
大学のカフェテリア。エミリーはヒロシに昨日の出来事を話している。友達と駅で待ち合わせをしていたが、なかなか来なくて困ったという話をすると、ヒロシが「待ちぼうけ食っちゃったんだね」と言った。エミリーは「待ちぼうけ」という言葉に興味を持ち、その意味を詳しく知りたがっている。
エミリー: ねえヒロシ、昨日友達と駅で待ち合わせしてたんだけど、全然来なくてさ…。結局1時間くらい待っても連絡がなくて、帰っちゃったんだよね。そしたらヒロシ、「待ちぼうけ食っちゃったんだね」って言ったでしょ?「待つ」は分かるけど、「ぼうけ」って何?なんか聞き慣れない感じがする。
ヒロシ: あー、そうか。「待ちぼうけ」って、あんまり日常会話で使わないかもね。でも、意味は簡単だよ。「待つ」は分かるよね?
エミリー: うん、それはもちろん分かる。誰かを待つ、の「待つ」でしょ?
ヒロシ: そうそう。「ぼうけ」はね、実は「惚ける(ぼける)」と関係があるんだ。ほら、お年寄りが物忘れしちゃうことを「ボケる」って言うじゃん?
エミリー: あー、「ボケる」って言葉は聞いたことある!でも、それと「待つ」ってどう繋がるの?
ヒロシ: 「ぼうけ」の「ぼう」は、実は昔の言葉で、「ぼんやりする」とか「無駄に時間を過ごす」って意味なんだよ。つまり、「待ちぼうけ」は「待っているうちに、ぼんやりしてしまうこと」って感じの意味になるんだ。
エミリー: なるほど!つまり、待ち続けて何もできずに時間が過ぎることを言うのね。
ヒロシ: そうそう。それだけじゃなくて、「待ちぼうけ」にはちょっと「期待していたのに無駄になった」というニュアンスもあるんだ。
エミリー: えー、じゃあ、昨日の私はまさに「待ちぼうけ」を食らったってことね!
ヒロシ: そういうこと!昔、「待ちぼうけ」っていう有名な童謡もあるんだよ。農民が木の下でうさぎがぶつかるのを待ち続けるっていう話でね。
エミリー: へえ、面白そう!でも、そう考えると「待ちぼうけ」ってちょっと寂しい感じの言葉だね。
ヒロシ: うん、期待して待ってたのに何も得られなかった、っていうちょっと残念な気持ちが込められてるかもね。
エミリー: 英語だと、「wait in vain(無駄に待つ)」とか「left hanging(宙ぶらりんにされる)」が近いかな。でも、「待ちぼうけ」ほど詩的じゃないかも。
ヒロシ: へえ、「left hanging」って面白いね!文字通りだと「宙吊りにされる」みたいだけど、会話では「いつまでも待たされる」って意味になるのか。
エミリー: そうそう!例えば、「He left me hanging for an hour.(彼は私を1時間も待たせた)」って感じで使うよ。
ヒロシ: それ、めっちゃ使えそう!「昨日、待ちぼうけ食らっちゃったよ」って言いたいときは、「I was left hanging yesterday.」って言えばいいの?
エミリー: うん、そんな感じ!でも、もう少し強調したいなら、「I waited in vain for an hour.(1時間も無駄に待った)」のほうがピッタリかも。
ヒロシ: なるほど!「in vain」って「無駄に」って意味だよね?
エミリー: そうそう!「All my efforts were in vain.(私の努力はすべて無駄だった)」みたいに使えるよ。
ヒロシ: いやー、勉強になった!エミリーの英語の説明、分かりやすいな。
エミリー: えへへ、ありがとう!じゃあ、私は今日から「待ちぼうけ」を日本語で使ってみるね!
