
エミリーは最近、友人関係のトラブルで悩んでいた。仲のいい二人の友人が喧嘩をしていて、それぞれがエミリーに自分の意見を聞かせようとする。しかし、どちらの言い分も一理あり、エミリーとしてはどちらの味方にもなれない。さらに、二人ともエミリーが相手と仲良くしていることをよく思っていない様子だ。どうしたらいいかわからず、エミリーはヒロシに相談することにした。
エミリー: ねえ、ヒロシ……ちょっと相談してもいい?
ヒロシ: もちろん、どうした?
エミリー: 実は、友達同士が喧嘩してて、私がその間に挟まれちゃってるんだよね。どっちも私に話を聞いてほしいみたいなんだけど、話を聞いても「どっちもどっち」って感じで……。
ヒロシ: うわ、それは大変そう……。エミリーはどっちの味方にもなりたくないのに、巻き込まれてるんだな。
エミリー: そうなの!しかも、二人とも私が相手とも仲良くしてるのが気に入らないみたい。どっちかを選べって感じになってて……すごく困ってるよ。
ヒロシ: それ、日本ではまさに、「板挟み」っていう状況だな。
エミリー: 板挟み?それってどういう意味?
ヒロシ: 文字通りに言うと、「板で挟まれる」っていうこと。例えば、二枚の板の間に何かが挟まれて動けないイメージかな。つまり、両側からプレッシャーを受けて、身動きが取れない状況のことを言うんだ。今のエミリーの状況にぴったりだよ。
エミリー: なるほどね!確かにそんな感じ。どっちも私に「こっちの味方になって!」って言ってくるけど、私はどっちの味方にもなれないし、どっちも大事な友達だから辛いんだよね……。
ヒロシ: そうだよなぁ。どっちかを選べって言われるのはきついよな。英語にも「板挟み」みたいな表現あるの?
エミリー: うん、いくつかあるよ。一つは "caught in the middle" っていうの。これは「真ん中に捕まる」っていう意味で、まさに今の私の状況と同じだよ。
ヒロシ: おお、それはわかりやすい!
エミリー: あとは "stuck between a rock and a hard place" っていう表現もあるよ。「岩と硬い場所の間に挟まって動けない」っていう意味で、どっちを選んでも辛い状況のことを言うんだ。
ヒロシ: それもいいな。「板挟み」と似てるけど、どっちを選んでも辛いっていうニュアンスが強い感じだね。
エミリー: そうそう。でも、どっちの表現を使っても、私が大変なのは変わらないんだけどね……。
ヒロシ: うん、確かに。でも、少しでも楽になる方法を考えたほうがいいよ。例えば、「私はどちらの味方にもならないよ」って最初にはっきり伝えたらどう?
エミリー: それができたらいいんだけど……。
ヒロシ: じゃあ、「どっちも大事な友達だから、私は中立でいたい」って伝えるのは?それなら、どっちの立場も尊重しつつ、巻き込まれないようにできるかも。
エミリー: うん、それなら言えそう!「中立でいたい」ってはっきり言えば、少しは楽になるかもしれないね。
ヒロシ: そうそう。あとは、二人が冷静になったら改めて話してみるのもいいかもね。時間が経てば、お互い落ち着いてくるかもしれないし。
エミリー: そうだね!ありがとう、ヒロシ。少し気持ちが楽になったよ。
ヒロシ: それならよかった!無理しすぎず、うまく距離をとってみてね。
解説
今回の会話では「板挟み」という日本語表現について話しました。「板挟み」は、二つの相反する立場の間に挟まれて、身動きが取れなくなる状況を指します。エミリーのように、友人同士の対立に巻き込まれてしまうときにも使えます。
例文 1:
会社で上司と同僚の意見が対立してしまい、私は板挟みになってしまった。
(I got caught between my boss and my coworker when their opinions clashed.)
例文 2:
両親が私の進学先について意見が合わず、私は完全に板挟み状態だ。
(My parents disagree about where I should go to college, and I’m completely stuck in the middle.)
英語では "caught in the middle" や "stuck between a rock and a hard place" という表現が似ていますが、後者の表現は「どちらを選んでも辛い」というニュアンスが強い点が異なります。
また、この状況を解決するために、ヒロシは「中立でいたい」とはっきり伝えることや、時間をおいて冷静になるのを待つことを提案しました。こうした方法を取ることで、余計なストレスを減らし、友人関係を維持しやすくなります。
「板挟み」を英語で説明する
Itabashimi (板挟み) – This Japanese term refers to a situation where a person is caught between two conflicting sides, unable to move or take action. It is often used when someone is stuck between two opposing demands or expectations, such as being forced to choose between two friends who are in conflict.
日本語訳: 板挟みとは、二つの対立する立場の間に挟まれて、身動きが取れなくなる状況を指します。友人同士の対立に巻き込まれるときなどに使われます。
取り上げられた言葉は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。