
6月の終わり、ジメジメした空気とともに本格的な夏が近づいている。大学のサッカーサークルで練習を終えたヒロシは、汗をかいたまま急いで授業へ向かう。そのときふと、「自分って今、汗臭くないかな…?」と気になった。教室で隣に座っていたエミリーに、こっそり聞いてみることにした。
ヒロシ: 今日もめっちゃ汗かいた…。夏が近いから、練習のあと汗びっしょりになるんだよ。
エミリー: うん、今日はほんとに蒸し暑いよね。おつかれ!
ヒロシ: ありがとう。でもさ、このまま着替えて授業に行くと、汗臭いんじゃないかってちょっと心配なんだよね。
エミリー: あ〜、でも運動のあとならしょうがないよ。そんなに気にしなくていいんじゃない?
ヒロシ: 一応気をつかって、スプレーとかちゃんとつけてるんだ。無香料のやつ。
エミリー: えらいね!それなら全然におわないよ。気になったことないし。
ヒロシ: ほんと?よかった〜。あ、そうだ。英語で「汗臭い」ってなんて言うの?
エミリー: うーん、いくつかあるけど、一番カジュアルなのは “smell sweaty” かな。「汗っぽいにおいがする」って感じ。
ヒロシ: やっぱ “sweat” 使うんだね。
エミリー: そうそう。でもちょっとネガティブに言いたいなら “have body odor” って言うよ。これは汗だけじゃなくて、体から出るにおい全体のこと。
ヒロシ: なるほどね。じゃあ、もっと強く言うと?
エミリー: “reek of sweat” とかかな。これは「すごく汗臭い」って意味で、ちょっときつい言い方。文句言うときとか、ジョークで使う感じ。
ヒロシ: “reek” 覚えとくわ。てか、やっぱ日本の夏ってつらくない?
エミリー: うん…。ミネソタの夏は暑いけど、乾いてるの。日本は humid で、汗が全然ひかないからしんどいかも。
ヒロシ: だよなー。蒸し暑さがほんときつい…。
解説
汗臭い(asekusai )
「汗臭い」は、汗をかいたあとの体や服から出る不快なにおいを表します。英語ではにおいの強さや状況によって複数の表現があります。
smell sweaty
▶「汗っぽいにおいがする」
軽い汗のにおいに対して使うカジュアルな表現。
- 例文:
He smells sweaty after playing basketball.
バスケのあと、彼は汗っぽいにおいがする。
have body odor
▶「体臭がある(汗など体からのにおい)」
ややネガティブ。デオドラントの話題などでよく使う。
- 例文:
Some people are sensitive about having body odor.
体臭を気にする人もいる。
reek of sweat
▶「汗くさい(非常に不快なにおい)」
強い悪臭を表す。文句・ジョークの場面で使うことが多い。
- 例文:
The locker room reeked of sweat after the game.
試合のあと、ロッカールームは汗臭くてたまらなかった。
odor とは?
odor は、汗だけでなく体臭・食べ物・動物・化学物質など、あらゆる悪臭に使えるフォーマルな語。
- 例文:
There was a strange odor coming from the kitchen.
台所から変なにおいがしていた。 - 人体:body odor
- 食べ物:a foul odor, rotten odor
- 動物:the odor of a wet dog
- 化学物質:chemical odor
- 湿気・カビ:musty odor
smellとの違い:
単語 | 意味 | ニュアンス |
---|---|---|
smell | におい(全般) | カジュアル、良い・悪い両方に使える |
odor | におい(主に悪い) | フォーマル、ややネガティブ |
scent / fragrance | よい香り | ポジティブ・詩的な表現 |
「汗臭い」を英語で説明する
「汗臭い(asekusai)」 is a Japanese word that describes an unpleasant smell caused by sweat. It’s often used when someone’s body or clothes smell strongly of sweat—like after exercise or on a hot, humid day.
「汗臭い(あせくさい)」は、汗によって生じる不快なにおいを表す日本語です。運動のあとや、暑くて湿気の多い日に、体や服が強く汗のにおいを放っているときによく使います。
The word is made of:
この言葉は次の2つからできています:
- 汗(ase)= sweat
- 臭い(kusai)= smelly, stinky
It’s stronger than just “smelling sweaty” and can be mildly negative or embarrassing, depending on context.
これは単に「汗っぽいにおいがする」より強く、文脈によっては少しネガティブだったり、恥ずかしいと感じる場合もあります。
In English, depending on how strong the smell is, you might say:
- “He smells sweaty.”(軽い表現)
- “He has body odor.”(少し否定的)
- “He reeks of sweat.”(強くて不快なにおい)
Example:
彼はサッカーの練習のあと、汗臭かった。
He smelled sweaty after soccer practice.
「汗臭い(asekusai)」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。
※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。
補足:「汗っかき」は英語でどう言う?
「汗っかき」は、普通の人よりも汗をたくさんかく体質や性格の人を指す日本語です。英語にはこれにピッタリ対応する単語はありませんが、以下のような言い方で自然に表現できます。
sweat a lot
▶「たくさん汗をかく」
もっともシンプルで自然な表現です。
例文:
I sweat a lot, even when it’s not that hot.
そんなに暑くなくても、私はすごく汗をかく。
a heavy sweater
▶「汗をかきやすい人」
「sweater」はここでは服ではなく「sweat(汗をかく)する人」という意味の名詞です。口語的な言い方です。
例文:
He’s a heavy sweater, so he always carries a towel.
彼は汗っかきだから、いつもタオルを持ち歩いている。
sweats easily
▶「汗をかきやすい」
軽い汗っかきのニュアンスで、体質や状況をやわらかく表現できます。
例文:
She sweats easily, especially in humid weather.
彼女は湿気の多いときに特に汗をかきやすい。
I tend to sweat a lot
▶「私は汗をかく傾向がある」
「tend to ~」は「よく〜する」「〜しやすい」という意味。会話でよく使われます。
例文:
I tend to sweat a lot when I’m nervous.
緊張すると汗をかきやすいんだ。
I’m prone to sweating
▶「私は汗をかきやすい体質です」
「be prone to ~」は「〜しやすい」「〜になりがち」という意味で、体質やくせを説明するのに使われます。ややフォーマルな表現です。
例文:
I’m prone to sweating, especially in summer.
私は夏になると特に汗をかきやすいです。
tend to と prone to の違い
表現 意味 ニュアンス
tend to ~する傾向がある よくあること、カジュアルな会話で使いやすい
be prone to ~しやすい体質・くせがある 少しかたい印象、医学的・客観的に使われやすい