
ヒロシとエミリーは大学のカフェテリアで昼ごはんを食べながら、SNSやメッセージについて話している。エミリーが最近、日本語の新しい表現を聞いたと話し始める。
エミリー: ヒロシ、「既読スルー」って言葉、知ってる?ホストシスターが昨日教えてくれたんだけど、意味がよくわからなくて。
ヒロシ: ああ、知ってるよ!「既読スルー」は、LINEとかでメッセージを読むと「既読」ってマークがつくでしょ?でも、そのまま返事しないことを言うんだ。
エミリー: なるほどね。英語で言うと「leaving someone on read」みたいな感じかな?でも、それって結構大きな問題になるの?
ヒロシ: 日本だとね、返事が来ないと気にする人が多いかも。「なんで無視されたの?」とか「嫌われたかな?」って考えることもあるんだよ。
エミリー: へえ、面白い文化だね。アメリカでは、忙しいから返信が遅れることは普通だし、そこまで大きな問題にはならないかな。じゃあ、ヒロシは「既読スルー」されたら気になる?
ヒロシ: うーん、相手によるかな。大事な人だったら気になるけど、友達なら「後で返事くれるだろう」って思うようにしてる。エミリーはどう?
エミリー: 私もあんまり気にしないタイプかな。でも、大事なことを送ったのに返事が来なかったら、ちょっとモヤモヤするかも。あ、そういえば、英語圏でもLINEみたいな「既読」マークがつくアプリってある?
ヒロシ: それ気になる!英語圏の人も同じように「既読スルー」を気にするの?
エミリー: あるよ!例えば、iPhoneの「iMessage」では、メッセージを読むと「Read」って表示されるし、WhatsAppやFacebook Messengerも同じような既読機能がある。でも、英語圏の特徴として、ほとんどのアプリではその「既読」機能をオフにできるんだ。
ヒロシ: えっ、オフにできるの?LINEはできないから、それがプレッシャーになることもあるよね。
エミリー: そうだよね。WhatsAppでは、既読をオフにしたら相手も自分が読んだかどうかわからないから、お互いにフェアだよ。でも、どの国でも「返信が遅い」と少し心配になるのは同じかもね。
ヒロシ: なるほど。エミリーが言ってた「スルー」って、英語の「through」から来てるんだよね?これって本当に英語的に正しい使い方なのかな?
エミリー: うん、「through」から来てるのは間違いないけど、英語では「ignore」や「overlook」みたいな言葉を使うかな。「through」自体には「無視する」という意味はないんだよね。
ヒロシ: ええっ、そうなんだ!じゃあ「スルー」って日本語だけの表現なんだね。便利だから結構気に入ってるけど(笑)。
エミリー: そうだね。日本語の「スルー」には「通り過ぎる」ってニュアンスも残ってるし、柔らかい表現だから日常会話で使いやすいよね。でも、英語で「through」をそのまま使うとちょっと変に聞こえるから注意だよ。
ヒロシ: 了解!次に英語で「ignore」や「leaving someone on read」って表現を試してみるね。エミリー、教えてくれてありがとう!
エミリー: どういたしまして!ヒロシがどんどん英語上手くなっていくのを見るの、楽しいよ!
解説
「既読スルー」は、日本語独特の表現で、「既読」(読んだことを示すマーク)がついたのに返信がない状態を指します。この「スルー」は、英語の「through」から派生した和製英語ですが、英語では「through」をこのような意味では使いません。代わりに、英語では「ignore(無視する)」や「leaving someone on read(既読のまま放置する)」が適切な表現です。
英語の例文:
Through in English doesn’t mean “ignoring”; it’s used literally, like “passing through a tunnel.”
(英語の「through」は「無視する」という意味ではなく、「トンネルを通り抜ける」のように文字通り使われる。)
I sent her a message, but she left me on read.
(彼女にメッセージを送ったけど、既読スルーされた。)
If he ignored your message, maybe he’s just busy.
(彼が君のメッセージを無視したなら、ただ忙しいだけかもしれないよ。)
Sometimes people forget to reply, don’t take it personally.
(人は時々返信を忘れることがあるから、気にしないで。)
WhatsApp lets you turn off read receipts if you don’t want to feel pressured to reply.
(WhatsAppでは、返信するプレッシャーを感じたくないなら既読機能をオフにできる。)
「既読スルー」は和製英語として分類します。
理由として、「スルー」は英語の「through」から派生した言葉ですが、英語本来の意味である「通り抜ける」「貫通する」といったニュアンスから、日本語の中で独自に「無視する」「見過ごす」といった意味を持つようになりました。このように、英語と日本語の要素を合体させた言葉に見えるものの、実際には英語圏では成立しない表現であるため、「ハイブリッド語」ではなく「和製英語」として扱うのが適切です。
ハイブリッド語は、英語と日本語の要素が組み合わさり、両方の言語に基づいた意味で使われる場合に分類されます。例えば、「エモい(emotional)」や「マジレス(serious response)」のように、元の英語の意味をある程度保ちながら、日本語的に簡略化・変形されたものが該当します。一方で、「既読スルー」のように、英語の意味が日本語の中で大きく変容している場合は「和製英語」として整理されるべきと考えます。
カテゴリー:ハイブリッド語