼は友達とケンカして、今日は心ここにあらずだった)というふうに。
他にも似たような表現がいくつかあるのよ。例えば、「daydreaming」っていうのもあるわ。これは、何かに意識が行ってしまって、ぼんやり夢想している感じ。たとえば、"She was daydreaming during class again."(彼女は授業中にまた夢想していた)という使い方をするの。
ヒロシ:「daydreaming」ってことは、現実じゃなくて頭の中で何か考えてるってことだね。
エミリー:そうそう。それと、もう少しネガティブな意味では「in a daze」も使えるわね。"After the accident, he was in a daze for days."(事故の後、彼は数日間ぼんやりしていた)って言う感じ。ショックを受けたり、疲れていたりする時に、頭がぼんやりしている状態ね。
ヒロシ:おお、それはちょっと深刻な感じだね。日本語の「放心状態」に近いかも。
エミリー:日本語ではそういうのね。それと、もっとカジュアルに「zoning out」もあるわよ。"Sorry, I was zoning out. What did you say?"(ごめん、ぼんやりしてた。何て言ったの?)という風に使うの。ちょっとリラックスした感じで、何かを聞き逃した時に使えるわ。
ヒロシ:ああ、「spacing out」に似てるけど、さらにカジュアルな感じなんだね。
エミリー:そう、正解!それと、「lost in thought」もあるわね。これは何か考え込んで、他のことに気づかない時に使うの。"He was lost in thought and didn’t notice me calling him."(彼は考え事をしていて、私が呼んでいるのに気づかなかった)というように。
ヒロシ:「lost in thought」か、ちょっと哲学的な響きがあるね。
エミリー:そうね、深く何かを考えているときにピッタリ。それから「preoccupied」も似たニュアンスだわ。"He seemed preoccupied during dinner."(彼は夕食の間、心ここにあらずだった)という風に使えるの。何かに気を取られている時によく使う表現ね。
ヒロシ:面白いね。「preoccupied」って「先に(pre)心が占有されている」ってことなのか。
エミリー:そう!まさにそういうことよ。これらの表現は微妙にニュアンスが違うから、うまく使い分けられると自然な英語が話せるわね。
ヒロシ:なるほど、日本語も似たような表現がたくさんあるけど、英語も奥が深いね。これを全部覚えるのは大変そうだな。
エミリー:大丈夫、少しずつ慣れればいいのよ。どんな言語も、上の空にならずにしっかり学べば大丈夫!
解説:「上の空」や「心ここにあらず」を表す英語表現まとめ
1. Absent-minded
- 意味:何かに集中しすぎて、他のことを忘れがちな状態
- 例文:He walked out without his phone again. He's so absent-minded these days.(彼はまた携帯を忘れて出かけたよ。最近、本当に上の空なんだ。)
- ニュアンス:注意散漫な性格や習慣を表します。フォーマルな場面でも使われます。
2. Spacing out
- 意味:ぼんやりしている状態、何かを聞き逃すとき
- 例文:I spaced out and missed my train stop.(ぼんやりしてて、電車の降りる駅を逃しちゃった。)
- ニュアンス:一時的に注意が散漫になった状況を指し、カジュアルに使います。
3. Daydreaming
- 意味:現実から離れ、空想にふける状態
- 例文:I caught him daydreaming about his vacation during the meeting.(彼が会議中に休暇のことを夢想しているのを見つけた。)
- ニュアンス:楽しいことを想像して、現実に集中できていない時に使います。
4. In a daze
- 意味:ぼんやりしている、ショックや疲労で意識がはっきりしない
- 例文:After working for 12 hours straight, I was in a daze all evening.(12時間ぶっ続けで働いた後、夕方はぼんやりしていた。)
- ニュアンス:精神的・身体的な疲労やショックによって意識が朦朧とした状態を表します。
5. Zoning out
- 意味:意識が抜けてぼんやりする状態
- 例文:He was zoning out while watching TV and didn't hear me calling.(彼はテレビを見ながらぼんやりしてて、私が呼んでいるのに気づかなかった。)
- ニュアンス:カジュアルな表現で、一時的に他のことに気を取られている状況に使います。
6. Lost in thought
- 意味:何かを考え込んで周りのことに気づかない状態
- 例文:She was so lost in thought that she didn’t notice the time passing.(彼女は考え事に没頭していて、時間が経つのに気づかなかった。)
- ニュアンス:深く考え込んでいる時に使い、詩的なニュアンスを持つこともあります。
7. Preoccupied
- 意味:何かに心が奪われて、他のことに気が回らない状態
- 例文:He seemed preoccupied with his upcoming exam and didn’t join our conversation.(彼は試験のことで心ここにあらずで、会話に参加しなかった。)
- ニュアンス:心配事や考え事で意識が占有されている状態を表します。
使い分けのポイント
- Absent-minded は性格的に物事を忘れがちな人に使われます。
- Spacing out と zoning out は一時的に注意が抜ける時に使いますが、zoning out の方がさらにカジュアルです。
- Daydreaming は空想にふける状態を指し、楽しいことに没頭している場面に合います。
- In a daze は疲労やショックで意識がはっきりしない時に使います。
- Lost in thought は深い思索に没頭している時に使い、落ち着いた印象があります。
- Preoccupied は心配や不安で他のことに集中できない時に使います。
まとめ
これらの表現は「上の空」や「心ここにあらず」の状態を指しますが、状況やニュアンスに応じて適切なものを選ぶことが重要です。会話がカジュアルな時は「spacing out」や「zoning out」、フォーマルな場面では「preoccupied」や「absent-minded」を使うのが自然です。これらを学びながら、状況に合わせた使い分けを練習してみましょう。