エミリーは、「本心」という言葉を知りました。以前話題になった「本音」との違いが今ひとつわかりません。早速、ヒロシに説明を求めます。
エミリー: 前に「建前?本音?」っていう話題で本音について教えてくれたじゃない。最近、「本心」という言葉も知ったんだけど、本心と本音、どうも違いが良くわからなくて、教えてくれない?
ヒロシ: なるほど、「本心」と「本音」の違いについてね。似たような言葉で、微妙に意味が違う言葉が日本語にはあるからね。疑問を持って当然だと思うよ。で、「本心」と「本音」がどういう文脈で使い分けられるかをもっと深く説明すると、「本心」は自分の心の中にある、本当に思っていることや考えを指すんだ。たとえば、「本心ではあの提案に賛成している」とか「本心から感謝している」というように使うよ。こういう場合は、自分が感じている純粋な気持ちや意思を表す場面で「本心」が出てくるんだ。
エミリー: そうなんだ。「本心」は自分の中にある深い気持ちってことね。でも、「本音」とはどう違うの?
ヒロシ: 「本音」はね、自分の本当の気持ちという点は本心と同じだけど、それをあえて言葉にして表に出す場合に使うんだ。たとえば、友達との会話で「表面上は楽しいと言ったけど、本音では少し退屈だった」とか、「本音を言うと、もっとゆっくり休みたい」と言うような感じだよ。つまり、「本心」は普段から自分の中にある純粋な感情だけど、「本音」はそれをあえて言葉で表現する場面に関係しているんだよね。
エミリー: じゃあ、「本心」は常に自分の中にあるけど、「本音」は状況に応じて出すかどうかがポイントってことかな?
ヒロシ: そうそう、まさにその通り!たとえば、仕事の面接で「本心ではこの会社で働きたいと思っています」と言えば、その人の真剣な気持ちを表しているよね。でも、友達とリラックスした場面では「本音を言うと、あの映画そんなに面白くなかった」みたいに使うのが自然だと思う。場面によって使い分けることで、自分の気持ちを適切に伝えることができるんだ。
エミリー: 面白いね。英語に訳すなら「本心」は“true feelings”とか“true intentions”で、「本音」は“what I really think”や“to be honest”になる感じがするね。
ヒロシ: うん、そうだね。「本心」はもっとフォーマルな感じで、自分の心の中にある真剣な気持ちを表す言葉だし、「本音」は普段隠している気持ちを正直に話すときに使うから、英語だと“to be honest”がよく似合うよね。
エミリー: それに、「本音」を表に出すときって、日本だと難しいことも多いのかな?
ヒロシ: 確かに、日本では「本音」をストレートに言うのが難しい場面もあると思う。特に仕事の場や上下関係を意識する場面では、相手の気持ちを考えて「建前」を優先することがあるからね。でも、それでも「本音」を伝えたいときは、「正直に言うと」という前置きをして慎重に話すことが多いよ。
エミリー: ねえヒロシ、ふと思ったんだけど、「本音」の「音」という漢字と、「本心」の「心」という漢字に、それぞれの違いが表れているんじゃないかな?「本音」は音、つまり声に出すことが関係しているから、言葉として表に出る気持ちを指していて、「本心」は心、つまり純粋に内側の気持ちに焦点があるっていう感じがするけど、どうかな?
ヒロシ: おお、それ、すごくいい視点だと思う!確かに、「音」は声や言葉に関係するから「本音」は表現することを重視しているし、「心」は内面にある純粋な感情や思いそのものを指しているよね。その違いが漢字にも反映されているって考えると、さらにしっくりくるね。エミリー、いい着眼点だよ!
エミリー: やっぱりそうなんだ!日本語の漢字って本当に奥が深いね。気づけてよかった!
ヒロシ: 本当にそうだね。こうやって話していると、日本語の面白さを改めて感じるよ。エミリーのおかげで新しい発見もできたし、ありがとう!
エミリー: こちらこそ、分かりやすい説明ありがとう!またこんな話をしようね!
