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「口調」:カタカナ語でよく聞く英語表現

昼休み、ヒロシは食堂でエミリーとランチをとりながら、ゼミの先輩に対する不満を打ち明ける。その先輩はいつも命令口調のような話し方でくるため、ヒロシは納得がいかない。同じようなことを言う別の先輩は、もっと丁寧で穏やかな口調なのに…。エミリーは「口調」という日本語が気になり、ヒロシに意味を尋ねる。


ヒロシ: マジでさ、いくら先輩でも、あの命令口調はないよな。なんであんな偉そうに言えるんだか理解できない。

エミリー: 命令口調?それってどういう意味?

ヒロシ:口調」ってのは、話し方の雰囲気とか言葉遣いのこと。で、「命令口調」ってのは、「やれ」とか「これしろ」って、命令するような言い方のことなんだよ。

エミリー: あ、なるほどね。学年が上だからって、そんな言い方されたら気分悪いわ。英語ではそんな時の言い方、「tone」に近いと思うな。

ヒロシ: へぇ、英語で「口調」はTONEって言うんだ。カタカナで「トーン」って言葉は日本語でもあるけど、日本語だと声の高さとか、色の濃さとかに使うことが多い気がするんだよな。

エミリー: そうだね。でも英語の「tone」は、話し方の雰囲気とか、相手への気持ちのこもり方にも使うよ。たとえば「Don’t use that tone with me.(その口調で話さないで)」とか、「Her tone was very cold.(彼女の口調は冷たかった)」っていう表現があるよ。

ヒロシ: 英語の「tone」って、言葉の意味よりも、感情とか人との関係性をどう伝えるかに重きを置いてる感じなんだな。日本語の「口調」と似てるけど、ニュアンスの幅が違うのかもな。

エミリー: うん、英語でも「どう言うか」がすごく大事って思う。日本語も同じだよね?

ヒロシ: ほんとそれ。言ってる内容じゃなくて、話し方ひとつで印象って全然変わるからさ。あの先輩も、もっと考えて話してくれりゃいいのに…。

解説

この記事では、「口調」という言葉とその重要性について、英語との違いを交えながら会話しました。

日本語の「口調」は、話し方のスタイルや雰囲気、丁寧さや感情の現れ方を表す言葉です。「命令口調」「丁寧な口調」「優しい口調」など、同じ内容でも言い方によって印象が変わることを示しています。

英語ではこれにあたる単語が tone(トーン) です。ただし、ここには少し注意が必要です。

日本語にも「トーン」というカタカナ語がありますが、「口調」という意味ではあまり使われません。たいてい「声のトーン(高い・低い)」「色のトーン(明るい・暗い)」など、物理的・視覚的な特徴に関して使われるのが一般的です。

一方、英語の tone は、声の調子だけでなく、話すときの態度や感情、対人関係のニュアンスまでを含む、より広い意味で使われます。

共通点と違いを整理すると:

項目日本語の「トーン」英語の "tone"
声の高さ○ よく使う○ よく使う
色の濃淡○ 美術・デザインで使う○ 同様に使う
話し方・口調△ あまり使わない◎ よく使う(自然な表現)
感情の表れ△ 限定的◎ 怒り・冷たさ・優しさなど

英語の表現例

  • Don’t use that tone with me.
    (その口調で話さないで)
  • Her tone was very cold.
    (彼女の口調は冷たかった)
  • His tone sounded very aggressive.
    (彼の口調はとても攻撃的に聞こえた)
  • It’s not what you say, it’s how you say it.
    (何を言うかではなく、どう言うかが大事)
  • He always talks in a commanding tone.
    (彼はいつも命令口調で話す)

このように、英語では「tone」が「口調」にあたる自然な表現になりますが、日本語で「トーン」と言っても、同じ意味にはなりません。

つまり、tone = 口調 という感覚は、日本語を母語とする人には意外とイメージしにくいのです。だからこそ、英語でこの言葉を使うときには、文脈や感情を含めて理解することが大切です。

「口調」を英語で説明する

Kuchou(口調)
Kuchou refers to the tone, style, or manner of speech. It reflects how someone speaks, including their attitude, politeness, and emotional expression—not just what they say, but how they say it.

(口調とは、話すときのスタイルや態度、感情の表れまでを含む言葉です。「何を言うか」ではなく、「どう言うか」を重視する日本語の表現です。)

「口調」は日本語能力試験(JLPT)N4に該当します。

※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。語彙の出現頻度や専門性に応じて、参考レベルを判断しています。

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