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「手が焼ける」は火傷じゃない!?英語で伝える日本語表現

大学のサッカーサークルに所属しているヒロシ。新学期になり、新入生が何人か入ってきたが、中にはサッカー未経験の学生もいて、指導に苦労する日々。サークルは部活ほど厳しくないものの、最低限のルールやマナーは守ってほしい。そんなモヤモヤを、アメリカからの留学生エミリーに話してみた。


ヒロシ: 最近、新人にちょっと「手を焼いて」てさ。

エミリー: 手が焼ける?え、それって火傷するってこと?

ヒロシ: あはは、まあそう聞こえるよな。でも違うんだよ。「手を焼く」ってのは、日本語では「その人の対応が難しくて困ってる」って意味。

エミリー: あ、そうなんだ。じゃあ「My hand is burning!」とかは…違うよね(笑)

ヒロシ: 完全に意味変わるな。料理でもしてんのかって思われそう(笑)

エミリー: うん、英語に直訳すると全然伝わらないね。でも、英語で近い意味の表現はあるよ。たとえば、「He's a handful.」っていうのは、「手がかかる人」って意味になる。子どもとか新人とか、すごく世話が必要な人に使う感じ。

ヒロシ: へえ、それピッタリかも。

エミリー: あと、「I'm having a hard time dealing with him.」とか「She's hard to handle.」も似てると思うよ。

ヒロシ: たしかに、そっちのほうが意味も伝わりそうだな。

エミリー: うん、私も日本語を英語にするときは、一度その状況をイメージして、同じ意味になるような英語を探すようにしてる。直訳すると変になるし。

ヒロシ: なるほどね。文化とか言語の感覚の違いもあるし、イメージで捉えるって大事だな。

エミリー: でもさ、サークルってやっぱり楽しむのが一番じゃん?ちょっとぐらい手が焼けても、それも含めてサークルらしさかなって思うよ。

ヒロシ: たしかにね。ガチな部活じゃないし、楽しくやれる雰囲気は大事にしたいな。

解説

手を焼く(てをやく)」は、人や物事をうまくコントロールできずに困っているときに使う表現です。相手が言うことを聞かなかったり、状況が複雑でどうしていいかわからないとき、「手が焼ける」と言います。「扱いにくい」「面倒くさい」という感情が含まれています。

子ども、部下、初心者など、自分が世話をしたり導く立場の相手に対して使われることが多いです。

英語には「手を焼く・手が焼ける」にぴったり対応する単語はありませんが、場面に応じて以下のような表現が使えます。

He's a handful.
「handful」は直訳すると「手にひと握り分の量」ですが、比喩的に「手に負えない人・扱いにくい人」という意味になります。特に子どもや新入りなど、世話が必要な人に対して使います。

例文:My little brother is such a handful. He never listens!
 弟がほんと手がかかるんだ。全然言うこと聞かない!

I'm having a hard time dealing with her.
「deal with」は「〜に対応する・うまく処理する」という意味。相手が問題児だったり、言うことを聞かなかったりして苦労している様子を表します。

例文:I'm having a hard time dealing with the new member. She doesn't follow any instructions.
 新人メンバーに手を焼いてるんだ。全然指示を聞かないんだよね。

He's difficult to manage.
「manage(マネージする)」という単語を使って、「管理が難しい=手を焼く」というニュアンスを出します。特にリーダーや先輩など、指導する立場の人がよく使う表現です。

例文:Some of the new players are difficult to manage.
 新人の中には手のかかる子もいるよ。

She's hard to handle.
「handle」は「扱う、対処する」という意味で、「hard to handle」はまさに「手を焼く」に近い表現です。

例文:She’s talented but hard to handle.
 才能はあるけど、扱いが大変なんだ。

この表現を使うときは、相手を否定的に見る気持ちが含まれるので、トーンに注意するのもポイントです!

「手を焼く」を英語で説明する

What does "te o yaku" (手を焼く) mean in Japanese?
The Japanese expression "te o yaku" (literally: "to burn one's hands") is an idiom that means "to have a hard time dealing with someone or something". It describes a situation where someone or something is difficult to manage, troublesome, or causes constant effort and frustration. This phrase is often used when talking about people who don't listen, act unpredictably, or require a lot of attention, such as young children, new employees, or inexperienced team members.

The literal translation might sound confusing ("burning your hands"), but it is not about getting hurt — it's about struggling to handle someone or something properly.

日本語の「手を焼く(手が焼ける)」は、英語に直訳すると「手が火傷する」となりますが、実際には「うまく対応できずに困っている」「扱いづらくて苦労している」という意味の慣用表現です。特に、子どもや新人、コントロールしにくい人や状況について話すときによく使われます。


「手を焼く(手が焼ける)」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。


※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。

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