
春の新学期。ヒロシの所属する大学のサッカーサークルに、新入生が体験で参加してきた。でもその新入生、サークルレベルとは思えないほどの実力者。入部はお試しだったが、結局、学校の体育会サッカー部に行くと言って辞めてしまった。ヒロシは、その圧倒的な実力をエミリーに話す。
ヒロシ: 今日、うちのサークルにとんでもない新入生が来たんだよ。マジで「レベチ」だった。
エミリー: レベチ?なにそれ?
ヒロシ: 「レベルがちがう」って意味。略して「レベチ」。まわりと比べものにならないくらい、うまかったんだ。
エミリー: あー、日本人お得意のハイブリッド語ね。
ヒロシ: まあ、英語っぽいけど日本語みたいなやつな。
エミリー: 「レベルがちがう」ってつまり、他の人よりずっと上ってことだよね?普通の英語なら exceptional とか outstanding とかかな。
ヒロシ: exceptional…?そのへんの単語はよくわかんないけど、言いたいことはなんとなくわかる。
エミリー: スラングっぽく言うなら on a whole different level とか言うよ。
ヒロシ: 「全体の違ったレベル」ってこと?…それ、まさにレベチだね!
エミリー: でしょ?意味も響きも似てるから覚えやすいかも。
ヒロシ: うん。っていうか、その新入生、高校のとき全国大会出てたんだって。選手権、わかる?
エミリー: うん、日本の高校サッカーの全国大会でしょ?冬にやるやつ。
ヒロシ: そう、それ。全国高等学校サッカー選手権大会。しかもスタメンだったって。
エミリー: え、それめっちゃすごくない?
ヒロシ: いやほんと、サークルの空気がピリッとしてさ、みんなちょっと遠慮してた。
エミリー: そりゃそうだよ。そんな経験ある人が来たら、ただ楽しみたい人はやりにくくなるかもね。
ヒロシ: 結局、体育会の部活に行くって言って辞めたんだけどね。正直、ホッとしたところあるわ。
エミリー: なるほど。サークルにはサークルのペースがあるもんね。
解説
レベチ(レベル違い)は、「レベルが違う」を略した日本の若者言葉です。
特にスポーツやゲーム、勉強、仕事などで、誰かの能力や結果が他の人たちと比べてずば抜けて優れているときに使います。
「次元が違う」「別格」などの表現と似ていますが、もっとカジュアルで口語的な印象です。
ポジティブな意味で使うことが多いですが、場合によっては「場違い」「強すぎて浮いている」といったネガティブなニュアンスを含むこともあります。
英語には「レベチ」にぴったり当てはまる単語はありませんが、状況によっていくつかの表現が使えます。
on a whole different level
直訳すると「まったく別のレベルで」という意味で、日本語の「レベチ」に非常に近いニュアンスを持つスラング表現です。
誰かの実力や成果が飛び抜けていて、他の人と比べ物にならないときに使います。
例文:His ball control is on a whole different level.
あいつのボールコントロール、マジでレベチだよ。
exceptional
「並外れて優れている」という意味のフォーマルな単語です。
「才能」や「成績」「パフォーマンス」が特に優れている人に対して使われます。
例文:She’s an exceptional player with amazing speed and control.
彼女はスピードもコントロールもすごい、ずば抜けた選手だ。
outstanding
こちらも「抜群の」「傑出した」という意味で、特に賞賛するときによく使われます。
「exceptional」よりもややカジュアルに使える表現です。
例文:He gave an outstanding performance in the final match.
決勝戦で彼はすばらしいプレーを見せたよ。
「レベチ」を英語で説明
"Rebechi" is a Japanese slang term derived from “reberu ga chigau” (the level is different), and it refers to someone whose skill or quality stands out far above the rest.
(「レベチ」とは、「レベルが違う」の略語で、誰かの実力や能力が他と比べて圧倒的に優れていることを表します。)
「レベチ(レベル違い)」は日本語能力試験(JLPT)N2〜N1に該当します。
※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。