
エミリーは最近、新しい日本語の表現を覚えた。「狐につままれる」。意味も調べたし、使い方も確認した。ヒロシにぜひ使ってみたくてウズウズしていた。そして、ついにチャンスが訪れる!
エミリー: ねぇヒロシ、この前、レストランでハンバーグを注文したのに、なぜか店員が「お待たせしました、パスタです!」と言ってパスタを持ってきた。注文を間違えたのかと思ったけど、レシートを見たら確かにパスタと書かれている。自分は間違いなくハンバーグを頼んだはずなのに……。まるで「狐につままれる」ようだったわ。
ヒロシ: えっ!?エミリーが「狐につままれる」なんて言うの!
エミリー: 本に書いてあったから調べたわ。いつもヒロシに聞いてばかりだから。意味は「何が起こっているのかわからなくて、すごく不思議に感じること」だよね?
ヒロシ: うん、そうそう!使い方も合ってるし、すごいな。エミリー、その調子だったら、僕より日本語上手になっちゃうな・・・。
エミリー: えへへ、ありがとう!でも、「狐につままれる」ってちょっと面白い表現だよね?狐はわかるけど、どうして「つままれる」なの?
ヒロシ: いい質問だね!「つままれる」って、もともとは「つまむ」っていう動詞の受け身形なんだよ。
エミリー: 「つまむ」って、食べ物を指でつかむとかの「つまむ」?
ヒロシ: そうそう。でも昔の日本語では「つまむ」には「だます」とか「からかう」って意味もあったんだ。それで「狐につままれる」って言うと、「狐にだまされて訳がわからなくなる」っていう意味になるんだよ。
エミリー: なるほどね!じゃあ、「つままれる」は「だまされる」って感じなんだ。
ヒロシ: うん、そんな感じ。だから、「狐につままれる」は「狐にだまされたみたいに、不思議なことが起こって困惑する」って意味になるんだよ。
エミリー: へぇ~、面白い!英語には「つまむ」ってそういう意味の単語はないけど、「狐につままれる」に似た表現はあるよ!
ヒロシ: へぇ、どんなの?狐は出てこないと思うけど。
エミリー: そうね、英語だったら “I was completely baffled” って言うかな。「完全に困惑した」って意味ね。例えば、"When I saw the test questions, I was completely baffled. They made no sense at all!"(テストの問題を見たとき、完全に狐につままれた気分だった。全然意味が分からなかった!)みたいに使うわ。
ヒロシ: へぇ~、"baffled" っていうのか!
エミリー: そう!あと “It felt like something out of a dream” も似てるかな。「夢の中みたいだった」って意味で、現実とは思えないくらい不思議な感じがするときに使うよ。
ヒロシ: なるほど!確かに「狐につままれる」みたいなニュアンスあるね。エミリーの英語の説明、すごく分かりやすい!
エミリー: えへへ、日本語と英語の違いを考えるの楽しいね!
解説
「狐につままれる」は、日本の昔話や伝承に由来する表現で、狐が人をだまして混乱させるというイメージから生まれた。「何が起こっているのか理解できず、不思議に感じる」という意味がある。
ここで出てきた「つままれる」は、「つまむ」の受け身形。「つまむ」には「指でつかむ」以外に、「だます」や「からかう」という意味があり、昔の日本では狐が人をだますと信じられていたため、この表現ができた。
英語には直訳できる表現はないが、似たニュアンスの表現として "I was completely baffled"(完全に困惑する)や "It felt like something out of a dream"(夢の中みたいに感じる)が使える。
「狐につままれる」を英語で説明する
Kitsune ni tsumamareru(狐につままれる)
This phrase means to feel completely confused or unable to understand what is happening, as if one has been tricked by a fox. In Japanese folklore, foxes (kitsune) were believed to have magical powers and could deceive people.
日本語訳:「狐につままれる」は、何が起こっているのか全く理解できず、不思議な気持ちになることを表す言葉です。日本の昔話では、狐は人を化かす存在とされていたため、この表現が生まれました。