エミリー:ヒロシ、10月って、神無月ともいうわよね。「神がいない月」って書くけど、本当にそうなの?なんで神様がいなくなる月なの?
ヒロシ:ああ、神無月、よく知ってたね。日本人でも12ヶ月全て言える人は少ないと思うよ。「神無月」って、字面を見ると「神がいない月」って思うよね。実はこれにはいくつか説があるんだ。一つの説は、日本中の神様たちが毎年旧暦の10月に出雲大社に集まるから、他の地域では神様がいなくなる、というものなんだ。それで、各地では神様がいない「神無月」って呼ばれるんだよ。
でも、出雲地方では逆にこの月を「神在月(かみありづき)」って呼んでいて、神様が出雲に集まってくる特別な月なんだ。
もう一つの説では、「無」の字を「ない」という意味ではなく、「の」として捉えることもあるんだ。だから、「神無月」は実は「神の月」という意味で、神様に感謝を捧げる重要な時期だったとも考えられているんだよ。
エミリー:なるほど、それで「神無月」って言われるのね。でも、出雲に集まった神々って、いったい何をするの?
ヒロシ:神様たちは出雲で「神議(かみはかり)」という会議を開いていると言われているんだよ。この会議では、神々が人々の縁結びや来年の豊作、人々の運命について話し合うんだ。だから、神無月はただ神様がいない月ってわけじゃなくて、重要な決定がされる月でもあるんだよ。
エミリー:ああ、縁結びの会議ね!それなら神様が忙しいわけね(笑)。これなら、英語で説明できそう。
In Japan, there’s a month called "Kannazuki," which translates to "the month without gods." However, this doesn’t mean that gods are gone completely. It’s believed that all the gods from around Japan gather at Izumo Shrine for an important meeting. During this time, they discuss things like matchmaking, future harvests, and the fate of people. In fact, in the Izumo region, this month is called "Kamiarizuki," meaning "the month with gods," because they host the gods from all over Japan. So, while the rest of Japan might feel godless, Izumo is full of divine activity. |
ヒロシ:うん、エミリー理解が早いね。僕でもすごく理解できる説明だね。
ところで、エミリー、海外にも似たような話しあるのかな?
エミリー:実は似たような神話や物語があるのよ。たとえば、ギリシャ神話では、オリンポス山に住む神々が集まって会議を開く場面がよく出てくるの。ゼウスを中心に、神々が人間の運命や世界の出来事について話し合うのよ。日本の神議と少し似てるでしょ?
それから、北欧神話にも同じような話があるわ。北欧の神々はアースガルズという場所で集まって会議を開いて、世界や人々の運命について決定するのよ。これも、神無月の神々の会議に少し似ているわね。
あと、ケルトの伝説でも「サウィン」っていう時期があって、これは現代のハロウィンの起源でもあるんだけど、死者の霊や精霊がこの世に戻ってくるとされているの。神無月で神様が集まるという信仰とちょっと似てる部分があるのよ。
ヒロシ:へえ、ギリシャや北欧、ケルトにもそんな似たような話があるんだね!それなら、日本の神無月も、世界の神話と共通点があるんだなって感じられるよ。
エミリー:そうね、いろんな国で神々や霊が集まって何かを決めるっていう考え方があるのは面白いわね。