エミリー:日本てほんとに四季それぞれの魅力があるわね。最近知った「紅葉狩り」って言葉。
紅葉って、秋から冬に向かって葉が色づく季節を楽しむという日本の秋の風物詩よね。
ミネソタ州の秋も北部の森林地帯やミネソタ州立公園では、カエデやオーク、アスペン(ポプラ)などの木々が赤や黄色、オレンジに染まり、とてもきれいなの。ミシシッピー川沿いは特にきれいよ。レッドウィングとかね。
日本語では紅葉を楽しむことを「紅葉狩り」っていうらしいんだけど、どうして「狩」という字がつくのかしらってこと。
狩るというのは狩り、何か動物を捕まえるという時に使われる言葉よね。ハンターみたいに。それが、どうして植物を鑑賞する目的の紅葉に使われるかが不思議で。別に紅葉を集めてくるわけじゃないんでしょ。
ヒロシ:エミリー、すごいね。確かに、僕もそう思うよ。
だけど、「狩る」という言葉が使われているのには、少し面白い背景があるんだ。
もともと「狩る」という言葉は、動物を捕まえる「狩猟」を意味していたんだけど、平安時代くらいから、自然の中で何かを探して楽しむ行為全般に「狩り」という言葉が使われるようになったんだ。たとえば「紅葉狩り」や「花狩り」なんて言葉もあったし、季節の風景を楽しむことが「狩り」に例えられるようになったんだよ。
つまり、「狩る」というのは、実際に何かを捕まえるという意味ではなくて、自然の美しさを探して楽しむという意味に広がって使われるようになったんだ。
エミリー:なるほどね!だから、紅葉狩りは実際に紅葉を「狩る」わけじゃなくて、ただその美しさを探して楽しむってことなのね。
ヒロシ:そうそう、実は「桜狩り」という言葉も昔は使われていたんだ。平安時代には、貴族たちが春に桜を楽しむために山や野に出かけて、その桜の美しさを鑑賞することを「桜狩り」と呼んでいたんだよ。今では「花見」っていう言葉の方が一般的だけど、当時は「桜狩り」も普通に使われていたんだ。
この「狩り」という言葉は、実際に何かを捕まえるのではなく、自然の美しさを見つけ出して楽しむという意味で使われていたんだね。桜狩りも、紅葉狩りと同じように、自然の中で桜を探し、鑑賞するという行為を「狩り」に例えていたんだ)。
エミリー:へえ、そんな歴史があったんだ。自然を楽しむことに「狩り」という言葉を使うのって、日本語の奥深さを感じるわね。
ヒロシ:ミネソタ州では紅葉を鑑賞することを何か特別な言葉は使うの?
エミリー:ミネソタ州では、うーん、実は日本の「紅葉狩り」に相当する特別な単語はないのよ。アメリカ全体でもそうだけど、秋に紅葉を楽しむことはとても人気があるわ。でも、私たちはそれを特に「フォリッジ・ウォッチング」や「リーフ・ペーピング(Leaf Peeping)」って呼ぶことがあるの。
Leaf Peeping っていうのは、紅葉が見ごろの時期に、特に観光客が車やハイキングで出かけて紅葉を楽しむことを指すのよ。特にニューヨーク州やニューイングランドの地域では、秋になると多くの人が紅葉を見に来るから、そのためのツアーや旅行も盛んになるの。
解説
「Peeping」は、「こっそり見る」や「覗き見る」という意味があります。このため、「Leaf Peeping」は直訳すると「葉を覗き見る」という意味になります。ただし、ここでの「Peeping」はネガティブな意味ではなく、紅葉を注意深く楽しんだり観察したりすることを指すために使われています。通常の「peeping」はこっそり見るような意味合いがありますが、紅葉観賞の文脈では、むしろ積極的に自然の美しさを見に行くことを示す言葉として使われています。
例文
- "We're going leaf peeping this weekend in Vermont."
(今週末、バーモント州に紅葉観賞に行く予定です。)
この表現は特に秋の観光シーズンに使われ、紅葉が一面に広がる景色を楽しむために山や公園に出かけることを指します。
日本の「紅葉狩り」と似ていますが、「Leaf Peeping」は特に観光行動を指す意味が強いと言えます。
エミリー:そうそう、「Peeping」って、普通は「覗き見る」っていうちょっと秘密めいた意味だけど、ここではそうじゃなくて、自然の美しさをじっくり観察するっていうポジティブな意味で使われているわ。
それから、ただ「enjoying the fall colors(秋の色を楽しむ)」って言ったりするわね。
ヒロシ:へぇー面白いね。 紅葉を覗きに行くか・・・、またenjoying the fall colors というのも、秋の色を楽しみに行く、というのも味わい深い言葉だね。