ヒロシ: いいね!使う機会がないほうがいいけどね(笑)。
解説
- 「待ちぼうけ」 → "wait in vain" / "left hanging"
- 例文: I waited in vain for an hour.(1時間も無駄に待った)
- 例文: He left me hanging for an hour.(彼は私を1時間も待たせた)
- 「in vain」=「無駄に」
- 例文: All my efforts were in vain.(私の努力はすべて無駄だった)
- 「left hanging」=「宙ぶらりんにされる、待たされる」
- 例文: I hate being left hanging without an answer.(返事もなく待たされるのは嫌だ)
「待ちぼうけ」は詩的な表現で、単に「待つ」だけではなく、「期待して待ったのに無駄になった」というニュアンスを含むのが特徴です。英語でも「wait in vain」や「left hanging」など似た表現がありますが、日本語の持つ哀愁や情緒は、英語では完全には再現しにくいですね。
「まちぼうけ」を英語で説明する
Machi-bouke (まちぼうけ) – A Japanese Word for Waiting in Vain
What does "machi-bouke" mean?
"Machi-bouke" (待ちぼうけ) is a Japanese word that describes the situation of waiting for something or someone that never arrives, often leading to a sense of disappointment or wasted time. It combines "machi" (待ち), meaning "waiting," and "bouke" (ぼうけ), which originates from an old Japanese word meaning "to be idle" or "to spend time in vain."
Where does it come from?
The term "machi-bouke" became widely known through a famous Japanese children's song and folktale. In the story, a farmer sees a rabbit accidentally crash into a tree and decides to wait at the same spot every day, hoping for another rabbit to do the same. However, no other rabbit ever appears, and he is left waiting in vain. This tale symbolizes unrealistic expectations and the futility of waiting for luck to strike twice.
How is "machi-bouke" used?
In modern conversation, "machi-bouke" is not commonly used in casual speech, but it can describe situations where someone waits for something that never happens. For example, if you wait for a friend who never shows up, you might say:
"Kinou, tomodachi wo matte machi-bouke wo kutta." (昨日、友達を待って待ちぼうけを食った。) – "Yesterday, I waited for my friend but ended up waiting in vain."
Similar expressions in English:
While there is no exact English equivalent, similar phrases include:
- "Wait in vain" – To wait for something that never happens.
- Example: I waited in vain for him to call me back.
- "Be left hanging" – To be left in an uncertain or unresolved state.
- Example: She left me hanging without a reply.
If you ever find yourself in a "machi-bouke" situation in Japan, you now have the perfect word to describe it!
まちぼうけ(待ちぼうけ)– 日本語の「無駄に待つ」を表す言葉
「待ちぼうけ」とは?
「待ちぼうけ(まちぼうけ)」とは、何かや誰かを待っていたのに、結局来ずに無駄に時間を過ごしてしまうことを意味します。「待ち」(machi) は「待つ」という動詞の名詞形で、「ぼうけ」は古い日本語で「ぼんやりする」「無駄に過ごす」といった意味があります。この二つが合わさって、「待っているうちに何も起こらず、時間が無駄になる」状態を表します。
語源は?
「待ちぼうけ」という言葉は、日本の有名な童謡(どうよう)や昔話から広まりました。昔話では、農民が偶然木にぶつかって死んだウサギを見つけ、それを機に毎日同じ場所で次のウサギがぶつかるのを待ち続けます。しかし、そんなことは二度と起こらず、結局彼は「待ちぼうけ」を食らうことになります。この話は、「幸運をただ待つことの無意味さ」を象徴しています。
現代の使い方
「待ちぼうけ」は、日常会話ではあまり使われませんが、何かを期待して待っていたのに無駄になった時に使われます。例えば、友達と約束していたのに来なかった場合、こんな風に言えます。
「昨日、友達を待って待ちぼうけを食った。」(Kinou, tomodachi wo matte machi-bouke wo kutta.)
英語での類似表現:
「待ちぼうけ」にピッタリの英語はありませんが、似た表現として次のようなものがあります。
- 「Wait in vain」 – 無駄に待つ
- 例: I waited in vain for him to call me back.(彼からの電話を無駄に待ってしまった。)
- 「Be left hanging」 – 宙ぶらりんにされる、放置される
- 例: She left me hanging without a reply.(彼女は返事をくれずに放置した。)
もし日本で「待ちぼうけ」状態になったら、この言葉を使ってみてくださいね!
「待ちぼうけ」はJLPT(日本語能力試験) N1レベルの言葉です。