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「インバウンド」の使い方:ビジネスや旅行に関連する英語フレーズ
インバウンドは観光客?

ヒロシはメディアで当たり前のように扱われる言葉「インバウンド」に疑問を持ちました。日本語英語ではないのか? 英語圏ではどうやって使われているんだろう?

そこへエミリーがやってきました。

ヒロシ: 最近、日本でも外国人観光客が増えたよね。その状況を表すのに「インバウンド」って言葉がよく使われてるけど、これって正しい使い方なのかな?そもそも「インバウンド」って英語なの?それに、外国人旅行客だけを指して使うのかな?

エミリー: いい質問ね、ヒロシ。「インバウンド」っていうのは確かに英語から来ている言葉よ。でも、日本で使われる「インバウンド」は、特に外国人観光客が日本を訪れることを指すことが多いわ。

ヒロシ: そうなんだ。でも、英語圏でも同じように使うの?

エミリー: 英語圏では「inbound」という言葉は、もっと広い意味で使われているの。例えば、「inbound flight」は「到着便」という意味だし、「inbound marketing」は、顧客を引き寄せるためのマーケティング手法を指すわ。観光に関して言えば、「inbound tourism」は、特定の国や地域に外国から訪れる観光客を指すのよ。

ヒロシ: なるほど。じゃあ、「インバウンド」は外国人観光客に限った言葉ではないんだね。

エミリー: そうなの。さらに、「アウトバウンド」という言葉もあるわ。「outbound flight」は「出発便」って意味で、「outbound marketing」は、企業が顧客に直接アプローチするマーケティング手法を指すの。観光の文脈では、「outbound tourism」は、自国から他国に旅行することを意味するのよ。たとえば、「outbound tourists from Japan」なら、「日本から海外に旅行する観光客」って意味になるわ。

ヒロシ: なるほどね。つまり、「インバウンド」は日本に訪れる外国人観光客を指す一方、「アウトバウンド」は日本から出る旅行者を指すんだね。

エミリー: その通りよ。日本で「インバウンド」が特に外国人観光客を指す言葉として定着しているけど、元々の英語の意味はもっと広いから、使い方にはちょっとした違いがあるの。でも、日本の文脈では特に観光客を指すのが一般的ね。

ヒロシ: ありがとう、エミリー。よくわかったよ。ところで、最近「西行の」という場所に関しても「バウンド」という言葉が使われているのを見かけたんだけど、これも同じような意味で使われてるの?

エミリー: ああ、それも面白い例ね。「bound」という言葉は、行き先や目的地を示す意味があって、例えば「Tokyo-bound train」は「東京行きの列車」という意味になるわ。だから、「西行の」という場合は、「西へ向かっている」という意味で「バウンド」が使われているの。でも、日本語で「西行の」というのはあまり見たことがないわね。アメリカでは普通だけど。

解説

「インバウンド」と「アウトバウンド」の使われ方の違い

日本語における「インバウンド」
日本では「インバウンド」という言葉が特に観光業界で広く使われています。これは、外国人観光客が日本を訪れる現象を表す言葉として定着していますが、もともとの英語の「inbound」には観光に限定されない、広い意味があります。日本語での使用が、特定の文脈に偏っている点は、英語との大きな違いです。

英語での「inbound」
英語圏では「inbound」は「内向き」や「到着する」を意味し、交通(例:inbound flight=到着便)やマーケティング(inbound marketing=顧客を引きつけるマーケティング手法)など、様々な分野で使われます。観光に関連する場合、「inbound tourism」などの具体的なフレーズで表現されることが多いですが、英語圏では観光客を特に「インバウンド」と省略することはありません。こうした使い方の違いを理解しておくと、特にビジネスや観光業での英語使用がスムーズになります。
Flight (飛行機)

  • The inbound flight from New York will arrive at 3:00 PM. (ニューヨークからの到着便は午後3時に到着予定です。)

Tourism (観光)

  • Inbound tourism has significantly increased in Japan over the past few years. (過去数年間で日本へのインバウンド観光が大幅に増加しました。)

Calls (電話)

  • Our company receives hundreds of inbound customer service calls every day. (私たちの会社は毎日何百ものインバウンドのカスタマーサービスの電話を受けています。)

Marketing (マーケティング)

  • Inbound marketing focuses on attracting customers through content and interactions. (インバウンドマーケティングは、コンテンツや対話を通じて顧客を引き寄せることに重点を置いています。)

Traffic (交通)

  • The inbound traffic to the city center is heavy during rush hour. (ラッシュアワーの間、都心部へのインバウンド交通は混雑しています。)

Logistics (物流)

We need to process the inbound shipments before the end of the day. (今日中にインバウンドの出荷を処理する必要があります。)

「アウトバウンド」についても同様
「アウトバウンド」も日本では、特に日本人が海外旅行に出かける際の文脈で使われることが多いですが、英語では観光以外にも広く使われます。観光に限定された意味での「outbound」は、日本独自の使い方です。英語では「outbound tourists」や「outbound flight」など、具体的な文脈を伴うことが普通です。

「バウンド」のもう一つの使われ方

「bound」という言葉の元々の意味
英語の「bound」には、到達点や目的地に向かうことを意味する使い方が多く見られます。例えば、「Tokyo-bound train」や「westbound flight」といった形で、「○○行き」という意味で使われます。日常的に使われる表現であり、特に交通機関での使用が一般的です。また、「bound for」という形で「〜行き」や「〜へ向かう」と目的地を示す場合にも使われることがあります。

日本における「バウンド」の使用
日本では、「バウンド」という言葉があまり一般的に使われていないことがありますが、英語圏では日常会話でよく聞かれる表現です。このため、目的地や行き先を表現する際の「bound」の使い方を学ぶことで、英語の自然なフレーズをより理解できるようになります。

文化的な違い

日本では外来語が独自に進化し、元々の意味から異なるニュアンスで使われることがよくあります。特にビジネスや観光関連の言葉において、「インバウンド」「アウトバウンド」のように、英語から来た言葉でも意味が限定的になってしまうことがあります。このような背景を理解することは、言葉の使い方に敏感になり、異文化間のコミュニケーションを円滑にするために重要です。

まとめ

「インバウンド」や「アウトバウンド」の日本での使われ方は、英語の本来の意味よりも限定的ですが、英語圏ではこれらの言葉は広い意味で使われます。英語の「inbound」や「outbound」は、観光だけでなく、交通やマーケティングなど様々な分野で使用されるので、英語を使う際には文脈に応じて正しい意味で使うことが大切です。また、「bound」という言葉の使い方を理解することで、目的地や方向を示す自然な英語表現を身につけることができます。

参考:外来語が「日本語化」する理由・言葉の変化と定着の秘密:運営者コラム

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