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「世間知らず」は英語でなんていう:社会の仕組みと人間関係

ヒロシの中学生の従兄弟が家に遊びに来た。思春期真っ只中の彼は、最近ニュースや社会のことに興味を持ち始めたらしい。しかし、その知識はまだ浅く、まるで世の中のすべてを知っているかのように語る姿に、ヒロシは少しイライラしてしまった。後日、その話をエミリーにこぼす。


ヒロシ: この前さ、中学生の従兄弟が家に遊びに来たんだけど、めちゃくちゃ偉そうだったんだよ。

エミリー: 偉そう?どういうこと?

ヒロシ: なんか急にニュースとか政治とかに興味を持ち始めたらしくてさ。「今の経済はこうあるべきだ」とか「政治家はみんなダメだ」とか、まぁ、偉そうに語るんだよ。でもさ、まだ中学生だし、バイトもしたことないし、税金も払ったことないくせに。

エミリー: ああ、なんかわかる!ちょっと知識をつけると、自分がすごく賢いって思っちゃうやつね。

ヒロシ: そうそう。「俺は世の中を理解してる」みたいな感じでさ。でも、まだまだ「世間知らず」なのに。

エミリー: 「世間知らず」って英語でどう言えばいいかな?

ヒロシ: うーん、「世間」っていうのは単に「世界」って意味じゃなくて、社会の仕組みとか、人間関係のことも含んでるんだよね。ただ情報を知ってるだけじゃなくて、実際に経験して学ぶものというか。

エミリー: そうだね。でもさ、世間って単に「現実世界(real world)」って訳すだけじゃなくて、いくつか種類がある気がするな。

ヒロシ: え?どういうこと?

エミリー: 例えば、「社会の仕組みや経済を理解する」っていう意味の世間もあるし、「人間関係の常識をわきまえる」っていう意味の世間もあるよね。あと、「世間体を気にする」みたいに、他人の目を意識する意味の世間もあるし。

ヒロシ: 確かに!「世間知らず」って言っても、「社会の仕組みを知らない」と「人間関係がわかってない」とじゃ、ちょっと意味が違うな。

エミリー: そうそう。だから英語にするときも、状況に応じて違う表現を使うべきかもね。例えば、「社会の仕組みを知らない」なら "He doesn’t understand how society works." とか、「人間関係がわかってない」なら "He is clueless about social norms." みたいに。

ヒロシ: なるほどな。英語のほうが、どの意味の「世間」を指してるかハッキリさせないと伝わらないのか。

エミリー: そうだね。まあ、従兄弟くんも今はイキってるけど、そのうち恥ずかしくなるんじゃない?

ヒロシ: うん、数年後に自分の発言を振り返って赤面するタイプだな、あいつは。

エミリー: でもさ、ヒロシもまだまだ「世間知らず」なところあると思うよ?

ヒロシ: えっ!?俺!?

エミリー: だって、バイトはしてるけど、社会人経験はないし、親がしてくれてることも多いでしょ?もしかしたら、ヒロシも「俺はもう世間を知ってる」って思ってるけど、実はまだ知らないこといっぱいあるかもよ?

ヒロシ: …なんかグサッときたな。

エミリー: まあ、お互いまだまだってことだね!気をつけよ!

ヒロシ: はいはい、了解。

解説

今回の会話では、「世間知らず」という言葉の意味や、それを英語でどう表現するかについて話しました。ヒロシは中学生の従兄弟が「世の中をわかっているつもりで偉そうにしていた」ことにイライラしていましたが、エミリーとの会話の中で、「世間」という言葉自体が色々な意味を持つことに気づきます。

「世間知らず」は単に「知らない」だけでなく、社会経験が不足していることを指しますが、「世間」にはいくつかの異なる側面があります。

  1. 社会の仕組みを知らない世間知らず
    • 経済や政治、仕事などの仕組みを理解していない状態。
    • 英語の表現例
      • "He doesn’t understand how society works."(彼は社会の仕組みを理解していない。)
      • "He lacks real-world experience."(彼は社会経験が足りない。)
  2. 人間関係の常識をわかっていない世間知らず
    • 人との接し方やマナー、礼儀を理解していない状態。
    • 英語の表現例
      • "He is clueless about social norms."(彼は社会の常識をまったく知らない。)
      • "She is inexperienced in social interactions."(彼女は人付き合いの経験が浅い。)
  3. 世間体(他人の目)を意識しない世間知らず
    • 一般的な価値観や他人の視線を気にしない状態。
    • 英語の表現例
      • "He doesn’t care about what others think."(彼は他人がどう思うか気にしない。)
      • "She is unaware of social expectations."(彼女は社会的な期待を理解していない。)

このように、「世間知らず」は状況によって異なる意味を持ち、英語ではそのニュアンスを明確にする必要があります。

また、エミリーは最後に「ヒロシ自身もまだ世間知らずな部分があるのでは?」と指摘しました。ヒロシはバイトの経験はあっても、社会人としての経験はないため、「自分はもう世間を知っている」と思い込むのも危険だということです。このように、「世間知らず」は若者だけでなく、誰にでも当てはまる可能性がある言葉だとわかります。

「世間知らず」を英語で説明する

  • Sekenshirazu(世間知らず): This term describes someone who lacks understanding of how society works due to inexperience. It implies not only a lack of knowledge but also a lack of real-world experience, social awareness, and common sense. It is often used for young or sheltered individuals who believe they know more than they actually do.

日本語訳: 「世間知らず」は、社会の仕組みや人間関係の現実を理解していない人を指す。単に知識がないだけでなく、実際の経験が不足していることも含まれる。特に、若くて保護された環境で育った人や、自分が知っているつもりで実は理解が足りていない人に使われる。

「世間知らず」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。

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