大学のカフェテリアでランチを食べながら、ヒロシとエミリーは「和魂洋才」について話している。エミリーは、この言葉の英訳を考えたと言い、ヒロシに説明を始める。そこから、「洋才」の部分が時代遅れではないかという議論に発展していく――。
エミリー: ヒロシ、「和魂洋才」って英語でどう訳せばいいか考えてみたんだけど……たぶん、"Japanese spirit, Western learning" って言えば伝わると思うんだよね。
ヒロシ: なるほど、そのまま訳すと確かにそんな感じになるな。でも、なんかちょっと硬い気がするな。
エミリー: そうなんだよね。もっとナチュラルに言うなら、"Maintain the Japanese spirit while adopting Western knowledge." みたいな感じかな? でもこれだと、「Western knowledge(西洋の知識)」に限定されてるように聞こえない?
ヒロシ: あー、確かに。「洋才」って言葉自体が、西洋から学ぶことを前提にしてるよな。でも、今の時代ってもう西洋だけじゃなくて、世界中から学ぶべきじゃないか?
「洋才」はもう古い?
エミリー: そう! そこが私も気になってたんだよね。明治時代は、西洋の知識を学ぶことが重要だったんだろうけど、今って情報はどこからでも手に入るじゃん? 例えば、IT技術ならアメリカだけじゃなくてインドや中国もすごいし、ビジネスのモデルはヨーロッパだけじゃなくて東南アジアやアフリカにも面白いものがある。なのに「洋才」って言葉のままだと、学ぶべき知識が「西洋限定」みたいな印象になっちゃう。
ヒロシ: たしかに、今は「才」はどこからでも学ぶべきだよな。西洋に限らず、アジアでもアフリカでもいい。むしろ、その方が柔軟でいいかもしれない。
エミリー: そう思う! だから「和魂洋才」じゃなくて、ユニバーサル(universal)のユニをとって「和魂ユニ才」にした方がよくない?
ヒロシ: なるほど、「ユニ才」か。ユニバーサル世界的なという感じだね。うん、それは確かに現代に合ってるかもしれないな。エミリー発、ハイブリッド語の誕生だね。
和魂とは何か?
ヒロシ: でもさ、「和魂」って言葉の意味をちゃんと考えないといけない気がするんだよな。エミリーにとって、「和魂」って具体的にどんなものを指すと思う?
エミリー: うーん…私は「日本の精神」とか「価値観」だと思うんだよね。例えば、日本人の「礼儀」とか「思いやり」、あとは「空気を読む文化」とか。こういうのって、海外に行ってもすごく役に立つと思うんだよね。
ヒロシ: そうだな。でも、和魂っていう言葉が「伝統を守ること」だけを意味してしまうと、ちょっと問題もあるかもしれない。例えば、日本の古い価値観の中には、時代に合わなくなったものもあるだろ?
エミリー: それも分かる! 例えば、女性の社会進出に関する考え方とか、日本の古い考えが変わらないことで問題になってることもあるよね。でも、私は「和魂=伝統をすべて守ること」だとは思わないよ。むしろ、「日本の良さを理解して、それを世界の中で活かすこと」じゃないかな?
ヒロシ: なるほどな…。それなら、「和魂ユニ才」っていう考え方はアリかもしれないな。
和魂グローバル才という考え方
エミリー: でしょ? これからの時代、日本人に必要なのは「日本の良さを持ちつつ、世界のどこからでも学ぶこと」だと思うんだよね。だから、「和魂ユニ才」っていう言葉を使えば、もっと現代的な意味になると思うんだけど、どうかな?
ヒロシ: うん、俺もそう思う。世界はどんどん変わってるのに、「洋才」にこだわるのはもう時代遅れかもしれないな。でも、「和魂」っていう言葉自体の意味をどう解釈するかは、ちゃんと考える必要があるかもな。
エミリー: そうだね。でも、日本の文化や価値観の良さを大切にするのは、絶対に意味があることだと思うよ!
ヒロシ: それは間違いないな。じゃあ、これからは「和魂ユニ才」って考え方でいくか!
エミリー: うん、賛成!
解説
和魂洋才(わこんようさい)
- 「和魂」=日本の精神や価値観
- 「洋才」=西洋の知識や技術
- 明治時代に、西洋の学問を取り入れながら日本の精神を守るという考え方として使われた。
エミリーの提案:「和魂ユニ才」
- 「洋才(西洋の知識)」ではなく、世界中の知識を学ぶべきという考え方。
「和魂洋才」を英語でどう表現する?
- "Japanese spirit, Western learning."(直訳)
- "Maintain the Japanese spirit while adopting Western knowledge."(意訳)
- "Instead of 'Western learning,' we should embrace global wisdom."
(「洋才」の代わりに、世界の知恵を取り入れるべきだ。) - "'Wakon Uni Talent' might be a better term for the modern era."
(「和魂ユニ才」の方が、現代にはふさわしいかもしれない。)