
ヒロシとエミリーは大学の休み時間に話していた。エミリーは日本でホストファミリーと暮らしているが、その家は特に不動産屋を通して契約したものではなく、エミリーの父親とホストファミリーの父親が直接話し合って決めたものだった。そのため、エミリー自身は家賃や契約の詳細についてあまり知らないらしい。ヒロシは、日本では家を借りるときに「保証人)」が必要になることが多いことを説明し、自分は兄に保証人を頼んだ。アメリカではどうなのか、そして「保証人」は英語で何と言うのかを尋ねる。
ヒロシ: そう言えば、エミリーのホストファミリーはエミリーのお父さんの知り合いなんだって? じゃ、不動産屋とか特別に契約しているわけじゃないんでしょ?
エミリー: そう、それは私のパパとホストファミリーのパパで話をしているみたい。
ヒロシ: じゃ、家賃とかそういったものはエミリーは全くわからないんだ。
エミリー: そう、その辺のことは全くわからないわ。私のパパも具体的には何も教えてくれないから。
ヒロシ: いや、たとえば、日本でも家を借りたりする場合や、ローンなどでお金を借りる場合なんか、「保証人(ほしょうにん)」というものが必要になることがあるからさ、アメリカではそういう制度はやっぱりあるのかなと思って。
エミリー: うーん、日本みたいに「保証人(guarantor)」が必ず必要っていうわけじゃないけど、アメリカでも場合によっては「co-signer」が必要になることがあるよ。
ヒロシ: 「co-signer」? それって「guarantor」とどう違うの?
エミリー: いい質問ね! 「guarantor」と「co-signer」はどちらも契約者が支払えない場合にお金を請求されるけど、責任の範囲と請求のタイミングが違うの。
- 「co-signer」 は、契約者と同じ立場で、最初から支払いの義務を負うの。契約の時点で、家主(landlord)は「契約者と co-signer のどちらに請求してもいい」。だから、たとえば私が家を借りて、お父さんが co-signer になった場合、もし私が家賃を払わなかったら、家主はすぐにお父さんに請求できるの。お父さんは契約者とほぼ同じ責任を負うから、支払いの遅れがあったら家主はすぐに行動できるのよ。
- 「guarantor」 は、契約者が支払いを滞納したときに初めて責任が発生する人なの。契約の時点では、家主はまず契約者に請求するのが基本。もし契約者が支払わず、何度も請求しても払わない場合に初めて guarantor に支払いを求めることができるの。だから、「契約者が支払わない限りは何もしなくていい」のが guarantor の特徴よ。
ヒロシ: なるほど! つまり、「co-signer」は契約者と同じレベルの責任があって、家主はどちらにも請求できる。でも、「guarantor」は最初は責任がなくて、契約者が払えないときに初めて請求されるんだね。
エミリー: そういうこと! だから、co-signer は「契約者と同じ負担」を持つけど、guarantor は「万が一のときにだけ責任を負う」違いがあるの。うんだね。
エミリー: そういうこと! だから、co-signer になるのはリスクが高いけど、guarantor のほうが少し負担は軽いのよ。
ヒロシ: なるほどね。でも、日本ではアパートを借りるときに「保証人(guarantor)」が必要になることが多いから、外国人にとっては少し大変かもね。
エミリー: そうなんだ! じゃあ、日本で「保証人」を見つけられない場合はどうするの?
ヒロシ: 家族に頼むのが普通だけど、家族がいない場合は「保証会社」にお金を払って保証してもらうこともあるよ。
エミリー: あ、それならアメリカにも似たサービスがあるよ! 「Lease Guarantee Service」っていう会社があって、たとえば「The Guarantors」とか「Insurent」みたいな企業が、家賃を保証するサービスをしてるの。でも、日本ほど一般的じゃなくて、多くの人はクレジットスコアや「co-signer」で対応するのよ。
ヒロシ: へえ、アメリカにも保証会社みたいなサービスがあるんだ!
エミリー: そうね。だけど、日本ほど普及はしてないと思うわ。アメリカではクレジットスコアがすごく重要だから、スコアが高ければ保証人なしで部屋を借りられることが多いの。でも、スコアが低かったり、留学生みたいにクレジットヒストリーがない人は、保証会社を利用することもあるわ。
ヒロシ: なるほどね! 日本とアメリカでいろいろ違いがあるんだな。でも、「guarantor」と「co-signer」の違いもわかったし、保証会社のことも知れてよかった!
エミリー: うん! こういう違いを知るのって面白いね!
解説
今回の会話では、日本の「保証人(guarantor)」とアメリカの「co-signer」の違いについて話しました。
- 日本の「保証人(guarantor)」 は、契約者が支払いを滞納した場合に代わりに支払う人のこと。主に賃貸契約やローン契約で必要とされる。
- アメリカの「guarantor」 も基本的に同じ意味で使われるが、日本ほど一般的ではない。
- 「co-signer」 は、契約者と同じ義務を負い、最初から支払いの責任を持つ。クレジットスコアが低い人や学生など、信用が不足している人に必要とされる。
- 日本では、家族が保証人になることが多いが、難しい場合は「保証会社」に依頼することもできる。
今回の会話で出てきた「保証人」は、英語では "guarantor" や "co-signer" という表現が使われる。「guarantor」は支払いができなくなった場合のみ責任を負うのに対し、「co-signer」は最初から契約者と同じ義務を負う点が異なる。
I needed a guarantor to rent a house, so I asked my brother to be my guarantor.
家を借りる時に、保証人が必要だったので、兄に保証人を頼んだ。
「保証人」を英語で説明する
Hoshounin(保証人)
A "hoshounin" is a guarantor in Japan who agrees to take financial responsibility if the primary contract holder fails to pay. It is commonly required when renting an apartment or taking out a loan. In Japan, a family member often serves as the guarantor, but if that is not possible, there are "hoshougaisha" (保証会社, guarantor companies) that can provide this service for a fee.
(保証人とは、日本において契約者が支払いを滞納した際に代わりに支払う義務を負う人のこと。特に賃貸契約やローン契約で必要とされる。日本では家族が保証人になることが多いが、難しい場合は保証会社に依頼することもできる。)
「保証人」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。
参考