エミリー: 「ヒロシ、日本のハロウィンって盛り上がっているよね。でもね、なんか違和感があるの。アメリカではハロウィンって、もっと怖いおばけやモンスターがテーマなのに、日本ではアニメキャラとか、ハロウィンとは関係ない格好が多いわよね。」
ヒロシ: 「確かに、日本ではハロウィンが単なる仮装パーティーみたいな感じになっちゃってるよね。渋谷とかで大勢が集まって、わいわいやっているだけって感じだね。でも、エミリー、『仮装』って日本語を知ってる?『仮装』って、衣装などで変身することを意味してるんだ。」
エミリー: 「『仮装』っていうんだね。英語で言うと『costume』に近いわね。アメリカのハロウィンでも仮装をするけど、ほとんどが魔女やゾンビ、吸血鬼とか、怖いものがメインなのよ。日本では、もっと幅広いキャラクターが選ばれているみたいだけど、特にアニメやゲームのキャラが多いわよね。」
ヒロシ: 『costume』、コスチュームは日本語にもなってるな。コスプレとかね。アメリカのハロウィンは怖いおばけが中心らしいけど、日本だと何でもありな感じになってる。確かに、ちょっと違うよね。」
エミリー: 「そうなのよ。ハロウィンはアメリカでは子どもたちが『トリック・オア・トリート』をしながら、怖いおばけに仮装してお菓子をもらうのが伝統的だけど、日本ではそういう風景はあんまり見かけないわね。むしろ、大人が仮装して集まるイベントの方が盛り上がってる感じがする。」『costume』の使い方としては、『I wore a witch costume for Halloween.』
『私はハロウィンで魔女の仮装をしました』という感じかな。ハロウィンだと、魔女やゾンビが定番の仮装になるわね。」
ヒロシ: 「なるほど。日本の『仮装』と英語の『costume』は似てるんだね。他には?
エミリー: 「そうそう、『dressing up』というのも良いかもしれない。仮装するという行為自体を指すのよ。たとえば『Everyone is dressing up for the Halloween party.』は『みんながハロウィンパーティーのために仮装している』という意味になるわね。特定のキャラクターやテーマに合わせて服を着ることを指しているの。」
ヒロシ: 「なるほどね。じゃあ、アメリカではみんなが怖いキャラクターに仮装して『トリック・オア・トリート』をするけど、日本では仮装の幅が広がっているって感じなんだね。」
エミリー: 「そういうこと。だから、日本のハロウィンは、アメリカのハロウィンとは違う意味で面白いかもしれないけど、やっぱり最初はびっくりしたしたわ。」
ヒロシ:だろうね。 クリスマスだってもともとイエス・キリストの誕生日を祝う催しでしょ。それが、日本では、クリスチャンだろうとなかろうと、なんか恋人達のお祭り、あるいはクリスマスケーキを食べたり、プレゼントをあげたり、もらったりと、本来の意味は全く意識はしてないだろうね。ハロウィンもここ最近だよ盛り上がってきたのは。
解説
ハロウィンは、元々ケルト人の収穫祭「サウィン祭」が起源とされ、古代では秋の終わりと冬の始まり、そして死者の霊が現世に戻ってくると信じられていました。これがキリスト教の祭日に取り込まれ、現在のハロウィンに発展しました。特にアメリカでは、19世紀にアイルランドやスコットランドの移民によって伝えられ、現在のような「子どもたちが仮装してお菓子をもらうイベント」として広く定着しました。
アメリカのハロウィンでは、怖いおばけやモンスターに仮装するのが伝統的で、特に魔女、ゾンビ、吸血鬼といったキャラクターが人気です。また、家や庭を蜘蛛の巣やかぼちゃのランタン(ジャック・オー・ランタン)で装飾し、子どもたちは「トリック・オア・トリート」と言って近所の家を回り、お菓子をもらいます。この行事は家族や地域全体で楽しむものとしてアメリカ文化の重要な一部となっています。
一方、日本のハロウィンは比較的最近広がり始めた文化です。日本でハロウィンが定着したのは、主に商業的な理由からで、特にテーマパークやショッピングモールがイベントを開催し、仮装を楽しむことが中心となりました。日本のハロウィンでは、仮装のテーマが必ずしも「怖いもの」に限定されず、アニメや映画のキャラクター、ポップカルチャーの象徴など、幅広いキャラクターに仮装することが一般的です。特に大都市では、渋谷などの街頭で若者たちが集まり、様々な仮装をしてハロウィンを楽しむ光景が見られます。
このように、アメリカのハロウィンは「怖いもの」に焦点を当てた子どもたち中心のイベントですが、日本のハロウィンはコスプレ文化に影響され、大人も楽しむ仮装パーティとして発展しています。アメリカ人にとっては、日本のハロウィンが「怖さ」を前提にしない自由な仮装の場であることに驚くことが多いでしょう。
ハロウィンの本質的な違いは、文化や歴史的背景に由来しており、アメリカでは宗教的な要素がありながらも、現代では家族や地域が一体となって楽しむ行事として親しまれています。日本では、ハロウィンが商業的な側面で取り入れられ、大人たちが楽しむエンターテイメントイベントとしての側面が強調されています。このため、アメリカ人が日本のハロウィンに違和感を抱くこともあるでしょうが、両国それぞれのスタイルで独自のハロウィン文化を形成しています。
といっても、アメリカ人の2,30%の人はハロウィンには無関心であるというデーターもあります。
アメリカは多民族であり、他宗教でもあります。そういった理由から全ての人がハロウィンで盛り上がるというわけではないようです。