ヒロシとエミリーは日本語と英語のニュアンスについて話している。今日はヒロシが日常会話でよく使われる「適当」という日本語についてエミリーに質問を持ちかける。
ヒロシ: エミリー、ちょっと聞いてもいい?「適当」って日本語知ってる?良く聞く言葉だからもう知ってるんじゃない?英語で何て言うの?
エミリー: うん、いいよ!「適当」かぁ…、日本語得意の多義語ね。それって、どういう状況で聞いたの?
ヒロシ: 例えばね、友達が「適当にやって」と言ったりする。あと、授業で先生が「適当な答えを書いてください」って。でも、「適当」って意味が変わる気がするんだよね。
エミリー: あー、そうだね。「適当」には、場面によっていくつか意味があるよね。友達が「適当にやって」と言うときは、たぶん「気楽にやって」とか「そんなに真剣じゃなくていいよ」って感じ?
ヒロシ: うん、そんな感じ。「まあまあ適当にね」って。でも、先生が言うときは「正しい」とか「ぴったりな答えを書いて」みたいな感じに聞こえる。
エミリー: そうだね。英語では、こういうニュアンスを表すのに一つの言葉で言うのは難しいな。「Do it casually」とか「Write an appropriate answer」みたいに分けて言うよ。
ヒロシ: へえ、英語では一つの言葉じゃないんだね。じゃあ、たとえば…「その適当な服装で行かない方がいいよ」って英語では?
エミリー: その場合だと、「You shouldn’t go in such sloppy clothes」みたいになるかな。「適当」な服装って、いい意味じゃないよね?
ヒロシ: そうそう。「ちゃんとしてない服」って感じ。でも、なんで同じ「適当」なのに、意味が変わるのかな?
エミリー: たしかに不思議だよね。たぶん、元々の「適当」って「その場に合っている」とか「適している」って意味があって、そこから派生して「適当にやる」のカジュアルな意味が生まれたんじゃないかな?
ヒロシ: なるほど…。日本語って本当に意味が広がる言葉が多いよね。
エミリー: 英語もそうだよ。「appropriate」は「適切」って意味だけど、例えば「That’s appropriate for the situation」なら真面目な感じ。「Be appropriate」って言ったら軽い注意にもなるよ。
ヒロシ: へえ、そうなんだ!でも、英語の「適当にやって」って言うのは、なんか直訳だと失礼に聞こえそう。
エミリー: そうだね。だから「Do it as you like」とか「Don’t worry too much」みたいに柔らかく言うことが多いかな。
ヒロシ: わかった!じゃあ、もし誰かが「適当にしていいよ」って言ったら、英語だと「Do it how you like」みたいに言えばいいの?
エミリー: そうそう!でも相手によってはちょっと違うニュアンスもあるから、文脈で調整するといいかも。
ヒロシ: ありがとう、エミリー!今日もまた一つ勉強になった。
エミリー: 私もだよ、ヒロシ。適当な質問をどんどんしてね!…って、今の「適当」はポジティブな意味だよ(笑)。
ヒロシ: (笑)わかった!これからもよろしくね!
解説
適当は、日本語で場面によって異なる意味を持つ表現です。以下に具体的な例と英語での訳を挙げます。
- 正しい/適切な(Positive Meaning)
- 例文: この答えは適当です。
英語: This answer is appropriate.
日本語訳: この答えは適切です。
- 例文: この答えは適当です。
- いい加減な/適当でない(Negative Meaning)
- 例文: 適当な服装で来るのはやめてください。
英語: Don’t come in such sloppy clothes.
日本語訳: だらしない服装で来ないでください。
- 例文: 適当な服装で来るのはやめてください。
- 気楽に/自由に(Casual Meaning)
- 例文: 適当にやってください。
英語: Do it as you like.
日本語訳: 自分の好きなようにやってください。
- 例文: 適当にやってください。
このように「適当」はその場の文脈に応じてポジティブにもネガティブにも使われます。英語に訳す場合は、ニュアンスをしっかり捉えることが重要です。