
ある蒸し暑い6月の午後、エミリーとヒロシは大学の図書館の前で待ち合わせ。エミリーは最近の蒸し暑さにぐったりしていて、日本の夏が本格的に始まる前からすでに疲れている様子。そんな彼女にヒロシが声をかけるところから、会話が始まる。
エミリー: はぁ〜、今日もめっちゃ暑いね…もう無理。
ヒロシ: だよな。まだ梅雨終わってないのにさ。これからもっと暑くなるよ。
エミリー: えっ、もっと⁉ 今でもうヘトヘトなんだけど…。
ヒロシ: うちの親父も最近ちょっと夏バテ気味なんだよね。
エミリー: あ、「夏ばて」?それ、よく聞くけど…どういう意味?
ヒロシ: うーん、「バテる」ってのはさ、ただ疲れるだけじゃなくて、体がだるくなったり、やる気出なかったりする感じ?とくに暑さでやられてる時に使うんだよ。
エミリー: へぇ〜。じゃあ「夏バテ」って、「暑さで体がバテる」って意味なんだ?
ヒロシ: そうそう。英語だとなんて言うの?「夏バテ」って。
エミリー: うーん、完全に同じ言葉はないかもだけど、summer fatigueとか言うかな。「夏の疲れ」って感じ。
ヒロシ: あー、それ近いかもね。でも「バテる」ってもっとグッタリした感じもあるんだよな。食欲なくなったりさ。
エミリー: あ、たしかに。最近、私もあんまりごはん食べたくない…。
ヒロシ: それ夏バテの始まりだよ。今からそれだと、夏本番乗り切れないよ。
エミリー: ヒロシのパパにもそれ言ったんでしょ?
ヒロシ: そう。「今のうちからバテてたら、夏は無理だよ!」って。
エミリー: ミネソタも夏は暑いけど…日本の蒸し暑さは全然ちがう。こっちは「夏バテ」って言葉が必要なくらい独特だね。
ヒロシ: 他にも日本には「暑気あたり」とか「熱中症」とか、夏限定の言葉いっぱいあるよ。
エミリー: おもしろいね。ミネソタは乾燥してるから、そこまで「だるさ」はないかも。
ヒロシ: なるほど。やっぱ日本の夏、特別かもね。
解説
夏バテ(natsubate・夏バテ)
「夏バテ」とは、夏の高温多湿な気候によって体調が崩れ、食欲が落ちたり、だるさや無気力を感じたりする状態を指します。単なる「疲れ」よりも、体全体が重く、何もしたくなくなるような深い不調です。
もともと「バテる」は関西弁に由来すると言われており、「疲れて動けない」「エネルギーが切れた」ようなイメージの言葉です。「疲れる(tsukareru)」よりも、より消耗しきった感じがあります。
「fatigue」の意味と使い方
英語で「夏バテ」に近い感覚を伝えるときに使える単語が fatigue(ファティーグ) です。これは「慢性的な疲労」や「体や心の深い疲れ」を表すフォーマルな語です。
たとえば、「tired」が「ちょっと疲れた」だとすれば、「fatigue」は「完全に消耗した状態」を意味します。
英語での表現例
以下は「夏バテ」に近い意味を持つ英語表現と、その訳です:
- I'm feeling exhausted from this heat.(この暑さでヘトヘトだよ)
- The humidity really drains my energy.(湿気がエネルギーを奪う)
- I think I'm suffering from summer fatigue.(夏バテしてる気がする)
- It's too hot to eat anything.(暑すぎて何も食べられない)
- This heat is killing my motivation.(この暑さでやる気が出ない)
これらの表現を組み合わせることで、「夏バテ」の状態を英語で自然に伝えることができます。ただし、「natsubate」という言葉自体は日本独自の文化に根ざした表現であるため、英語に完全な対応語はありません。
「夏バテ」を英語で説明すると?
"Natsubate" refers to the physical fatigue and lack of energy caused by Japan's hot and humid summer weather. It includes symptoms like loss of appetite, sluggishness, and trouble sleeping."
「夏バテ」は、日本の蒸し暑い夏によって引き起こされる体の疲れやだるさのことで、食欲不振や体のだるさ、寝つきの悪さなどの症状が含まれます。
「夏バテ(natsubate)」は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。
※日本語能力試験(JLPT)では、出題語彙の公式リストは公開されていません。このレベル表示は、実際の試験問題や教材に基づいた目安として記載しています。