ヒロシは家族で冬の京都を訪ねた。その時のお寺の印象を早速、エミリーに伝えようとして「趣」という日本の言葉を英語にする時の難しさを実感。
ヒロシ:この前、家族で京都の古いお寺に行ったんだ。母が冬の京都に行きたいなんて言ってて、僕も誘われてね。すごく良かった!特に庭が…なんて言うかな、日本語で「趣」があるという言葉がぴったりなんだけど、英語で「趣」ってどう説明したらいいかなと思って。
エミリー: うーん、「趣」ね。難しい感覚ね。どういうニュアンス?ヒロシが思う「趣がある」って、どういう感じなの?
ヒロシ: あー、説明するの難しいなぁ…。例えば、古いお寺とか庭を見たときに、「うわ、きれいだな」だけじゃなくて、なんていうか、伝統を感じるというか、心が落ち着く感じ?
エミリー: ああ、なるほど。その場所がただ美しいだけじゃなくて、雰囲気や歴史が伝わってくる感じなのかな?
ヒロシ: そうそう!なんか、派手じゃなくて、でも「美しい」っていう感じがあるんだよね。
エミリー: それなら、「charm」や「elegance」が近いかもね。でも多分、英語には「趣」とぴったり同じ言葉がないから、文脈によって違う言葉を使うことになるかな。
ヒロシ: 例えばどう使うの?
エミリー: じゃあ、「charm」の例からいくね。
「This old temple has a lot of charm.」って言うと、「この古いお寺には魅力がある」って意味になる。控えめだけど人を惹きつける感じを伝えるのに使うよ。
ヒロシ: あ、「魅力」か。でもそれって「趣」とはちょっと違う気がするな。
エミリー: そうだね。「趣」はもっと独特の雰囲気を強調することもあるよね。その場合は、「atmosphere」や「character」を使うのがいいかも。
ヒロシ: 「atmosphere」って?
エミリー: 例えば、「The atmosphere of this garden is so peaceful.」って言ったら、「この庭の雰囲気はとても穏やかだ」って意味になるの。全体的な空気感や雰囲気を指すときに使えるよ。
ヒロシ: なるほどね。じゃあ、「character」は?
エミリー: 「character」は、その場所や物が持っている独自性や特徴を表す言葉。「This old town has a unique character.」って言うと、「この古い町には独特の趣がある」って感じになるかな。
ヒロシ: へぇ、そういうことか。「趣」がいろんな単語で表現できるの、面白いね。
エミリー: そうだよ!「趣」を英語にするには、その場の特徴を具体的に表現するのがポイント。だから、ヒロシが教えてくれた「趣」の説明がすごく助かった!
ヒロシ: いやいや、こちらこそ。エミリーのおかげで英語の表現が増えたよ!
エミリー: よかった!またいつでも聞いてね。
解説
趣(おもむき)は、英語に一言で対応する単語がなく、その場所や物が持つ「控えめな美しさ」「伝統的な雰囲気」「独特の味わい」などを含む概念です。文脈に応じて使う英語表現を選ぶことが大切です。
1. Charm(魅力、惹きつける力)
- This old temple has a lot of charm.
(この古いお寺には魅力がある。) - 「趣」がその場所の控えめで魅力的な側面を表している場合に適切です。
2. Atmosphere(雰囲気、空気感)
- The atmosphere of this garden is so peaceful.
(この庭の雰囲気はとても穏やかだ。) - 「趣」が全体的な雰囲気や空気感を強調する場合に使います。
3. Character(個性、特徴)
- This old town has a unique character.
(この古い町には独特の趣がある。) - その場所や物の「独自性」や「特別さ」を表すときに適しています。
4. Elegance(上品さ、優雅さ)
- The traditional design of this tea house gives it a sense of elegance.
(この茶室の伝統的なデザインには上品さを感じる。) - 「趣」が特に上品で優雅なニュアンスを持つときに使います。
ポイント
「趣」を訳す際は、具体的なニュアンスを英語で明確にすることが重要です。無理に「charm」を「趣」と訳すよりも、具体的な描写や適切な単語を使うことでより自然な英語表現になります。
趣(おもむき)を英語で説明しよう
Omomuki (趣: おもむき) means a unique blend of subtle beauty, atmosphere, and charm that evokes a sense of tradition and tranquility. For example, when admiring a temple, a historical building, or a scenic natural landscape, people might describe it as having "omomuki." In English, phrases like "it has a lot of character" or "it has a peaceful atmosphere" might come close to expressing this idea. However, omomuki is a uniquely Japanese concept, and translating it directly into English is challenging.
(趣とは、控えめな美しさ、雰囲気、魅力が絶妙に調和し、伝統や安らぎを感じさせるものを指します。たとえば、寺院や歴史的建造物、自然の景観を目にしたとき、人はそれを「趣がある」と表現するかもしれません。英語では、「it has a lot of character(個性がある)」や「it has a peaceful atmosphere(穏やかな雰囲気がある)」といった表現が近いかもしれません。しかし、趣は日本独特の感覚であり、英語に直接訳すのは難しい概念です。)