サブスクという言葉はもう日本では定着した言葉となっていますが、一部ではどのような意味で使われているのかを正しく理解されてない方もいます。
サブスクとは何か? 何語か?英語? 日本語?
実は「サブスク」という言葉は英語の「サブスクリプション(subscription)」を省略したものです。
この言葉は、特定の製品やサービスを一定期間、一定の金額で利用できる課金制の仕組みを指します。言い換えれば、定額料金を支払うことで、その期間中は対象のサービスを使い放題になるというシステムです。
この「サブスクリプション」モデルは、デジタルコンテンツの分野で特に多く利用されています。たとえば、音楽ストリーミングサービスのSpotifyやApple Music、動画配信サービスのNetflixやHulu、さらには電子書籍サービスのKindle Unlimitedなどが代表的な例です。これらのサービスは、毎月一定額を支払うことで、膨大なコンテンツをいつでも楽しむことができるため、多くのユーザーに支持されています。
「サブスクリプション」は、インターネット上のサービスに限らず、現実社会においても広がっています。例えば、定額でコーヒーを飲み放題にできるカフェのサービスや、家電製品を月額料金でレンタルするサービス、さらには自動車をサブスクリプション方式で利用できるサービスも登場しています。これにより、ユーザーは所有することなく、必要なときに必要なものを利用するという新しい消費スタイルが普及しています。
簡単に言えば、定額の利用し放題ということでしょうか。
デジタルコンテンツ分野において、良く目にし、耳にする言葉としてあるのが「オンデマンド(on-demand)」です。「オンデマンド」は「要求に応じて」という意味で、利用者が必要とするタイミングでサービスを利用する仕組みを指します。
これもまた、インターネットの普及とともに一般的になってきた言葉です。たとえば、ビデオ・オン・デマンド(VOD)は、ユーザーが見たいときに動画を視聴できるサービスです。これにより、従来のテレビ番組のように放送時間に縛られることなく、好きな時間に好きなコンテンツを楽しむことができます。
「オンデマンド」サービスでは、利用するごとに課金される「都度課金型」のものが多いですが、定額料金でオンデマンドコンテンツを利用できるサービスも存在します。この点が、「サブスクリプション」との違いの一つです。「サブスクリプション」は、定額料金で一定期間内に提供されるすべてのコンテンツやサービスが利用し放題になるのに対し、「オンデマンド」は必要なときに必要な分だけ利用する仕組みです。たとえば、映画を1本ずつ購入して視聴するVODサービスは「オンデマンド」に該当しますが、定額料金で無制限に視聴できるサービスは「サブスクリプション」に分類されます。
また、英語の「サブスクリプション(subscription)」は、「subscribe」という動詞から派生した名詞で、署名、申し込み、購読といった意味を持っています。英語圏では、定額制サービスとしての「サブスクリプション」よりも、これらの意味合いで使われることが一般的です。しかし、日本では「サブスクリプション」が定額制サービスの意味で広く浸透しており、英語そのものが日本語に近い形で使われる例として挙げられます。
日本語化して使われる英単語については、その意味を理解するだけでなく、英語圏でどのように使われているのかも知っておくことが重要です。たとえば、英語圏で「subscription」を使う場合、その文脈によっては署名や購読、登録を意味することが多いため、必ずしも定額制サービスを指すわけではないということです。
このように、「サブスクリプション」と「オンデマンド」は、それぞれ異なる利用方法や課金モデルを持っています。どちらのサービスも現代の消費スタイルに深く関わっており、ユーザーのライフスタイルやニーズに応じて選択されることが多いです。消費者としては、これらの違いを理解し、自分に合ったサービスを選ぶことが重要です。英語がそのまま日本語に取り入れられるケースが増える中で、その意味や使い方を正確に理解することが、より良い消費活動やコミュニケーションに繋がるでしょう。