大学のカフェテリアで、エミリーは珍しく怒っている。教授から出された課題についてヒロシに話し、「理不尽」という言葉の意味について確認する。
エミリー: ねえヒロシ、ちょっと聞いてくれる? 私、こんなに怒ることあんまりないんだけど、今回の課題、本当におかしいと思うの!
ヒロシ: え、どうしたの? エミリーがそんなに怒るなんて珍しいな。
エミリー: いや、もう聞いてよ! この前の授業で、教授が「次のレポートは日本の古典文学について書いてください」って言ったの。でも、それだけじゃなくて、「原文を読んで、そこから引用して、自分の考察を書け」って……。原文って、平安時代の文章だよ!? 日本人の学生だって普通に読めないのに、外国人の私に読めって、どういうこと?
ヒロシ: えっ、それはさすがに無茶じゃない? だって、日本人でも古典文学の原文を読むのは大変だよ。現代語訳を読んで考察するならまだしも、原文で理解しろって……。それ、完全に「理不尽」な要求だろ。
エミリー: ちょっと待って、「理不尽」っていうのは、特別な要求ってこと?
ヒロシ: ああ、「理不尽」っていうのは、「道理に合わないこと」とか「筋が通っていないこと」を指すんだ。つまり、ちゃんとした理由がないのに押し付けられる不公平なことを「理不尽」って言うんだよ。例えば、今回の課題みたいに、日本人でも苦労することを外国人に求めるのは明らかにおかしいよな? だから「理不尽」って言える。
エミリー: やっぱり!? こんなの無理って思ったんだけど、「理不尽」って、英語だと「unfair」ってことかな? それとも「unreasonable」? どっちが合ってるのかな?
ヒロシ: うーん、どっちも近いけど、ニュアンスがちょっと違う気がするな。「unfair」は「不公平」って感じで、「unreasonable」は「無理がある」とか「納得できない」って意味だよな?
エミリー: そっか、じゃあ、今回のケースだと「unfair」より「unreasonable」かな? だって、日本人でも苦労することを外国人に求めるのは、合理的じゃないし、無茶な要求だよね。
ヒロシ: そうだな。でも、「unfair」も使えなくはないと思う。たとえば、日本人の学生には現代語訳の使用を許可してるのに、エミリーだけ原文を読めって言われたら、それは「unfair」な状況だろ?
エミリー: なるほどね! じゃあ、もし英語でこの状況を説明するなら、「This assignment is totally unreasonable!」とか「It's unfair to expect a foreigner to read classical Japanese!」みたいに言えばいいのかな?
ヒロシ: うん、どっちも伝わると思うけど、「unreasonable」の方がしっくりくるかもね。特に、理由がなくただ厳しい要求を押し付けられる場合には「理不尽=unreasonable」って感じがする。
エミリー: わかった! 「unreasonable」は「理不尽」にかなり近い表現なんだね。でも「unfair」も場合によっては使えると……うん、いい勉強になった!
ヒロシ: そうそう、状況によって使い分ければいいよ。
エミリー: じゃあ、今回の課題について教授に「This assignment is totally unreasonable!」って言ってみようかな?
ヒロシ: いや、それはちょっとストレートすぎるかも(笑)。「This might be a bit too difficult for a foreign student. Could I use a modern translation instead?」みたいに言った方が、交渉しやすいんじゃない?
エミリー: たしかに、いきなり「unreasonable!」って言ったら、教授を怒らせちゃうかもね(笑)。よし、もう少し柔らかく伝えてみる!
ヒロシ:そうだね、教授もエミリーが日本語上手だから、このぐらい・・・なんて、思ったのかもしれないし。 頑張れ、エミリー! もし何かあったら、一緒に考えるよ!
エミリー: ありがとう! 本当に「理不尽」なことには、ちゃんと意見を言わなきゃね!
解説
「理不尽」について
「理不尽」は、状況によって英語での訳し方が変わる。代表的な表現は以下の通り。
irrational(非合理的)
例: His decision was completely irrational.(彼の決定はまったくもって理不尽だった。)
→ ルールや判断が感情的で、理屈が通っていない時に使う。、「明らかにおかしい」というニュアンスが伝わるので、使い方を覚えておくと便利!
unreasonable(不合理、無理な要求)
例: This assignment is totally unreasonable!(この課題は完全に無理がある!)
→ 正当な理由なく、無茶な要求をされる場合に使える。
unfair(不公平)
例: It’s unfair to expect a foreigner to read classical Japanese!(外国人に古典を読めっていうのは不公平だ!)
→ ある人だけ特別に厳しい要求をされるなど、不平等な状況で使える。
「理不尽」を英語で説明する
Rifujin (理不尽) refers to something that is unreasonable, unfair, or lacks logical justification. It is used when someone is forced to accept an irrational demand or an unjust situation. Unlike simply being difficult or challenging, rifujin implies that there is no valid reason for the demand or that it is fundamentally unfair.
For example, if an employee is told to work overtime just because they are younger than their colleagues, that would be rifujin. Similarly, if a teacher makes the whole class retake an exam because no one got a perfect score, that would also be considered rifujin.
In everyday life, people use rifujin to express frustration about unfair treatment, unreasonable expectations, or illogical rules.
理不尽(りふじん)とは、合理的な理由がなく、不公平で理にかなっていないことを指します。誰かが無理な要求を押し付けられたり、不当な状況を受け入れざるを得なかったりする場合に使われます。単に「難しい」や「大変」なだけではなく、正当な理由がないのに押し付けられる理不尽さが含まれます。
例えば、「若いから」という理由だけで残業を強制される場合、それは理不尽です。また、クラス全員が満点を取れなかったからという理由で試験をやり直させるのも、理不尽な要求と言えます。
日常生活の中で、人々は不公平な扱い、不合理な期待、または筋が通らないルールに対して「理不尽だ!」と表現することがよくあります。