解説
「本心」
意味: 自分の中にある純粋で変わらない気持ちや意思を指す。自分の深い感情や考えを表す言葉。主にフォーマルな場面や真剣な話題で使われる。
英語表現:
- “true feelings” (本当の気持ち)
- “true intentions” (本当の意図)
例文: - “My true feelings are that I respect him a lot.”
(私の本心では、彼をとても尊敬しています。) - “Her true intentions are always good.”
(彼女の本心はいつも善意に基づいています。)
「本音」
意味: 普段隠しているが、本当はこう思っているという率直な気持ち。特にカジュアルな会話で使われることが多い。
英語表現:
- “what I really think” (自分が本当に考えていること)
- “to be honest” (正直に言うと)
例文: - “To be honest, I didn’t enjoy the party.”
(本音を言うと、そのパーティーはあまり楽しめなかった。) - “What I really think is that we should try a different approach.”
(本音を言うと、別のアプローチを試すべきだと思う。)
「本心」と「本音」の違い
- 「本心」 は、自分の中にある変わらない純粋な気持ちや考えを指し、主にフォーマルな場面や真剣な状況で使われる。
- 「本音」 は、普段は隠している気持ちをあえて言葉にして表現する場面に関係している。カジュアルな会話でよく使われる。
- 文脈での使い分け:
- 「本心」は「これが私の本心です」というように、自分の誠実さや真剣さを示す際に使う。
- 「本音」は「本音を言うと…」のように、隠していた率直な気持ちを伝える際に使う。
このように「本心」と「本音」は、文脈や状況に応じて使い分けることで、自分の気持ちを正確に伝えることができる。
本心と本音の違いを英語で説明する
The terms honshin (本心) and honne (本音) both deal with a person's true feelings, but they differ in how those feelings are expressed and the context in which they are used.
- Honshin (本心) refers to the true, deep feelings or intentions that reside within a person. It represents what someone genuinely believes or feels at their core, regardless of whether they express it outwardly. Honshin is inward-focused and remains constant, even if it is not shared with others. For example:
- “My honshin is that I truly want to support this project.”
This means that deep down, you genuinely support the project, even if you haven't openly said so.
- “My honshin is that I truly want to support this project.”
- Honne (本音), on the other hand, refers to the honest feelings or thoughts that a person expresses, often in contrast to what they might say outwardly in formal or polite situations. It emphasizes what someone really thinks, especially when they decide to reveal those feelings. Honne is outward-focused and often used in informal or casual situations. For example:
- “My honne is that this plan is too difficult to achieve.”
This indicates that while you might not have said it openly before, you're now revealing your true thoughts.
- “My honne is that this plan is too difficult to achieve.”
The difference between honshin and honne can also be seen in the kanji used:
- 心 (heart) in "honshin" emphasizes the deep, inner feelings or intentions.
- 音 (sound) in "honne" highlights that these are feelings that are expressed as words or sounds.
日本語訳:
本心(honshin) と 本音(honne) は、どちらも人の「本当の気持ち」に関係していますが、その気持ちがどのように表現されるか、またはどの場面で使われるかに違いがあります。
- 本心(honshin) は、心の中にある純粋で深い気持ちや考えを指します。これは、自分が本当に信じていることや感じていることを表し、必ずしも外に出さないものです。「本心」は内面的で、自分の中に常に存在している感情を強調します。例:
- 「私の本心は、このプロジェクトを本当に応援したいということです。」
これは、たとえまだ口に出していなくても、心の奥ではそのプロジェクトを支持しているという意味です。
- 「私の本心は、このプロジェクトを本当に応援したいということです。」
- 本音(honne) は、率直な気持ちや考えを指し、特に普段は隠しているけど、あえて正直に表現する場合に使われます。「本音」は外向きで、カジュアルな場面で使われることが多いです。例:
- 「私の本音は、この計画は達成するのが難しすぎるということです。」
これは、建前ではない本当の考えや気持ちを今ここで明かしている、というニュアンスです。
- 「私の本音は、この計画は達成するのが難しすぎるということです。」
本心 と 本音 の違いは漢字にも表れています:
- 心(heart)が「本心」に使われていることで、内面の深い気持ちや意思を強調しています。
- 音(sound)が「本音」に使われていることで、言葉として表現された気持ちを示しています。