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建前?本音?どっちなの:心の中を知る英語フレーズ
建前・本音は英語でどう表現するでしょう。

ヒロシ:多分エミリーはもう聞いたことがあると思うんだけど、この言葉知ってる?

エミリー:今日は早速質問ね。どうぞ。

ヒロシ:いくよ。ある人の会話です。 「それは建前はそうだけど、本音じゃないな。あの人の言っていることは違うと思うよ」って感じの会話。 

エミリー:建前」と「本音」ね。日本独特の言葉ね。でも、聞いたことあるわ。

ヒロシ:さすがエミリー、意味はわかるの?

エミリー:私の知っている限りでは、「建前」と「本音」の意味は、表面上の意見や公式な立場を示す「建前」と、自分の本当の気持ちや考えを示す「本音」っていう感じね。例えば、仕事の場では「建前」で話すことが多いけど、友達同士だと「本音」が出やすい。そういう場面で使われることが多いんじゃないかしら?

ヒロシ:そうそう、まさにその通りだよ!日本では、時と場所によって自分の本音を隠して建前で話すことが多いんだ。例えば、会議とかで本当は反対だけど、「まあ、いいですね」って建前で賛成することもあるんだよ。

エミリー:なるほどね。それって英語に直すと少し難しいわね。英語では「建前」と「本音」のように、はっきりした二つの言葉はないけど、"what you say versus what you really think" とか、"public stance versus true feelings" みたいな感じで説明できるわ。

エミリー:例文をあげるとこんな感じ。

  1. 建前: "out of politeness"(礼儀として)
    • politeness は「礼儀」や「丁寧さ」という意味で、人との関係をスムーズに保つために使う行動や言葉を表すわ。
      本音: "deep down"(内心では)
    • deep down は「心の奥底では」「内心では」という意味。表面には出さない本音を指すわ。
      例文: "He's smiling out of politeness, but deep down he's not happy."
      (彼は建前で笑っているけど、本音は不満そうだ。)
  2. 建前: "just for the sake of politeness"(礼儀のために)
    • sake of politeness も「礼儀のため」という意味で、表面的に礼儀正しくすることを指すわ。
      本音: "what they really think"(本当はこう思っている)
    • what they really think は「彼らが本当に考えていること」を表す、つまり本音の部分ね。
      例文: "In meetings, people often agree just for the sake of politeness, but what they really think is different."
      (会議では、建前で賛成する人が多いけど、本音は違っていることが多い。)
  3. 建前: "public stance"(公式な立場)
    • public stance は「公式な立場」「公に見せている姿勢」という意味。外向きに見せる考えや意見を指すわ。
      本音: "privately"(内心では)
    • privately は「個人的に」「内心では」という意味で、他人には見せない本音を表すわね。
      例文: "Her public stance is that she supports the decision, but privately, she disagrees."
      (彼女は建前ではその決定を支持していると言っているけど、本音では反対している。)
  4. 建前: "out of courtesy"(礼儀として)
    • courtesy は「礼儀」「丁寧さ」を意味し、相手への配慮や敬意から行う行動を指すわ。
      本音: "what you really feel"(本当の気持ち)
    • what you really feel は「あなたが本当に感じていること」、つまり心の中の本音を表すわ。
      例文: "It's common to say something just out of courtesy, but what matters is what you really feel."
      (建前で何かを言うことはよくあるけど、本当に大事なのは本音だよね。)
  5. 建前: "polite facade"(礼儀正しい表情)
    • facade は「表面」「外見」を意味していて、ここでは本当の感情を隠して見せている礼儀正しい顔や態度を指すわ。
      本音: "what someone really thinks"(本当の考え)
    • what someone really thinks は「その人が本当に考えていること」、つまり隠された本音ね。
      例文: "Sometimes, it's hard to tell what someone really thinks when they're just giving you their polite facade."
      (時々、建前だけを見せられると、その人が本音で何を考えているのか分かりにくいことがあるよね。)

ヒロシ:すごいね、エミリー。日本語の建前と本音のニュアンスは様々な言い方で表現することができるんだね。

エミリー:そうそう、建前と本音の意味が今回はある程度わかっていたから、英語に表現した場合にどうなるかやりやすかったわ。

ヒロシ:そうだよね。僕は日本人だから建前、本音のニュアンスはわかる。だけどそれに該当する英語は何?って考えてしまうんだ。 建前と本音に限らずね。

解説

「建前 (tatemae)」
意味: 表面上の意見や公式な立場を指し、主に礼儀や周囲との調和を保つために使われる言葉や態度。日本では、社会的な状況や他人との関係性を重視する文化の中で、円滑なコミュニケーションを取るために「建前」を使うことが多いです。
英語表現:

  • “out of politeness”(礼儀として)
  • “just for the sake of politeness”(礼儀のために)
  • “public stance”(公式な立場)
  • “polite facade”(礼儀正しい表情)
    例文:
  • “He's smiling out of politeness, but deep down he's not happy.”
    (彼は建前で笑っているけど、本音は不満そうだ。)
  • “Her public stance is that she supports the decision, but privately, she disagrees.”
    (彼女は建前ではその決定を支持していると言っているけど、本音では反対している。)

「本音 (honne)」
意味: 隠していたが実際に思っている気持ちや意見を指し、主に親しい人やカジュアルな場面で表現されることが多いです。「本音」は相手にどう伝わるかよりも、自分の内心を率直に伝えることを重視します。
英語表現:

  • “what you really think”(本当はこう思っている)
  • “what you really feel”(本当の気持ち)
  • “deep down”(内心では)
  • “privately”(内心では、個人的に)
    例文:
  • “What I really think is that this plan is too difficult to achieve.”
    (本音を言うと、この計画は達成するのが難しすぎると思います。)
  • “Deep down, I know this is not what I want.”
    (本音では、これが自分が望んでいることではないと分かっている。)

「建前」と「本音」の違い

  • 建前: 表面的な意見や立場を指し、他人との関係や礼儀を重視するために使われる言葉や行動。
  • 本音: 内心の本当の気持ちや考えを指し、親しい関係やカジュアルな場面で表現されやすい。
  • 文脈:
    • 「建前」は公式の場や礼儀を必要とする場面(仕事の会議、初対面の場)で使われる。
    • 「本音」はカジュアルな会話や信頼関係がある場面で使われることが多い。

日本文化における「建前」と「本音」の重要性

「建前」と「本音」は、日本独特のコミュニケーション文化を象徴する概念です。日本では、人間関係の調和を重視するため、表面的な「建前」を使うことで摩擦を避けたり、場の空気を壊さないようにすることがよくあります。しかし、親しい友人や信頼できる人と話す場面では「本音」を伝えることで、相手との関係を深めることができます。


英語で表現する際のポイント

英語では「建前」や「本音」に完全に一致する単語はありませんが、状況に応じて適切なフレーズを使い分けることで、日本語のニュアンスを伝えることができます。上記のような表現を覚えると、自然な英語で「建前」と「本音」を説明できるようになります。

参考:「本心」と「本音」意味の違いを英語で説明するのは

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