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英語学習で重要な異文化理解:「Apple」と「リンゴ」の例から考える
リンゴはappleで良いのでしょうか

ヒロシ:エミリー、"Apple" は日本語で「りんご」だって知っているよね?

エミリー:もちろん。日本で見かけるフルーツはだいたいわかるわ。

ヒロシ:じゃあ、聞くけど、リンゴと言ったとき、どんな姿を思い浮かべる?

エミリー:うーん、赤くてちょっと黄色がかった丸ごとのリンゴかな。

ヒロシ:僕は違うんだ。僕はカットされてフォークに刺してあるリンゴを思い浮かべたよ。こういうふうに、同じ言葉でも人によって描くイメージが違うんだ。

エミリー:確かに。みかんだってそうよね。アメリカではそのまま皮をむいて食べることもあるけど、日本だと一房ずつ丁寧に食べるのが普通よね。

ヒロシ:そうそう。そもそも日本のみかん=オレンジではないと思うよ。

同じ言葉を使っても、それがどういうものか、どう使われるかは人によって異なるんだ。同じ国の中でさえ、違うんだから違う国だったらなおさらだね。

それが「リンゴ」やみかん程度の話題なら大したことはないけど、話題によっては誤解が生じて、意思疎通の問題になることもあると思う。

エミリー:たとえば?

ヒロシ:たとえば、「ありがとう」と「thank you」の違いかな。日本では「ありがとう」の使い方に細かいニュアンスがあるけど、英語の "thank you" には、そういった細かな区別はあまりないよね。

エミリー:そうね。「申し訳ありません」や「すみません」も難しいわよね。日本では感謝と謝罪の両方に使われるけど、英語の "sorry" だけじゃそのニュアンスは伝えきれないことがあるわ。

ヒロシ:そういうところで、言葉の使い方が違うと、「感謝しているつもりが謝っているように伝わる」とか、逆に「謝っているつもりが軽く聞こえる」こともあるんだ。

エミリー:それって、ちょっとした違いだけど、相手の印象に大きく影響を与えちゃうわね。ビジネスの場面だったら特に問題になるかも。

ヒロシ:そうなんだよね。文化や言葉の違いを理解しないまま話してしまうと、意図しないところで相手を不快にさせることもあるんだ。

エミリー:そう考えると、コミュニケーションって奥が深いわね。ただ単に言葉を覚えるだけじゃなくて、相手の文化的背景や感覚も考えながら使う必要があるのね。

ヒロシ:そうだね。僕たちがこうやって日本語と英語の表現について考えるのも、そういったズレを少しでも減らすためだと思うんだ。

エミリー:本当にそうね。同じ言葉でも相手がどう感じるかを想像するのが大切だわ。こういう理解があると、言葉の学びがもっと楽しくなりそう。

ヒロシ:うん、だからこそ、これからも一緒に学びながら、異文化の違いを楽しむ心を持ちたいよね。

解説:言葉の違いとコミュニケーションの課題

この会話では、単語や表現に込められた文化の違いが、コミュニケーションの質にどう影響するかを示しています。単純な「リンゴ」という言葉が、人によって異なるイメージを引き起こし、話の流れを変えてしまう可能性があるように、言葉のズレや異なる文化的背景が意思疎通に影響することが話題にされています。

1. 具体例としての「リンゴ」

  • 日本のリンゴは品種改良により甘みが強く、丁寧に育てられ、贈答品としても扱われることがあります。また、皮をむいて食べる習慣があり、カットした状態で出されることが多いです。
  • アメリカのリンゴはそのままかじって食べることが一般的で、サラダや料理にも使われます。栽培も大量生産型で、比較的価格が安いです。

このように、「リンゴ」という同じ単語でも国や人によってイメージが異なることが示されました。ここでのポイントは、この違い自体は大きな問題を生むわけではありませんが、他の言葉ではこうした違いが誤解につながる可能性があるという点です。

2. 言葉とニュアンスの違い

会話の中で、「ありがとう」と "thank you" の使い方の違いが例として挙げられています。

  • 「ありがとう」:日本では場面によって「ありがとうございます」「どうもありがとう」「すみません」など、さまざまな感謝の表現が使い分けられます。
  • "Thank you":英語では比較的シンプルに感謝を表現しますが、感謝の強さや状況に応じた言い方が少ないため、場合によっては軽く聞こえてしまうことがあります。

同様に、「すみません」や「申し訳ありません」は謝罪と感謝の両方に使われるため、日本語を学ぶ外国人にとって理解が難しい表現です。これが、英語の "sorry" との違いを引き起こし、場合によっては誤解を生むこともあります。

3. ビジネスシーンでのリスク

この会話でも触れられているように、ビジネスの場面では言葉の誤解が信頼や印象に影響を与える可能性があります。例えば、謝罪のつもりで "sorry" を使っても、日本の相手には軽く感じられてしまうことがあります。反対に、英語圏の人に「すみません」と言った場合、謝罪よりも感謝の意味で受け取られることもあります。

4. 異文化理解の重要性

この会話は、言葉の背景にある文化を理解することの重要性を強調しています。単なる翻訳ではなく、その言葉がどう使われ、どのような意味を持つかを学ぶことが、誤解を防ぎ、スムーズなコミュニケーションにつながります。また、相手の文化や価値観を尊重する姿勢が、良好な人間関係を築く上で重要です。

まとめ

この会話を通じて、「リンゴ」のような単純な言葉でも、文化や人によって異なるイメージを持つことがわかります。これが些細な話題であれば問題にはなりませんが、感謝や謝罪の表現のように、状況によっては大きな誤解を生むこともあります。

英語学習者にとって、単語やフレーズの学習だけでなく、その言葉が持つ文化的背景や使い方の違いを理解することが重要です。また、相手の反応を想像し、言葉の使い方に気を配ることで、より深いコミュニケーションが可能になります。

これからも、日常の何気ない言葉を通じて異文化を学び、お互いの違いを楽しみながら言葉を使う力を磨いていきましょう。

参考:異文化の感性を伝えるということ:翻訳という創作・運営者コラム

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