
ヒロシは大学のラウンジで友人と談笑していた。エミリーが偶然そこを通りかかり、彼の話に耳を傾ける。どうやら最近のサークル活動でヒロシが中心になって企画を成功させたらしい。
ヒロシ: 「手前味噌」だけど、あのイベント、ほとんど俺が仕切ったんだよね。
エミリー: てまえみそ?それって何?食べ物?
ヒロシ: ああ、そう思うよね。実際、昔は味噌を自分の家で作ってたから、「うちの味噌が一番だ」って自慢する感じの言い方だったんだって。
エミリー: へえ、面白い!じゃあ、それって「自分のことをちょっと自慢する」って意味?
ヒロシ: そうそう。でもあくまで、ちょっとだけ謙遜してる感じも含まれてるんだよ。「自慢するけど、すみませんね」みたいな。
エミリー: なるほど。この前の「手柄」を自慢しないのとちょっと違うのね。英語だと、"not to brag, but..."とか、"I don't mean to boast, but..."って感じかな。
ヒロシ: へぇ、そんな感じになるんだ。そう言うと、あとで言い訳できる感じがあるのかな。(笑)
エミリー: でもそれ、日本の文化っぽいね。はっきり自信を出さないっていうか。
ヒロシ: そうだね。完全に自慢するのはちょっと嫌われる風潮あるかも。
エミリー: 面白いね。じゃあ、「手前味噌ですが〜」って言えば、自慢っぽく聞こえない?
ヒロシ: うん、聞こえづらくなる。だから社会人の会話とかでよく使うと思うよ。
エミリー: わたしも今度使ってみたいな。"手前味噌ですが、今学期は全教科Aでした!" とか?
ヒロシ: おお、すごい!それは完全に自慢していいやつ(笑)
解説・「手前味噌」という言葉について
「手前味噌」とは、「自分で自分をほめるようなことを言うが、控えめに言っている」というニュアンスのある言葉です。もともとは、自家製の味噌を「うちのが一番おいしい」と褒めることに由来します。
現在では、「手前味噌ですが〜」「手前味噌ながら〜」という形で使われ、特にビジネスやフォーマルな場面で、自分の成果や行動を話すときの前置きとして用いられます。謙遜を装いながらも、実質的には自慢である、という文化的な背景があります。
例文:
- Not to brag, but I led the entire project myself. (手前味噌ですが、プロジェクト全体を自分がリードしました。)
- I don’t mean to boast, but our team really pulled it off thanks to my planning. (手前味噌ながら、私の企画でチームがうまくいったんです。)
ここで使われている “brag” は「自慢する」、"boast" は「誇らしげに語る」といったニュアンスがあります。いずれも「手前味噌」の英訳として使われますが、"boast" の方がややフォーマルで、書き言葉でもよく用いられます。"Not to brag" はカジュアルな場面、"I don't mean to boast" は丁寧な言い回しとして覚えるとよいでしょう。
「手前味噌」を英語で説明する
"Temae miso" is a Japanese phrase used when someone praises themselves with a sense of modesty. It literally means "one’s own miso (paste)," referring to a time when families made homemade miso and would boast about their own being the best. Today, it serves as a humble preface to self-praise, similar to saying "Not to brag, but..." or "I don’t mean to boast, but..." in English.
「手前味噌」とは、控えめに自分のことをほめるときに使う日本語の表現です。直訳すると「自分の家の味噌」という意味で、かつて家ごとに味噌を仕込んでいた時代に「うちのが一番おいしい」と自慢していたことに由来します。現代では、英語の "Not to brag, but..." や "I don't mean to boast, but..." に相当します。
「手前味噌」を英語で説明する
"Temae miso" is a Japanese phrase used when someone praises themselves with a sense of modesty. It literally means "one’s own miso (paste)," referring to a time when families made homemade miso and would boast about their own being the best. Today, it serves as a humble preface to self-praise, similar to saying "Not to brag, but..." or "I don’t mean to boast, but..." in English.
「手前味噌」とは、控えめに自分のことをほめるときに使う日本語の表現です。直訳すると「自分の家の味噌」という意味で、かつて家ごとに味噌を仕込んでいた時代に「うちのが一番おいしい」と自慢していたことに由来します。現代では、英語の "Not to brag, but..." や "I don't mean to boast, but..." に相当します。
JLPTの目安レベル
N1
※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。